パリ放浪記12


目次

ホテルを出る前に、自宅に電話を入れてみる。
姉のお土産を何にすればよいのか悩んでいたのだが、そういえば本日が姉の誕生日なので、直接きけばいいではないか、と最後の手段に出たものです。
電話すると向こうは夕方近く、太陽が出ている間、姉は非常に御機嫌悪く、お土産に何がいいですか・・・と恐る恐る尋ねてみると、「23日発売のデビル・メイ・クライのフランス語版買って来い!」とのこと。って日本で買えよ。たまたまその場にいたまにらら氏とも少しだけしゃべり、まったく何の参考にならないまま電話を切る。本当に欲しいものは絶対口に出さないという、性格の天の邪鬼ぶりは弟の僕がよく知っているので、実際にデビルメイクライを買って帰ったら激怒すること間違いなしである。難しい・・・。
ということで、この日一日は、姉のお土産探しでずいぶん悩まされました。

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ポンピドゥーのエスカレーターの中から。何を撮ったのかいまいちよくわからない写真 今日はきのうの予定通りポンピドゥー芸術センターへ。
起きるのがかなり遅かったので、遅い朝食をポンピドゥーの近くでとりましょうということに。

ユキオさんの大好物は、ラム酒がたっぷりしみこんだサバランで、18世紀から続いているサバランの老舗がレ・アル周辺にあるというので、そこへ行ってみる。僕はサバランはちょっと苦手なので、タルト(これがものすごく種類豊富)にしましたが、内装も落ち着いていてよい感じでした。周りは京都寺町の商店街っていう雰囲気ですね。パリで自転車に乗っているおっちゃんを初めて見ました。

さてポンピドゥー美術館。
ユキオさんと一緒に、時間をかけてじっくり見ていくことができました。

ルオーの宗教画は初めて見ましたが、かなり深い印象を受けました。
絵の具を塗り重ねた、衝撃的なキリストの顔。布の上にキリストの顔が現れた、あの奇跡の場面である。
目を閉じているキリストは受難のキリスト。彼は人々の罪を我が身のものとして受けとめる。目を開いているキリストは、その絵を見る者がキリストの顔の後ろに自らの罪を見る。その深い目の向こうに自分自身を見出している・・・・・。

こんなテラスがいくつかある。まったりするのに最適

ジャコメッティのテーブル。アンドレ・マッソン、マン・レイ、ピカソの部屋。シャガールの夢の中。上階ではヒッチコック関連の特別展示がやっていて、そちらも見に行く。


ポンピドゥーは建物そのものがおもしろくて、内部もリラックスできる空間になっています。
途中、黒い大理石に水をはったテラスが建物の高いところにあります。強い日差しが差し込んでいて、黒い濡れた石がとても美しく輝いている。水のある空間というのは、いいですね。長くいてもまったく飽きがきません。
ポール・リカールのテラスでは隅の方のベンチで横になって、彫刻やガラス張りの館内の作品を眺めたり、少し視線を転じるとパリの街並みが見晴らせて、時間も忘れるぐらい非常に気持ちがよかったです。(というか僕はあたりかまわず寝転がって、時間を忘れてばかりです)



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夕方近くポンピドゥーを出て、近くにあったリトグラフなどが売っている店にふらっと入る。
19世紀末から現代アートまでのリトグラフなどがたくさん置いてあって、19世紀のごく普通の写真なども置いてあっておもしろい。サラ・ヴェルナールの絵葉書を下宿の同居人夢幻氏のお土産に購入。世紀のレズビエンヌ、ナタリー・バーネイの写真も僕用に探していたのだけど、それは残念ながら見つかりませんでした。世紀末的美人と思われる、名も知らぬ方々の写真を数葉購入。

ポンピドゥーの裏っぺら マレ地区はユダヤ人街としても有名ですが、若い人向けのセレクトショップなどがたくさんあって、ぶらぶらしてるだけでも楽しいところです。というか、やっぱりショッピングはお店をいろいろ知っている人と行かなければ楽しくないのかもしれませんね。今回はユキオさんがあちらこちらと案内してくれてとても充実していましたが、もし僕ひとりなら楽しいお店も多く見逃していたやもしれまへん。
マレ地区で見ていたお店では、フォークロア調とかエスニックなものが流行っていて、そういうものを集めたショップも実際多いです。ユキオさんは発色の綺麗なピンク色のミュールと、ものすごいスパンコールのキッチュなバッグを購入されておりました。
僕は、グレーで襟元と袖口とポケットに赤いステッチがあるバスローブを購入。ちっともバスローブっぽく見えないところが気に入ったので、パリ滞在中はこれを愛用していました。

その後、やや道に迷いつつもスービーズ館とロアン館という18世紀の貴族の建物を見にいって、スービーズの方は今博物館になっているのだけど、ロアン館の方はひどく寂れた感じでした。

で、忘れてはいけない姉へのお土産(笑)。
といいつつ、すっかり忘れていたので、あわてて何かしらよさそうな店を探しつつ(というかユキオさんに探してもらって)、いろいろ歩いたあげく、ようやくフルラにてバッグをひとつ購入。あぁ、これでようやく解放された(笑)。

あとは心置きなく飲もうじゃないか!
ということで、暗くなるまブラッスリーで飲みながら、パッサージュを眺めつつぼんやりと過ごす。



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