咲作:こなつ                          

第3話-3    

思わず頬ずりしたくなったその時、将志は私の手をぐっと握ってきた。
えっ、と驚いて将志を見ると、真剣な目で私を見ていた。
(やばい、おこらせちゃったかな・・、ちょっと調子に乗りすぎたかも・・・)
そう思い、手を引っ込めようとしたが、将志は私の手を離そうとはしなかった。
そしていきなり、みんなに向かって
「ごめーん、俺、さっきの店に忘れ物してきたみたい。ちょっと取りに行って くる。
ひろみさん、つきあってよ。」
そう言って、私の手を握ったまま、すばやく立ち上がり、強引に引っ張った。有無を言わさぬ
その行動に、私は慌てて自分のバッグをつかみ、引っ張られるままに将志の後をついて行く。

一瞬、里佳のあ然とした顔が目に入った。「私も行く。」と言った声が聞こえたが 、他のみんなから止められているような気配と、ちゃかしたように
「いってらっしゃい!」と送り出す声にかき消され、店のドアを開けて外に出た時には、
里佳のことなどどうでもよくなっていた。