パリ放浪記13
目次
本日はオルセー美術館第2弾です。
前回行ったときには、1階部分を見て回ったので、今回は上階部分の彫刻、アールヌーヴォーの部屋、そして印象派の部屋を見て回る予定。
とはいえ、やっぱり来たからにはもう一度モローの部屋に行って、『オルフェウス』などを見てしまう。オルフェウスの首を抱え持つ女性の足元には2匹のカメが・・・。カルル先生は達者にしてらっしゃるのだろうか、などと考える。そして、一度目に来た時とても感動した、ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの部屋へ。
しかし、前回の時間配分の間違い方を多いに反省して、後ろ髪引かれる思いでそこを切り上げ2階部分のアールヌーヴォーの部屋へ行く。
すごいのは、ひとつの部屋がそのままアールヌーヴォー様式の家具などで飾られている部屋があって、ここを眺めているとあらゆる想像がふくらんできます。シャルパンティエの酩酊する部屋。
エクトル・ギマールの集合住宅、・・・がセーヌ川を下ったパリの郊外にありますが、そこは現在も普通に使用されていて、そこの住民である少年にインタヴューしているのをテレビで見たことがあります。彼に言わせるとその内部は気持ちが悪くなってくるような装飾過剰なもので、悪趣味、だとのこと。
美しいガラス細工。ギマールのソファー。リュシアン・ゲラールのトンボの羽のブローチ。
セイレンの装身具の素晴らしく似合う、美しい人が夜の街を歩くのを見ることができたら・・・と想像するのは、またとない楽しみでしょう。
さて、エスカレーターを昇って上階の印象派のフロアへ。
しかし・・・笑けるぐらいに日本人女性の数の多いこと!一気に日本人率がアップして、日本でのいまだ根強い印象派人気というものをまざまざと目の当たりにしました。
僕自身は、アンリ・ルソーの『蛇つかいの女』に惹かれました。
実物は僕の知っていたコピーよりも色彩がずっと暗く、不吉なエロティックな絵でした。意外に良かったのが、ルノワールの『少年と猫』という絵で、全体的に暗い色調で蒼白い少年の背中が鋭く浮き上がっている。
そこから奥まったところに、光を落としたフロアがあって、オディロン・ルドンなどの絵が展示してあります。一連の神秘的な絵。Levy-Dhurmerの『La femme a la medaille ou Mystere』という女性の横顔の絵に惹かれる。
あとは『死都ブリュージュ』の作者ロダンバックのあの肖像画を見つける。死都に溶け込む寸前の、哀しげな亡霊のような肖像画。
そして、Jean-Louis Forainのユイスマンスの肖像画。僕は個人的には作家の顔を見てしまうのは好きじゃないんですが、好奇心というか実際見るといろいろおもしろいこともあります。初めてユイスマンスの顔を見たユキオさん曰く、意外な外見、だそうで。がっしりとした輪郭、かたそうな髪。そりゃあデ・ゼッサントと同じというわけじゃありません。
「落ちくぼんだ頬と、鋼のような冷たい碧い眼と、肉の薄い、けれども真直ぐな鼻と、痩せて骨ばった手とをもった、貧血症で神経質な30歳の華奢な青年である」(『さかしま』より、澁澤龍彦訳)。
オルセーのミュージアムショップでまたもやぬり絵購入。日本の書店でも何度か見たことのあるアールヌーヴォー作品の写真集がとても安価で売っていたので、これも購入。
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その後ピラミッド通りまで歩いていき、クロネコヤマトパリ支店を探すことに。
きのうホテルで荷物を整理していて、これはとてもじゃないけど持っては帰れないぞと思った。なにせ本が大量にある。しかも空港で荷物の重量制限なんてものがあるらしく、以前、カタシ先生がパリに行かれた時、かなり重量オーバーしてしまい4万円ほど請求されたので慌てて荷物を取り出そうとしたところ、空港のフランス人職員に「カクゴ〜!」と日本語で言われたそうな。悪あがきはするなってことだろうが、そんなふうに言われたら脱力しておとなしく4万円支払ったそうな。・・・・・・そんなめに逢うのは嫌なものです(笑)。
もともとの手荷物が少ないのだけど(今回なぜか姉がトランクを貸してくれたのだが、トランクの中はほぼ空っぽという状態でした)、重いのが嫌なので参考までに行ってみる。カウンターには日本人の職員がいて、お客も当たり前だけど日本人ばかり。一瞬フランスにいることを忘れそうになる。
というよりも、このピラミッド通りはどうやら日本人通りに近いものがあって、他にもペリカン便やら、いろんな日本人の店がある。
中でもショックだったのが、淳久堂パリ支店。遠くの方から見えるのは「FF]攻略本あります」の文字!パリに来てまでこんなものを見るとは、気がぬけるというものです。思わず中に入ってみると、店員さんはアルバイトらしき日本人の学生風の男女が3人いて、店内は日本語の本ばかり。それこそFFの攻略本から、文庫本、日本での最新刊まで、品揃えは決して多くないものの、さすがにフランス関係の書籍は充実している。地下は日本のCD売り場になっているようだが、おもしろくもなさそうなのでそこには入らず。客は日本人9割、それ以外1割といったところか。
クロネコヤマトで送料のパンフレットをもらい、ラファイエット通りをぶらぶら歩きつつホテルに帰る。
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