撫順(中華人民共和国)

第2次大戦で有名なところだから知ってる人も多いでしょう。
今はどちらかというと炭坑の町でしょうか。
トロッコのような列車から眺めた露天掘り炭田は圧巻。すごい規模。
そしてこここそがラピュタっぽい(パズーの故郷)と思った町です。

平頂山虐殺記念館に行ってみたくて日帰りコースを企てたのですが、
ご飯食べたり迷ったりしてるうちに着いたときは閉館時間。
改装かなんかでいつもより早い時間で終わりだったのです。
門で粘ってみたけど「今日は終わり、明日来なさい」との冷たい返事。
「明日はもうこの町にいないんです」といってもダメだった。

あーあ、ここまで来たのに見れないのかぁ。
ちょっとふてくされて歩いてたら、話しかけられた。
ちょっと天童よしみ風の彼女。

「どうしたの? どこからきたの?」
「日本から記念館見に来たのに閉まってて入れないんです
「まあ、せっかく来たのに? 明日は?」
「今日中にこの町を出るので。。。」
「わかった、ついてきて。何とか見せてあげるわ!」

なんと突然連れの女性達に別れを告げて私達を引き連れた。
まずは記念館入口でもう一度交渉。すごく熱心に。
でもやっぱり断られた。彼にとってもどうしようもないことだろうし。

「ありがとう。もういいですよ。しょうがないです」私達はお礼を言った。
「待って。裏から行けば見れるかも。行ってみましょう!」
「あ、いいですよ。そんな・・・」遠慮する私達。
「ほら行きましょう!」おかまいなしに先陣を切る彼女。
ずんずん歩く彼女の後ろを訝しがりつつ付いていく私達。

くるっと振り向くと「ここから下へ降りれば入れるわ」と指を指す。

・・・はい?
山じゃん。道ないじゃん。
日暮れかかってるし。まじっすか?

彼女は白いハイヒールを土で汚しつつ、枝をかき分けて進む。
結構な傾斜だ。靴は泥だらけで重くなってくる。
「何もここまでして見たいわけでもない」
そんなふうに思いだしていた。
「もしかして不法侵入でつかまるんじゃないのか?」とも。

やっと記念館の本来の敷地に入った。
「はぁ、はぁ・・・ほら、これがその建物よ。」肩で息をしつつ誇らしげだ。
「はぁ、はぁ・・・ありがとう。」帰りはここ登るのか。。。

建物はもちろん鍵がかかっていて入れない。
「こっちこっち! ここの窓から中が覗けるわよ」
なぜに彼女はあそこまでタフなのか。
見つかったら・・・と思いながら覗き込む。

かすかにだけど骨らしきものが山になってるのが見えた。
このためにずいぶんこっちも骨を折ったものだ。
その光景もさることながら、ここまで辿り着いたことの方が感慨深い。

帰りはちょっと楽をして、敷地を堂々と(?)門から出ていった。
山に戻るのはこりごりだったし、人気はもう充分になかったから。

駅へそのまま向かおうとすると、彼女は切り出した。
「ちょっとくらいなら大丈夫でしょ? 家でお茶飲んでって」
押しに負けそうになったが、ホントに時間がなかったので遠慮した。
「残念ね、日本人の友達ができたってご近所の人に紹介したかったわ」
駅まで彼女は送ってくれたが、最後に彼女の写真を渡された。
「日本人男性と文通したいから誰か紹介してね」と笑顔。
なに? 彼女の狙いはそれだったのか? (笑)

とはいえ、靴をよごし、汗をかきながら案内してくれた彼女には感謝。
なかなか貴重な経験だったっす。
ちなみに何人かに声はかけたけど、手紙を彼女に出した男性は居なかった模様。
2000年06月16日
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