パリ放浪記5


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きのうの計画はどこへやら、オルセー美術館は月曜日はお休みなんですね(笑)。
ということで、本日は予定変更でルーヴル美術館へ行くことに。

パリ滞在中はいつも、まず目的地に向かって最寄りの駅にまっすぐメトロでいくことはなくて、だいたいは一駅か二駅遠い駅を選んで、そこから歩いて行くというのが基本コースになっていました。僕もユキオさんも歩くのが好きなのです。ルーヴル美術館に一番近いのは、メトロのPALAIS ROYAL-MUSEE DU LOUVREですが、僕たちはCONCORDEで降りて、リヴォリ通りに沿ってルーブルまでひたすら歩く。
リヴォリ通りにはマクドナルドがあるのですが、よく見る赤字に黄色の例のMマークではなくて、白地に黒い文字でマクドナルドと書いてあります。Mマークも黒。なんだか更に性質の悪そうな雰囲気です(笑)。ロンドンのマクドに「ビーンズバーガー」があったりするように、その国特有のマクドメニューなんてのがあるかなぁとユキオさんが言うので、ガラス戸越しに中を覗いてみるが中には入らなかったのでよくわかりませんでした。
というか、あまり流行っていません。観光客は入っていくのかもしれませんが、パリの人達はなにもあんなまずいものを食べなくたって、いくらでもおいしいカフェがそこらにあるのだから、必要とされてないのかもしれません。

そんなふうにのんびりと移動しているので、ルーブルに着いたのは午前11時ごろでしょうか。
正面のピラミッド広場前にはすでに長蛇の列(最後尾はいったいどこなのか確認できず)。日差しはかなりきつく、そんなところに並ぶ気には到底なれないので、ここはメトロにもぐって、地下道を抜けた先にあるルーブルの地下、ナポレオン広場の方へ行ってみることに。こちらの方だと、地上のように行列ができていることも少ないし、並んでいても地下なので涼しいし、行列もわりと早くはけていきます。

で、このナポレオン広場に着くまでが、地下のショッピング街になっていて、そこでまた足止め。おもしろかったのは、日本の無印良品が入っていたことですね。パリでは人気があるそうです。値札の表示なども日本語のままで、笑ったのは店員も日本の無印みたいに特有の「無難ファッション」をしているということでしょうか。世も末か。

さて、地下のナポレオンホールに行ってみると、思った以上に人がいる。月曜日は他の美術館が休みだし、ヴァカンスということもあって、(つまり僕みたいな)観光客が多いのでしょう。ユキオさんとは夕方にナポレオンホールで待ち合わせていったん別れる。
ルーブルにはおそらく滞在中何度か来るだろう・・・ということで、そんなに焦らずにゆっくりまわるつもり・・・・・・だったが、僕は正直言ってルーブルの広さをなめていました。
内部は半端じゃない広さで、しかも受付で日本語のガイドマップをもらっているにもかかわらず、迷う迷う!(それは僕の方向音痴のせいかもしれない)・・・・・・おそらく、時間中の3分の1は自分の現在位置をつかめなくなって、さまよっていたのは間違いありません。なんとも疲れる美術館です。

まずはシュリー翼の3階にあがり、17〜19世紀のフランス絵画を見る。

ドラクロワやプルードン、アングルなどを見てまわる。

そして、ラカーズ・コレクションのオランダ絵画を見に行こうとしたら、なんとフランドル・オランダ絵画の一画が閉鎖されている(どうりでいくら迷ってもたどり着かなかったはずです)。
そこはパリ・コミューンのパリ落城のころ、ユイスマンスがルーヴルに通って眺めていた当時の絵画が残っていたはずなのに、軽いショックでした。ユイスマンスの初期の散文詩集『薬味箱』で、アドリアン・ブラウエルという17世紀フランドルの風景画家と、17世紀オランダの版画家コルネリウス・ベガについてのスケッチがあるので、そちらの方も見たかったのだが、これもまた閉鎖!今ではそんなに画家として評価されてもいないでしょうが、何か参考になればと思っていたので残念です。

気を取りなおして、そのままリシュリュウ翼でドイツの絵画を見てまわる。デューラーや、クラナハの作品に巡り合えたのは非常に嬉しく、本でよく目にする肖像画、例えばアンリ4世やフランソワ1世の肖像などが見れるのも楽しい。

リシュウリュウ翼の2階に降りていき、ルネッサンス期の工芸品などを見て、ナポレオン3世の居室をめぐり、そしてなぜか僕の見たい19世紀は閉鎖。苦笑いで、中世の工芸品を見てまわるが、これがなかなかおもしろく、シュジュの鷲やタピストリーなどを見る。

というところで、すでに閉館時間もせまり、待ち合わせの時間に。
まだリシュリュー翼の一部しか見てないのに(笑)。ユキオさんと合流すると、なんと彼女は古代ローマ・ギリシャ美術、メソポタミア、古代イラン、エジプトを見て、さらにフランス絵画の大作群も見てまわったという。僕が遅いというのもあるけど、すごいなぁと感心していたら、ほとんど駆け足だったそうな。
無限に時間があるわけではない観光客にはそうならざるを得ない美術館です。
僕は個人的にルーヴル美術館のような美術館は好きになれなくて(おいてある作品の素晴らしさは別にして)、迷って疲れてしまうというのもありますが、静けさもなければ観光客のカメラのフラッシュだらけの美術館なんて、作品を見たいという気持ちと早くここから出たいという気持ちとで、変な疲れ方をしてしまいました。
あんな巨大美術館じゃなくて、もう少し規模を小さくした美術館に分けてしまえばよいのに。それにあんなにたくさん一度に作品を見たって、消化不良でいったい何を見たのやらやらです。

ルーヴルの後はマドレーヌ教会の方へ出て、ポトフの専門店で夕食(というよりも遅い昼食)。
2000円ぐらいで、スープにポトフ。だけど、まず最初のスープでお腹がいっぱいになるので注意しましょう(笑)。基本的にこういう肉の煮込み料理は苦手ですが、味付けがおいしいので口にすることができました。フランス料理といえば濃厚なイメージがあるのですが、わりとそんなに気になることもなく・・・・・・あっさりと、というわけにもいきませんが。

いったんホテルに帰るが、久しぶりに重い夕食をとって気持ちが悪いので、強い蒸留酒でも飲みましょう、と近くのカフェにひとりで出かける。
フランボワーズの蒸留酒を飲んでみるが、これが何とも香り高くて、キツくって美味なのです。細い瓶の形もなかなかよろしゅうございます。

で、あほみたいな話ですが、その日の夜は、僕が乗っている飛行機がルーブル美術館の上に炎上落下して、僕は絵が燃えちゃいけないとだだっ広いルーブルを走り回っているのに、いっこうに目当てのところに辿り着けないという、非常に恐ろしく、かつわかりやすい夢を見て目が覚めました。



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