1日目は、宮ヶ瀬の手前、三叉路でバスを降り、2つの小さい山を登る。
いずれも600m〜700mクラスの山で、特に難しいことは無い。
時計は1時45分を指していた。9ヶ月ぶりのトレッキングだ。
朝方に丹沢山頂を出発したと思われる登山者が、何グループか下って来る。
高畑山から青宇治橋への山道では、誰ともすれ違わず、あまり使われない道なのだろうか、何度か迷いそうになったが、ほぼ5時、無事に車道に出た。
丹沢には、道路が多い。1日目に30分、2日目には2時間も車道を歩いた。
丹沢は、車で来る所なのだろうか。
テントを張る場所も無い。キャンプ場はたくさんあるが、山小屋にはテントを張る場所が無いのだ。
丹沢山頂も、塔の岳のも、山小屋はあるのにテン場は無い。
ガイドを見ると、何カ所か水場があってもテントを晴れそうな所があったが、結局オートキャンプ場に張ることにした。
っと思ったら、予約制で今日は一杯だと言う。しかも、3600円も取られるそうだ。
最終的に、そのキャンプ場から10分ほどの川辺に張る。
2組、バーベキューをしていた。彼らのテントは見あたらない。
6時にテントを張り、6時半にメシの支度だ。まだ明るい。
河の水は、オレの中では問題なく飲めるレベルで、煮沸せずに水筒に詰める。
固形燃料を小型のコンロに入れ、水を400cc沸騰させる。
家で試した時は、燃料4つで沸騰出来たのに、風のせいか、5つ使ってしまった。
湧いた湯をフリーズドライ食品の中に入れ、さらに15分ほど待つ。
河の水で冷やしておいたビールを取ってきて、二人で乾杯する。
ささやかな夕食である。
彼女がフルーツを乾燥させたものを持ってきていたので、それでビタミン類を補う。
明らかにカロリーが不足している。缶詰でも持ってくればよかったかもしれない。
日も暮れ、ランタンに灯をともし、テントの中に入る。
いつの間にか、バーベキューをしていたグループの姿は消えている。
急激に冷えきた。
山での熱源は、太陽、ランタンやストーブ、そして人間の体温だ。
その太陽が沈んだ今、二人は持ってきた防寒着を着込み、シェラフの中で丸くなる。
テントの中は、暖かい。
狭い面積の中、二人の人間がいるせいだろうか。
前方と後方のベンチレーションをほぼ全開にしていたので、ほとんど結露もしなかったが、河が近いので、湿度は非常に高い。
シェラフの中がムレてくるので、結局オレはシェラフを下に敷いて、ジャケットを体にかぶせるだけで寝てしまった。
朝、鳥のさえずりで目が覚めた。
9時、起床
6時に起きて、8時には出発するつもりだったが、予定が大幅に来るってしまった。
結局、メシの支度をしてテントを畳んで、出発したのは11時半だ。
今回、幾つかのルートを考えていたが、丹沢山、塔ノ岳は諦め、塩水橋まで進み、そこから上ノ丸、札掛に下るルートを取る。
丹沢山や塔ノ岳は、体力的にも時間的にも、無理だった。テン場も無いし。
札掛に下るまでは、素晴らしい展望が、登山道から望める。
高度も難易度も無いが、そこには静けさがあった。
今回、一人で登らなかったせいか、ほとんど歩いてる時に、何かを思うコトは無かった。
多分今も歩けるだろうが、限界に近いと感じた。槍ヶ岳から帰ったバスを、満足に降りるコトすら困難だったことが思い出される。
今回は、準備不足が身に染みた山行だった。
体力、下りで膝を痛めない為の工夫、装備の徹底、食料、そして計画、色々と課題は残る。
だが、彼女と二人で登った、という達成感は、一人の時とはまた違うものがあり、胸に残るものがある。
次は6月か7月あたりになってしまうだろうか、今は、安全な日常に守られている。
それが心地よい時もあるが、今はまた、扉を開きたくてしょうがないのだ。
