QUESTIONNAIRE

kimpittさんの回答


1、あなたが覚えている、生まれて最初の記憶は何ですか?

アルジェの太陽が、とてもまぶしかった・・・・というのは、嘘。
鉄棒から落っこちたこと。きわめて曖昧な記憶でしかないけれど、それは、どうやら幼稚園くらいではなかったのか。たしか、小学校の校庭です。その校庭は、実在していましたから、幻影ではありません。それにしても、この下世話な記憶の凡庸さに、ぼくは耐えられない。
ほんとうは、もっと幼い日々について思い出したいのですが、そのへんはマッシロケ。誰だったか忘れたけれど、オギャーと叫んで、この世へ出てきたころの記憶があると言う作家がいたけれど、あれは、マユツバだよね。嘘は、作家の始まり。

(最初の記憶は、自分が生まれた瞬間に見た母親のあの部分(!)という作家の話を、どっかで聞いたことがあるけど、それはさすがに「ホントかよー」と思った。でも、それは彼の中だけで、本当なのかもしれない。いや、そう信じてるってとこで、それはもう彼の「記憶」だからしょうがない。きっと、捏造しない「記憶」なんてないんでしょう)
2、「美しい」という言葉で、誰を思い出しますか?

そ、そんな。
そんなキーワードで、誰かを思い出すなんて、それは犯罪です。
でも、一人思い出してしまいました。
去年。ぼくたちの絵画グループ展でのこと。その日、ぼくは一人当番をしていました。すると、若い女性が入ってきて、ゆっくり一回りして、出ていこうとしました。なんか言わないと・・・と思い、「なにかお気にめした作品がありましたか」。彼女は、「あの絵です」。その指さす方向にあったのは、なんと、ぼくの作品でした。「え? あれは、ぼくのですが・・・」。すると、彼女の目は、涙でウルウルになったではありませんか。「あの、どうかなさいましたか」「いえ、別に」。当惑しきったぼくは、なんか悪い気がして、そそくさとその場を離れました。
さて、その夜のこと。自宅へFAXが入りました(全員に、メンバーのアドレスなどか入っているリーフレットを渡していたため)。彼女からのものです。そこには、こんなこどか書かれていました。
「なにか触れてほしくない心の傷に触れられたような、それでいて、それは、けっして不愉快ではなくて。あの絵を見た瞬間に、わたしは、どこか別の世界に、あの絵とともに飛んでいってしまいました」。
彼女は、ほくにとって、美しい人みたいです。

(美しさは、その人との微妙な関係からもやってきますよね。すごく、キレイな話です)
3、あなたが偏愛するものは何ですか?

もし、愛の深さを測るモノサシがあったら、もし、愛の病理を診断する体温計のようなものがあったら、ぼくはそれを、けっして手に入れようとは思わないでしょう。
そんな恐ろしいものは、悪魔に魂を売ったファウストだって、欲しがるかどうか。
でも、しいて偏愛と訊ねられたら、「生きること」だと答えそうな気がします。
愛なんて、孤独な幻想でしょ? それと、偏りのない愛なんて、あるのかなあ。あらゆる愛は、偏愛ではないかな。
・・・・と言いつつ、ぼくは、アイスクリームに、異常な愛を寄せています。観念的には、SEXも偏愛しています。でも、この単語を狭義に解釈するのは、ご遠慮ください。

(僕も生きることには執着しています。愛は偏り。誰にも自分の愛を理解なんてできないでしょう。幻想だと思います。だけど、それでも、アイスクリームやSEXは必要だって言える、あなたが好き(笑))
4、あなたは好きな人の、身体のどの部分に惹かれますか?

やはり「心」というか「魂」です。でも、これは、身体の一部ではない。しかし、確実に身体の内奥に棲息していると思う。
形而下的な回答をするなら、人によってまちまち。クチビルが好きな人もいるし、目が好きな人もいるし、手とか指が好きな人もいるし。また、ときとして、その人の性器が好きなことだって、ありうるよなあ。しかし、いずれの場合でも、即物的というよりは、精神の内部との関連で好きになるでしょう。

(肉体は精神が宿ってこそ美しく、精神は肉体を離れては語れない。だけど、時には何の精神性もなく、からっぽの宝石箱みたいな美しさを持っている人もいます。わかっているのに、そういう美しさに惹かれるとき、僕はそれを穢れと呼びます)
5、あなたは、植物と動物、どちらに近いですか?

これは、明白。植物です。いえ、植物に近い存在でありたいという希求が、ぼくのうちにある。でもね。動物は、ウンコをするでしょ? その行為が、なんともいとしく、哀れでもあり、その哀れさには、えもいわれぬ郷愁を感じます。
恋をするなら、動物的なそれより、植物的なそれのほうが、いい。淡い恋心というのは、少年的・植物的だと思いませんか。

(やはり、永遠の少年なのですよ。キムピットさんは。いえ、永遠の少年を志向する者・・・でしょうか。排便の哀愁もですが、性欲の哀愁も、僕たちを植物的な淡さから遠ざけている気はします。でも、どっちもやめられるもんじゃないけどね(笑))
6、あなたの前世はなんですか?

 底知れぬ悪意を肉体全身ににじませた男。その悪意とは、自分が、けっして美しい男にはなれないという確信から生まれた憎悪の化身です。へっへっへ、これは、じつは、現存する仮面をかぶった自分の実像なのですよ。

(「底知れぬ悪意を肉体全身ににじませた男」!!・・・これは、カッコいい!(笑)でも、それが今のキムピットさんのペルソナならば、この先生まれ変わろうとも、永劫に憎悪は繰り返されるのか・・・・・・・)
7、あなたの心地よい感触を教えてください。

 日の光がさんさんと射している。青い空がある。ぼくは、草原に一人。かすかに風が吹いているらしい。お気にいりのバイシクルは、無造作に横たわっている。
乾いた夏の日。まだ、時間はたっぷりあって、遠い雲の彼方から、永遠がやってきて、僕に話しかけそうだ。

(気持ちよさそう・・・・・・(笑)ときには、感触そのものよりも、時間そのものが心地よいときもあります)
8、食欲・睡眠欲・性欲。この中であなたが一番必要とするのは?

性欲でしょう。もっとも不足しているから・・・ではありません。リビドーのない魂に、生の充実なんて、ありえない。あらゆる生活行動は、射精なんです。みんな、そのことに気づいていないだけ。

(ああ。性欲と言ってくれるだろうと思っていました!インテリは性欲が極端に大きいか、小さいかのどちらかだなんて聞いたことがありますが、なかなか興味深いところです)
9、今日はいい日でしたか?

世界の終焉がやってこなかった、という意味においては、いい日だった。しかし、よくよく考えるまでもなく、それは、「どうでもいい日」であるのかもしれない。
いずれにしても、終焉は、ジリジリとやってきつつあることに、気づく必要はあるでしょう。
ほくは、「いい日」なんか、好きじゃない。いいか、悪いか。そんなカテゴライズは、ぼくの生活習慣のなかには、ありません。
でもね。君に出会えた日は、うれしかったりする。君って、誰? 誰だっていいんです。

(肯定も否定もなく。それが僕らの日常なんですよね。僕もここにいられることが、ちょっと嬉しい)
10、神様は、どこにいますか?

ぼくがいる草原の上の天のほう。ぼくがいなければ、神様もいない、たぶんね。心のなかに住んでいると言う人もいるけれど、神様は肉体の外にいるのです。風や光がやってくるところなんかに、いたりするよ、きっと。
ぼくは、神になる瞬間がある。そのことは、誰にも言わないけれど。

(神様は、僕についてくる!神様は僕様?)
11、あなたは、何を失いましたか?

 いつも失っているのは、記憶。どこへ行ってしまうのか、ぼくには、わからない。でもそれは、ぼくの幸福感の源泉かもしれないね。だからぼくは、芸術家ではないと思います。

(記憶は忘れられ、再びつくられる。そして、忘れることが幸福であり、また同時に不幸でもある。難しいっすね)
12、起きていたいですか?眠りたいですか?

 起きているときと、眠っているときの、なにが違うのだろう? ぼくの精神は、いつも覚醒しているみたいで、ぼくの肉体は、いつも眠っているみたいで。
フォーレのレクイエムの「イン・パラディスム」を聴いていると、永遠に起きているような、永遠に眠りにつこうとしているような、そんな感覚に呪縛されます。それは、とても性的な快楽です。

(覚醒し、かつ眠っている・・・・・・そして、そのゆったりと両極へと引き裂かれる感触は、とてもエロティックですね。なんとなく、わかる気がします)
13、この後、何をしますか?

 まだ、決めていません。今日の精神のマスターベーションが、まだ終わっていないんだよね。
もし、夜空が晴れていたら、ぼくは、星を眺めつづけていたいです。あのはるか遠くに、なにかがある。もしかしたら、手をのばせば、届くかもしれない。
夜の闇は、昼の闇よりも好きです。お休みなさい。

(そして、夜もまたひとつの太陽・・・・・・おやすみなさい。どうぞ、心地よい夢を)

ありがとうございました。

kimpittさんをもっと知りたい!って人はこちら(「勝手に映画ネチズン」)

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