祭りとわたし
祭りとは闘いである…。祭りにはいろいろ夜店が出てくる。彼らは祭りという特別な雰囲気を利用して、子供心をくすぐり、普段以上に金を使わせる。子供達も、祭りから帰った時は祭りの余韻に浸り満足しているが、日を追う毎に熱が冷めていく。わたしも最初の頃は、そんな被害者の一人だった…。そういう事が繰り返される度に、くだらない知恵がついていった…。ちなみにこれは、小学校時代の話である…。
子供の頃に住んでいた所は広島中心部に近かった為、大きな祭りが多かった。祭りが近づくと妙に興奮したものだ。しかし、うちは自営業で親の仕事が終わるのが遅く、親と祭りに行く事は少なかった。小さい頃から、よく一人で行っていた。
ただふらふらと会場を歩きまわるだけだった。親と一緒に来ていない以上、使えるお金には限度がある。奴らの口車にのって無駄な出費はできない状態だ。しかし、相手もプロである。気がつくと余計な物を買っている自分がいた。こちらも何か対策を考えなければ…。
いつからだろう…祭りがある時は、最低一日に2度は行くようになっていた。まず一度目は会場をうろつき、夜店を見てまわる。一通り見回った時点で、買いたい物をある程度決めておく。二周目になってようやく買い物をするのだ。その時に、親から貰った小遣いの半分程度を使う。一度目は食い物系はあまり手を出さない方がいい。食い物系夜店はチェックだけにとどめておこう。クジやら金魚すくい等で遊び、そして家に帰る。
そして2度目に祭りに行く時は時間に気をつけて家を出る。祭りが終わる30〜40分前が良い。2度目は食い物系が中心となってくる。作り置きしている食い物系夜店は狙い目である。売れ残っても仕方がないので、交渉次第で安くなるからだ。そこで一度目行った時にチェックした店に行く。
最初に『いくら?』と聞くと大体の場合、普通の値段を言ってくる。そこでひるまず『じゃぁ、いらん。』と言う。すると向こうもわかっているのか『半額でええ。』とか言ってくると、交渉は成立。半額どころか、普段の値段で4つか5つくれる店もあった。こんな感じで片っ端から夜店を渡り歩く…。幼い頃から祭りに行って身についた悲しい嵯峨である。…にしても、いやらしいガキだ。
思う存分買ったらもう用はない。たこ焼やらいろいろ持って家に帰る。土産だと言い、買ってきた物をいくつか親に渡す。これだけで点数アップ。普段買う値段の半額以下で購入するのだし、これだけで機嫌がよくなるのだから安いものだ。これで祭りの小遣いがまた貰える。悪知恵はとどまる事を知らない。
食い物系の攻略はこんなところだろう。あとはどうやって祭りで長く遊ぶかが問題になってくる。そこまでして何かあるのか?とも思うが、子供の頃は大変な問題であったのだが、いつからかその問題は解決されていた。従兄弟と祭りに行った時に最も効果的であった。
それはサクラ作戦と呼ばれた……。

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