咲作:こなつ                          

第3話-4    

私たちは手をつないだままで、エレベーターに乗り込んでから、
「ねえ、忘れ物って何?」
一階に下りるボタンを押す将志に、とりあえず聞いてみる。
「うーん、・・・たばこ、かな?」
「嘘、さっきテーブルの上にあったもん。」
「じゃあ、ライター。」
「じゃあって、何よー、それも嘘でしょ。」
「えへへ、忘れ物なんて何だか忘れたー!」
とぼけて答える将志に苦笑しつつ、(やっぱりただの口実か・・・)と、
私の胸はドキドキしていた。みんなと離れ、ふたりきりでこれからどこへ 行くのか・・・。

つないだ手と手が私と将志を一体化しているように思える。
彼の手の体温が私の全身に広がり、私の身体全部が将志とひとつになりたがっている。
「・・・いい事しに行こうか?」
「・・・。」言葉にならない返事の変わりに、彼の手をぎゅっと握り返した。
(・・・い・い・事・し・に・行・こ・う・・・)

 その2のつづく-

第3話-その2は来週掲載します。

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