ホルヴェラップKhor Virap(アルメニア共和国)

イェレバン郊外にあります。
ホルヴェラップ修道院へ駅から出ているバスに乗って行きました。

まさに絶景ポイントにあります。
平原に突然丘、というより岩山に建てられていて、
それだけでも迫力なのに、遠景にはあのアララト山!
是非この目で見てみたいという期待は裏切られませんでした。

ここは聖グレゴールという人が13年も地下牢に幽閉されていたそうな。。。
彼が生き残れた理由は諸説伝わってるようですが、蛇や鳩が助けたとか、
哀れんだおばあさんが毎日食事を運んだとか・・・
そして、晴れて自由の身になったとき、ここに教会を建てそうです。

この地下牢が降りられるんですよ。
50cm四方程度の穴からはしごが延びていて入れるんだけど、急!
垂直というより若干斜めにしかも逆方向に傾いてるので、
手でしっかり握らないと落ちそう。しかも深い。。。
出入り口はそこだけなので、降りるときと登るときは譲り合いの精神。

入るの止めようかとも思ったけど、割と女の子も入ってたし・・・
意を決して入ろうとしたら、アメリカ人っぽい人に英語で言われた。
「荷物おきなさい、危ないわよ」
確かに。私も両手の荷物は気になっていたんだよね。
荷物を脇において(こういうとき一人だと荷物管理が不便)降りる。

10m以上の深さだ。細い縦穴を数m降りると、突然空間が広がる。
思ったより広い。5m四方はあるかな。高さも4〜5mありそう。
そこにほんとに簡素な祭壇があって十字架や聖像画がある。
ろうそくが灯されている。

上からさっきのアメリカ人のおばさんの声が聞こえる。
「どう? 大丈夫なの? 私には無理だわ。」
先に降りていた連れらしい女の子2人が答える。
「大丈夫。思ったより広いし。」
「んー、じゃ挑戦するわっ!」
「わっ、何コレ。ほんとに大丈夫なの?怖い〜」
空洞が広がるポイントにくると「わ、すごい。こんな広いの!」

さすがアメリカ人、いいリアクションだ(笑)
割と人なつっこいというかしゃべり好きらしく私にも声をかけてきた。
「すごいわね!」
「そうですね」と私。

すると残りの2人の女の子も私に話しかけてきた。
「英語しゃべるの?」
「うん、ちょっとだけ」

なんと女の子2人はアルメニア人で、このおばさんの生徒さん。
おしゃれな子達だったし、普通に英語しゃべってたからアルメニア人と思わなかった。
アメリカ人の彼女はボランティアで英語を教えに来ていて、
今度の9月に帰ってしまうからアルメニアを案内してるところという。

・・・ボランティアで英語。アルメニアまで。なかなか楽しそうな人生だ。
そういえば中国でもアメリカ人の英語教師に会ったことあるけど、
彼女も魅力的なご婦人だったなぁ、と思い出した。

小さな教会も見たし、もう一つの小さな地下牢も見た。
でもバスの時間にはまだまだたっぷりある。
この修道院は小さな岩山の中腹にある。
そうだ、岩山の頂上まで登ってみようかな。
あそこでランチに持参したパンを食べたらおいしいだろう。

どこかの学校のエクスカーションかな? 
中高校生ぐらいの子達が山を登っていく。
気づかなかったけど、この岩山の向こうにももうひとつ山が!

向こうの山へ向かう少年達がこちらに手をふる。点のようだ。
あまりに単純化された岩山と空とアララト。
距離感がいまいちつかめない。
点のように見える彼らを思うと、結構距離があるんだろう。
修道院と逆側には湿地が広がっていた。釣りをしている人たちが見える。

頂上につくと中高生達が写真を撮ったり向こうに手を振ったりしている。
私もあっちの山へ登ってみようかな? 歩き出す。

すぐにみんなの騒ぎ声が遠くなる。いつのまにか静かになった。
風の音と、ちょっとした虫の羽音。あとは太陽の日差し。
めざす山の頂上へ着くと、点に見えていたはずの彼らはいなかった。
この山の向こうは平原と湿地が広がって遠くに集落が見える程度。
どこへ行ったんだろう? あ、下の湿地のほうから声がする。
振り返ると写真を撮っていた子達も湿地へ向かったのか、姿が見えない。
みんなこの広大な風景の隅に散らばってしまった。

パンを食べよう。
空と大地とそこにちょっとだけつきだした岩山。
見渡せる風景の雄大なこと。ほらアララトがすぐそばだ。
私しかいないように思える。この感覚がたまらない。

しばらくここで、この時間と空間を楽しもう。
そういえばアラン諸島やロカ岬でもこんな気分になったっけ。
ふぅ、ラッキーなことにまたもや好きな場所ができてしまった。
2003年08月
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