「くしゃみ」
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今日はちょっとタイムスリップ、私の小学生時代へと。
その頃、何を思ったかうちの父親は高校生だった愚兄をオーストラリアへとばし、かわりに可愛い女の子を手に入れることに成功した。ま、交換留学生ってやつ。
入れ代わり立ち代わり3人くらいがうちで生活したが、そのうちの1人、ジェニーンは実にイイ娘だった(らしい)。しかし、とても不幸だった。
それは彼女がうちに来た最初の晩の事。たまたま出張で父がいなかった為、英語の話せない母はかなりパニクっていた。ジェニーンがシャワーを浴びると言った時も、お風呂を入れてあげようとかお湯の出し方を教えてあげようとかそんなところまで気が回らず、浴室の場所だけ案内した。
ちなみに季節は早春、まだまだ肌寒い日々が続いていた。ジェニーンは、浴室で熱いシャワーを期待してただろうにお湯が出ない。当時、うちのお湯の出し方はちと複雑なレバー操作が必要だったが、日本語がまだあまりよくわからない彼女はかなり悩んだに違いない。結局、冷水シャワーであがってきてしまった。
翌日、父が家の中のいろんな細かいところを教えたので、彼女はその時にお湯の出し方を知ったらしい。
この事は長い間、彼女の心の奥深くしまいこまれていたので、家族の誰も知ることはなかった。私達にわかったのは彼女が来日早々風邪をひいたことだけ。
くしゃみって、人それぞれクセがある。
「はっくしょん!」という正統派だったり、
「くちっ」とかわいいヤツ、
「へっくし!くし!くし!」とやまびこ型なんかもある。
ジェニーンは「チョップ!」だった。
この響きは他に聞いた事がなかったので、私を含め子供達は思わず笑ってしまう。
ジェニーンは真っ赤になって、「Excuse me.」とつぶやいた。
そう、あちらでは人前でくしゃみをすると失礼に当たるのだ。しかし彼女のくしゃみはなかなか止まらず、滞在している2週間ひっきりなしに続いた。彼女の謝罪も。
おかげで私の頭の中には「ちょっぷえくすきゅーずみー」というフレーズが焼き付いた。
その後、プロレスなどでチョップを見る度に「えくすきゅーずみー」が出てくる。
それはどーでもいいんだが。
それにしても彼女には悪い事をした。謝らなければならないのは私達の方であったのにいったい何回謝らせてしまったのだろう。今でも心が痛む。
教訓: やっぱり24時間風呂が欲しいよね。
もどりますか?