咲作:こなつ                          

第3話-2    

「盛り上がってるねー。里佳、言ったとおりいい人たちでしょ、 感謝してね。」
水割りを作りながら、ママは得意げな顔で言った。
「さすがママ!今日はすっごい楽しいー!だっていい男ばっかり なんだもん!
私将志君気に入った!」そう言って里佳は将志に ぴったりとくっついた。
将志もまんざらではなさそうに、 にやついている。
場を盛り上げるため、たまたま横にいた将志を気に入ったと 嘘ぶいてみたのか・・・?

そうじゃない、里佳は正直な女だ。思ったことはそのまま口にするし、行動する
人だった。将志を気に入ったと言うのはまんざら嘘ではないだろう。
私の胸の中には静かに対抗心が 芽生え始め、私も将志に寄り添うように
そばに寄ってしまう。

ひとしきりカラオケで盛り上がる中、お酒が入って気が大きくなっているせいか、
私はいつにもまして大胆な行動にでる。
ずっとさっきから気になっていた将志の手を、テーブルの下でそっと撫でてみる。
手の甲から指先まで、親指から順番に小指までゆっくり、ゆっくりと・・・。

私が思っていた以上に、その手はなめらかで、しなやかだ。
その手に抱かれる自分を想像すると、体の芯が火照るのを感じる。