パリ放浪記10


目次

今日は朝からピカソ美術館へ。
メトロに乗って、マレ地区のST SEBASTIEN FROISSART駅まで行く。

パリ滞在中の移動手段は歩く以外は、ほとんどこのメトロに乗っていました。メトロというのはメトロポリタンの意で、「地下鉄」というそのままの意味とは違うようですね。僕にはクノーの『地下鉄のザジ』で愛らしいザジが縦横無尽に駆け巡るイメージがあります。

で、実際に乗ってみると、メトロの駅構内というのは迷路です。とは言っても、迷うことはほとんどありません。複雑に曲がりくねった地下道も、曲がり角や分岐点に来るたびに、ご親切に行き先表示がしてあるからです。

僕はメトロに乗る時は、カルトオランジュという定期券を買っていました。これは1週間用と1ヵ月用があって、僕が買ったのは1週間用、これを2回に分けて買いました。でも一週間用のカルトオランジュの有効期限は確か日曜から土曜の定まった枠があるので、例えばそれを木曜日に買おうとすると、窓口のおばちゃんに「このシロウトが!」っていうイヤ〜な顔をされて断られます。僕もパリ到着すぐに、カルトオランジュを買おうとして追い返されました。
窓口で渡されるのはカードだけで、後で自分で写真を貼っといてね、という半分だけ自己申告制の定期券です。これに写真を貼っていないと違反ということで、検札に来た駅員に罰金を取られるそうです。ハンガリー滞在中と同じく、パリでも1度も検札なんてものには会いませんでしたが、ユキオさんが以前パリにいたときに一緒だった友達は、珍しい検札に引っかかって罰金を取られたそうな。
まぁ、罰金はともかく、パリの「証明写真ボックス(?)」はおもしろいです。普通の写真撮影もできるのですが、背景をいろいろ変えた「変わり写真」を撮ることもできます。駅に置いてあるということは、定期券に貼ってもいいってことだよな?と判断し、僕のカルトオランジュも宇宙空間でにやにやしてる写真でした(笑)。

他にカルネっていうのもあって、これは回数券です。
最初の数日、カルトオランジュが買えなかったのでこっちも購入しましたが、10枚つづりの普通の切符が入っています。

メトロに乗る時は、改札で日本と同じように改札機に通す。ここまでは一緒だけど、出口では改札機がなくて、(一応検札があるというタテマエはあるものの)改札を通ったとたんにポイポイ切符をほかしてはる人もいました。
出口には、内側からだけ開くドアがあって、切符は通さずにそこから出るだけなんですが、滞在中よく目にしたのが、この出口で待ち伏せしてる無賃乗車さんたち。誰か出口から出てくるのを待ち伏せしていて、ドアが開いたとたん、強引に向こうから押し入ってくるという・・・・・・出口はひとりが通れるだけの狭さなので、当然出ようとしていた僕は押し返されるわけです。
ユキオさん曰く、こういうのを物は言いようで「AUTOREDUCTION(自主割引)」というそうな。昔は改札ごと飛び越えたりしてたそうですが、最近の改札は自主割引対策に飛び越えられないよう高さもそれなりにあって、それゆえに出口で待ち伏せっていうことになるんでしょうね。

他にはパリヴィジットっていうのもあって、これは一日定期になっています。とにかく全部試してみようという・・・。パリヴィジットは普通の切符の大きさですが、普通のが水色に対して、こっちはピンク色に金色の読み取りラインが入っていて、ちょっと豪華な感じがします(笑)。

滞在中、とにかくメトロの臭さというのは強烈で、自然と地下迷路を歩いている最中は無言(息を吸い込まないように)、かつ早足になっていました。それでも電車に乗ったとたん、半年ぐらい風呂には入ってませんっていう香りを発散しているおっちゃんと隣り合わせになったりするのです。いきなり席を変えるのも失礼かと、いったん駅を降りるふりをして、別の車両に乗ったりするという・・・・・・清潔王国出身も不便なもんです。

ヨーロッパではよくあるタイプですが、パリの電車の入り口も自動では開かずに、自分でレバーを引いて(あるいはボタンを押して)開けるドアになっています。無駄な動きは一切しないぞ、というこういうところにケチくさいですね。しかもどんなに機械化が進もうと、変えようとしない頑固さといったら(笑)。

自動ドアというのはひとつの線にしかなくて、この1番線というのはわりと綺麗な駅が揃っていて、特にピラミッド駅なんかはすごく近代的でした。あの・・・南港のモノレール乗り場みたいな感じです(笑)。味がないといえばないんですが、ピラミッド駅は中でも特別臭くって、まぁ外見はともかく臭いはどこも共通だな、と(笑)。

おもろいおっちゃんを見つけて、レバー式の電車で飛び乗ってきたのですが、次の駅で飛び降りたと思ったら、すぐ向こうのドアからまた乗り込んできている。どうやらおじさんは、電車がホームに止まっている間に、「電車から降りてレバーを引いて再び電車に乗れるかどうかゲーム」をひとりでやっているらしい(笑)。最後の車両まで行ったらどうなるんだ、と興味津々で見ていたら、最後のドアを降りると何事もなかったかのように悠々とホームの出口の方へ歩いていってしまった。まさか、降りる駅までドアの数を計算して・・・・・・(笑)。

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さてさて、当のピカソ美術館はマレ地区にあります。
ここには青の時代からキュービズムに移っていくところや、絵画、オブジェ、とにかくピカソ作品が豊富に見ることができます。ピカソの作品というのは、純粋に楽しいんですね。見ていて、笑みがこぼれる。例えば小さな子供が床に座ってスケッチしている。それをじっと眺めたりするのが楽しい。そういうけっして作品だけで完結してしまわない、見る者と作品との対話がなりたつ作品でもあり、その意味で永遠に終わることのない世界を築いているのでしょう。

ピカソ美術館の内装は、ジャコメッティが参加しているそうで、シャンデリアや椅子など細かいところに彼の意匠が凝らされています。ほとんど気付かないところかもしれないけれど、17世紀の建築にピカソのオブジェとジャコメッティの装飾とが微妙に混ざり合って、独特の調和を生み出している。

ショップで美術館のガイドを購入。日本語のガイドがあります。

その後、シテ島の方までメトロで移動して、ユキオさんお勧めのジャム屋へ。

僕はジャムが大好きなのです。
でも日本のスーパーなんかで売ってるイチゴジャムとかあんなのはジャムじゃないと思っている、うるさいジャムジャンキーです(笑)。今回ユキオさんに連れて行ってもらったのは、エピスリーというジャム屋で、ここがすごい!壁一面にジャムです。パラダイスです!しかも種類が豊富で、全部買って試してみたくなります。
とりあえず嬉々としてジャム大量購入。
お土産用も含めてかなりの数を買ったんですが(半端じゃなく重かった。それを考慮してか、お店には布の袋も販売していました。もちろん購入)、その中でも特に僕のオススメジャム。


●ブルゴーニュ産はちみつとブラックチョコレート入り木イチゴのジャム
●甘いオレンジジャム
●セイロンティーフレーバーの木イチゴと黒イチゴのジャム
●シナモンとオレンジジュース入り、マンゴジャム


この4つは特にオススメ。普通のフレーズジャムなんかもおいしいんですけどね。
他にはマスタードやはちみつも売ってます。

この日は、夜中クラブにでも行ってみましょうということになっていたのだが、どうも体調がすぐれないので僕は早めにホテルへ帰り、ユキオさんは夜の街をぶらぶらして、ひとりゲーセンに入ったは良いものの、フランス産ヤンキーにからまれそうになったので逃げてきたそうです(笑)。



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