THE WAY TO VAMPIRE
きのう思い立ったトランシルヴァニアへの旅行だが、そういえばルーマニアに入るためにはビザが必要だったことを思い出し、ルーマニア大使館に電話してみるが、なにかよくわからないマジャール語を2,3返されただけで、すげなく切られてしまう。なんなんだ。もう一度かけるのは癪だし、かといって仕方がないので、今度はハンガリー大使館に電話。ここでは日本語ができる人が電話に出てくれて非常に助かった。彼が言うに、本当ならばビザは前もって日本でとってきておいてほしい・・・・・・のだが、ここだけの話、非合法で国境でもビザは取れます、とのこと。いいのか、大使館員がそんなこと言ってて(笑)。ともあれどうやら国境までこぎつければ、なんとかルーマニアには入れそうだ。ちなみにビザの値段は日本円で1000円ぐらい。
きのうのカタシ先生の話を聞いていると、ルーマニアは本当に田舎らしい。フィレンツさんにブダペストとブカレストって響きが似てない?とアホなことを言うたら、ブカレストと一緒にされちゃ困るぞと憤っていた。そういうつもりではなかったんだけど(笑)。でもまぁ、そのぐらい辺境意識があるようですね。僕みたいに夜中にフラフラ歩いてたら、族じゃなくてホントに賊がでるぞと脅されてしまった。ここはとりあえずフェレンツさんに声をかけてみようと思い、電話を入れたらすぐにでもおいでということなので、朝から地図を頼りにさっそくフェレンツさんのお宅を訪ねてみる。意外と近くにあったのだが、今までなんとなく行く機会がなく、ご挨拶にも伺ってなかった。フェレンツさんの家は、典型的なヨーロッパのアパートメント。通りに面した表玄関をくぐりぬけると、表からは予想もできないぐらい中は広くて、ちょっとした中庭もある。
部屋に入ってみると、フェレンツさんは荷造りの最中。夏休みが終わったら、再び日本の下宿へ帰るための準備だそうな。大きなダンボール箱が4つもあって、中身は全部本である。そんなにいっぱい持っていって、下宿に入るんですか?と尋ねると、なんだか哀しそうな訴えかけるような目で見られた。そんな風に見られても(笑)。今、ハンガリーではちょっとした日本ブームらしい。というか、日本ブームなるものは世界のどこかで必ず起こってるのかもしれないが。それでか、フェレンツさんの荷物にもブダペストで購入した「日本本」がたくさんあった。表紙に毛筆で『日本書紀』って書いてあるから、なんだと思ってみてみたら、別に日本書紀とは全然関係ない近代日本絵画の本だったり。なんで日本書紀なんですか、ときいても、「カッコいいだろ」とのこと。大丈夫なのか。
初めてお会いするフェレンツさんのお父さん、お母さん。おばさんは日本語はもちろん英語も全然で、僕とコミュニケーションするために机の上に分厚い英語の辞書を用意してくれてあった。日本から買ってきたおかきのセットを渡すと、包装紙が気に入ったようで、カーテンをはずしてそれを窓に貼るらしい。僕用に食事を作ってくれていて、新年に作りだめしておくソーセージ(めちゃくちゃデカイ)、ジャガイモに魚のフライ。魚はどうやら向こうでの特別料理らしい。ここでも念のため覚えておいた例の単語「フィノム(おいしいです)」がおおいに役立つ。しかしサクランボとリンゴの冷たいスープがすごくおいしかった。後は自宅の畑で採れたぶどう。
外はものすごく静かで、ぼんやりとした時間を過ごす。しばらくすると、おばさんが再び入ってきて、フェレンツさんがいないとき、心配そうに「日本はとても暑いのでは」と英語の辞書で奮闘してコミュニケーション。息子がちっとも手紙を書いてこないのは、きっと日本の気候が暑すぎるからだと思っている。
僕はその間もずっとサクランボスープを食べてたんだけど、おばさんがおもむろに、僕の前にスッと新聞を差し出して「あなた、政治に興味は?」ときいてくる。新聞は「デモクラータ」。ハンガリーの首相は今35歳の若い首相で、拡大政策をとっているそうな。つまりオーストリア・ハンガリー帝国時代の領土を取り戻そうということ。そうなるとスロヴァキアにトランシルヴァニアもハンガリー領ということになるわけで。おばさん曰く「ここには真実が書かれてる」。おばさんは彼の拡大政策には反対だそうだ。僕には真実はわかりまへんが、新聞はありがたくいただく。
その後、フェレンツさんの買い物に付合って、繁華街をぶらついてから、きのうのトカイ・アスーがあるので僕のユースにきませんかとお誘いする。
写真に写ってるのは、その日の晩御飯。いっぱい並んでいるが、よく見るとわびしい。トカイワインが光っています。左の方に写っている、ミルクライスというのが劣悪で、ミルクでふやかしたご飯の上にイチゴジャムがのっているという・・・近所のスーパーでは一番人気の品らしい。一口で断念しました。
で、ユースにてフェレンツさんと飲みながら(とにかく飲んでばっかりか?)、ルーマニア行きの打ち合わせ。善は急げとゆーことで、さっそく出発は明日の早朝と決める。しかし、フェレンツさんも他に用事があるそうで、ルーマニア行きは(できれば)日帰りで、ということに。僕はどっちでもいいですよ。長期滞在したいというわけでもなし。
ということで、明日は待望の吸血鬼の聖地、ルーマニアはトランシルヴァニアへ。
(つづく)
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