エチミアジン Echmiadzin (アルメニア共和国)

イェレバン市内、市場の脇の十字路からバスがよく出ている。
始発のバスに乗ってエチミアジンへ向かう。
降りるところがわからないので、窓の外を眺め、エレバン市を
出たあたりで、エチミアジン大聖堂の場所を乗客に尋ねる。
「近くになったら教えるから」とおじさんが頷く。

ちょっとした三叉路(広場)で降りた。
私の会話を聞いてたのか、そこで降りた他のおじさんが手招きをする。
どうやら彼らも大聖堂へ行くみたい。何気についていく。
柵を抜けると割と広い。どの方向だろう??? あっちにオブジェが?
キョロキョロする私をまたおじさんが手招きする。ついていく。

あった。落ち着いた建物。今まで私が見てきた教会とは雰囲気が違う。
なんというのか、けばけばしさや威圧する感じがない。やさしく清々しい。
入口や天井の模様はアラベスクっぽい感じ。
ここがアルメニア正教の総本山。穏やかで荘厳だ。

敷地内にはアルメニア全土から集めた貴重なハチュカルが並んでいる。
ハチュカルとはアルメニア独特の石に刻まれた十字架のこと。
4〜5世紀から19世紀くらいまで、様々な模様、意匠。
非常にインプレッシブだ。これが見たくて来たような感もある。
そうそう、アイルランドはケルトの巨大な十字架も脳裏に浮かんだ。
大きな意味でつながてるのかな、なんて感じながら。

大聖堂の奥に博物館がある。ここは是非見なくてはいけないところ。
・・・なのに許可がないとダメと断れた。すぐ入れるって聞いてたのに。
後日ガイドに言ったらおかしいと首をかしげていた。断られたことがないって。
でも他のアルメニア人に聞いたら、やっぱり許可がいるそうだ。
貴重なものだから、常時公開はしてないんだって。事前登録が必要だそうだ。

んー、やっぱりこういうとき個人旅行の不利を感じる。
団体だと特別参観とかできちゃうんだよね・・・スペインでもあったっけ。
しょうがないからまた大聖堂を眺めてからバス停へ戻る。

そして近くにある聖リプシメ修道院へ向かう。
バスでまた乗客に降りる場所を聞きながら。
そういえばイェレバンに帰るとき、間違って乗って飛び降りたっけ・・・(汗)

少女はもちろん、割と少年(小学生高学年〜中学生くらい)が感じいい。
ガキのように私を囃したてることもなく、理性的で、バスで老人や女性に
すかさず席をゆずる。まわりの大人が褒めても当然ですって顔。偉い!
一番紳士的な年頃かもしれん。これがまた青年になるとなんか違う気がする(笑)

で、聖リプシメ教会。
道路際なんだけど、高い位置にあって、階段をのぼる。
のぼると・・・びっくり。この日も天気はよかった。
青い空にアララト山がくっきりと映えて、その隣にぽつんと教会。
高台ゆえ、他に何も視界に入らない、まさに夢のような絶景。
美しい。ほんとに美しい。またまた幸福な気分になった。

教会の中は薄暗く、外とのギャップが激しい。
ほとんど人がいなかったので、ゆっくりと見る。割と内部は狭かった。
この教会の名であるリプシメという女性はキリスト教の殉教者だ。
その彼女を冠するにはぴったりの美しい清らかな建物かもしれない。

また外に出る。やはり美しい。空と山と教会のコントラスト。
どうせ時間はある。よく見える場所を探して、たっぷり眺めよう。

2003年08月
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