小話−パパ心息子心

今日はパパさんと美術館&本の市へ。
娘夫婦と朝食を取り終わった頃パパが迎えにやってきた。

アパートを出てすぐの通りでバスを拾い美術館へ。
途中、娘さんが丸一日こもってたという図書館の前を通る。
それから、パパさんが昔働いていたビルも確認。
窓ガラスが壊れていて、昔は寒かったんだよ、だって。
それから道に桜が1本あるっていうんで目をこらしてたら
そのポイントで目の前に大型トラックが横付けし見えなかったり。
でもウクライナで市内バスって乗ったことがなかったからいい経験。

美術館は絵画メイン。なかなか落ち着きますなぁ。
窓辺から青々とした街路樹が見えるのも雰囲気がある。
パパさんは学生のときに来て以来かも・・・などと言っているし。
特別展は窓の絵の羅列。窓辺の花だったり雲だったり。
全部同じ視点から小物が違ったりする作品。
あったかいタッチ。ゆれる線はわざとなのか?
・・・そしたらこの作者は病で半身不随になり、
彼女の見える風景はまさにこの窓のみらしい。
しかも利き手がもう動かないので逆の手で描いている・・・
揺れてるのはそのためか。窓は選ぶ余地のない画題なのか。
すごいな。。。しかも彼女の絵は暖かさがあるよ。鋭さも。
その境遇を知らなくても作品として光るものがある。
最近体調が悪くて、描けてないって係りの人が言ってた。
記帳してきました。素敵な絵をまた描いてほしいと思います。

今度は地下鉄に乗って本の市へ。
パパさんお気に入りの場所でなんでもあるんだよーとご機嫌。
「ほら本もここに来ればなんでも揃う。DVDだってCDだって全部!」
・・・というかショッピング好きなのだ。店員と絡むのも好きみたい。
とりあえず歩くの早い。我が庭のように人混みを縫っていく。

さっそく名刺サイズのカレンダーを何枚も買ってくれた。
そんなに要らないと言っても「いいからいいから」と。。。
それからレトロ調ポスターを何枚か。これは気に入った。

CDもはずせないので、事前チェックしてたバンド名をあげる。
マニアックすぎたのか、何軒か回ってもみつからない。
「うーん、燃えてきたぞ〜。久しぶりだ。絶対見つけてやる!」
なぜかエンジンがかかってしまった。
「もういいですよ」といってもきいてくれない。
「いや、プライドにかけて見つけなくては気が済まないっ!
 私が見つけてくるから君はここにいなさい」
不敵の笑みを浮かべ倍速スピードで消えていった。
何度か私の前を往復して・・・結局何枚か見つけてきた。
彼の満足げな顔。ありがとう。さすがですね。


無事品物を手に入れたので休憩。ちょっとお茶のつもりが、
いろいろ勧めるから結局ランチタイム。ピザとビール! 
私の好きなbileを注文(パパさんは知らなかったみたい)。
・・・というかパパさん、いきなりウォッカ頼んでるし(笑)

食べながら「電話しなくていいの?」とたずねると、
「いいんだよー。絶対ヤツは寝てるし」と気にしないパパさん。

実は、家を出る前に息子さんと待ち合わせ場所を決めるため
あとで電話するって段取りだったのだ。時間は過ぎている。

「でもきっと待ってるよ。約束したし」とたたみかける私。
「ん?・・・でも電話番号しらないし。」
「え? 番号なら携帯借りてきたからわかるよ」
「じゃぁ君がかけて。使い方がわからない」
もー(^^; しょうがいないので私がかける。携帯苦手?

「アロー? ヤンジマ?」息子さんが出る。
私が借りた携帯のもともとの持ち主からと思ったみたい。
「ちょっと待って」と言ってすかさずパパに手渡す。
「あー、起きたか? どこで待ち合わせる?」
といいつつ、身振りでこいつ怒ってるよ〜と私に示す。
そりゃそうでしょう、だいぶ待たせたって。。。

電話を切ると、待ち合わせ場所は決まったからねと
明るくは言うものの、なぜか向こうをむいてため息。
「は〜〜っ。全くあの息子は。は〜〜っ」
「どうしたんですか?」
「すごく怒るんだよ。
 別に時間がずれただけでたいしたことないのに。
 なんであんな怒るかね? わからん。は〜〜っ。」
「いや、時間遅れたし」
「でもさ、あんなに怒らなくても。あのせ・い・か・くっ!」

・・・っていうか、私でもこのパパさんなら怒るかもよ?(笑)

「でもとてもいい子じゃないですか、優しくて魅力的」と私
「そう思う? そう思うんなら日本に連れて帰っちゃってくれー!(^o^)」
「え? そんな喜んで連れ帰りますよー、私!ホントにいいの?」
「いいからいいから。あの性格は大変なんだから」

話がはずんだところで、もう1杯おかわりをしていたら
なんと待ち合わせの時間にもやばくなってきた。パパさんペース?

地下鉄に早速向かおうとしたら
「トイレはいいの?」
「でも時間が・・・」と気にすると
「あーいいからいいから。やつら待ってるからいいよ。大丈夫」
というのでトイレに寄った。

出てくるとそっと私に耳打ち。
「若い連中は自分のことしか考えないからね。
 きっとトイレに行く暇ないよ。私はちゃんと考えるけどね!」
・・・パパさん。大人だわ! かなり奔放にみせといて気遣いが。じ〜ん。


待ち合わせに10分ほど遅れてつく。
「ごめんねー」と駆け寄る私。
「大丈夫大丈夫。どうせパパだろ?」と彼ら。
「いや、そんなことはないんだけど・・・」と言い訳しようとしたら
「じゃ行くから、よろしく。僕は夕飯を作るから」とパパさん。
私を若者達に引き渡すとさっさと帰っていった。しぶいなぁ。


若者達と大通りを散策。ぶらぶら本屋さんに寄る。
さっきパパさんと本の市に行ったばかりだけど(笑)

「どこ行ってたの? え、本の市? うわ〜」
「パパ、好きだからね、本の市。毎週行っても飽きないってよ」
「あそこは人ばっかりで行く気がしないよ。一回で十分だ」
「うんうん、僕も。今じゃ町の本屋も品揃えはいいし。静かだし!」

うーん、世代ギャップか。彼らの意見も一理ある。(^^;
私はどっちも好きだけどね。それぞれのよさがある。(日和見?)

本屋で一人がなぜかキエフ市街地図を見てる。
「どうしてキエフの地図?」って聞いたら、
「キエフに住んでるのにキエフを知らないことに気づいたから。
 今度はちゃんと案内できるようにさ。。。」
「え、いいのに〜。私も東京案内できないから同じだよ〜」
といいつつ顔がついほころぶ私。じ〜ん。なんていいヤツなんだ!

こんな感じでまったくもってすてきな親子なんです(笑)
2004年7月
たびTOP  
HOME