1.マイカル茨木の外観 

 マイカルといえば、巨大ショッピングモールの元祖としてあまりにも有名だ。2002年の経営破たん以来、店舗数も減り、一時はどうなるんやろうと思っていたが、イオングループの傘下に入り再建を図ることになり、今まさに再編の真っ最中だ。
 マイカルはいろいろ店舗があるが、そのうち巨艦店として名高いマイカル茨木を取り上げることにした。

 マイカル茨木のある大阪府茨木市は、大阪と京都の間の大阪寄りにある街で、関西の衛星都市の一つとして発達してきた。
 マイカル茨木は、元々JT茨木工場があったところの跡地に作られたショッピングモールだ。周辺は工場が多く、すぐ脇を走るJRの線路を挟んで反対側には、サッポロビールの工場もある。
 

 ショッピングモールに映画館を併設するというスタイルは、今でこそちっとも珍しくないが、実はその先駆け的存在なのが、マイカルなのである。
 1990年代に差し掛かる頃、、映画業界は、テレビの進出やビデオの普及により、年を追うごとに観客動員は減っていた。業界関係者は、何とか観客を呼び戻したいといろいろ考えてはいたのだが、歯止めがかからず、もはや映画館自体の存亡が危ぶまれていたのだ。

 ちょうど同じ時期に、大店法の改正で巨大なスーパーというよりスーパーを中心に様々な店舗も呼び込んだスタイルが確立されようとしていた。巨大ショッピングモールの登場だ。すでに全国的にはいくつか出来ていたが、買い物だけで娯楽度が低いことが指摘されていた。
 ならば、そこに映画館を作れば、ほとんど一日中お客さんは滞在して収益も上げられるんじゃないか…おりしも、欧米ではシネマコンプレックス(複合映画館、略してシネコン)が発達していて、これをショッピングモールに持っていけば、映画の全体的観客動員が増やせるかも…そう考えられたのだ。

 そして、1993年の4月に、神奈川県の海老名市に「マイカル海老名」がオープン。同時に、アメリカの映画会社ワーナーブラザーズ(当時)と、マイカルが手を組み、日本初のシネコン「ワーナーマイカルシネマズ海老名」が併設された。
 一部の業界関係者は、「郊外に映画館なんか作ったって、客なんて来ないよ」と覚めた目で見ていたのだが、ワーナーマイカルシネマズは圧倒的な観客動員を記録し、他の業界からも注目されるようになった。まさに、郊外型シネコン+ショッピングモールというスタイルの確立した瞬間だった。その後、全国的にこのスタイルが浸透していくことになる。前々回取り上げたvisolaも、まさにこのスタイルだ。マイカル茨木も、これらの路線をそのまま受け継ぐ形で作られている。

 マイカルの外観を見てみよう。まず印象的なのが、とにかくでかい!ということ。マイカルの建物だけでも、端から端まで南北約300メートル、東西約100メートルはあるので、その巨大ぶりがわかるのではないかと思う。一周するだけで1キロ近く歩くことになるから、よく考えてみるとこれはすごいことだ。(^_^;)
 visolaの場合は全天候型だったので、全体的に広々としたイメージだったのだが、マイカル茨木の場合は、完全屋内型と全く対照的な上に、その巨大なフロアを覆い隠すような建物の構造が圧巻だ。
 建物は、北側にビブレ、南側にサティが入っている。パッと見ても、ショッピングモールと一目でわかるような形、映画館もあるとすぐにわかるようにした設計が伺える。大体のマイカルの建物と同様なので、外観が特色あるとまでは言い切れないが、商業的にはOKだろう。

 住宅地も見えるが、周辺はやはり工場が多い。そのせいか、これだけ箱がでかくても意外に周囲に溶け込んで違和感は感じない。ここはアミューズメント施設ですよ、というのがすぐにわかるし、目立つ。
 立体駐車場もとにかくでかい。収容台数は約2500台だが、そのほとんどが立体式だ。駐車場は主に建物の南側に固まっているが、そのせいか、少し建物自体ももっちりした印象はある。個人的には、今立体駐車場がある敷地も売り場にして、1Fから2Fに全ての売り場や映画館を集結させ、立体駐車場は全部3F以上に固めてしまったほうがよりフロアを生かせたのではないかと思うのだが…。

 周辺はそれほど緑が多くない。ちょっとした植え込みや芝生があるといった程度。ただ、建物の東側に少し大きめの広場が設けられ、そこにベンチがたくさん連なっている。少し開放感が出されているといったところだ。室内型の商業施設ではあるけれど、間近に公園などの遊び場がほしい気がする。
 それでは、内部のほうを見ていこう。
 

マイカル茨木の遠景。巨大すぎて写真の枠に収まりきれない…(^_^;)
マイカル茨木の裏側。すっきりした外観。
すぐ真向かいにある、コナミスポーツクラブ。
マイカル茨木の駐車場。さすがにビッグだ
ベンチがたくさんある。JRを挟んで向こう側は、サッポロビール大阪工場。