6月の花:スイートピー
「喜びに溢れた優しい想い出をあなたと共に」
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「よっこらしょっと。あー、しんど」
「・・・年寄りのセリフそのまんまだな、まったく。」
「だって、年寄りだもの。もう、何十年一緒に暮らしてると思ってんのよ。」
「おれは今でも気持ちは16歳だよ。」
「かわんないわねー、そのセリフ」
「・・・。」
「確かつきあいだした頃だって。」
「あれは、大学の2年の時だっけ?」
「そーよ。壮絶な争いの末にあなたを勝ち取ったのよね。」
「争いって・・・そんな事あったか?」
「あったのよ!気持ちの上で。私の誕生日にスイートピーの花束を
あなたがくれた時は本当に嬉しかったわ。」
「おれは、勝ち取られたのか。」
「そうなのよ。うれしいでしょ。」
「・・・。おれの中では違うんだけどね。」
「何が?」
「最初から、生まれた時から、いや生まれる前から決まってたんだよ。
おれの相手は。」
「・・・いやだ、そんなロマンチストだったの?もうっ!テレるじゃないっ。」
「この、今生きてる人生はね、前世での想い出をゆっくりと2人で思い出してる ところなんだよ。きっと。」
「あなた・・・。」
「もう少し、将来の想い出をゆっくりと楽しんでいこうな。」
「・・・ええ。」
「・・・。」
「さて、お茶でもいれるわね。どっこいしょっと。」
「・・・全く・・・。」