「映らない瞳」

 

ただじっと

見つめあっていた

何も語らずに

その瞳の奥を探るように

真ん中にある黒い闇を

そこにはなにがあるのか

ただ黒い闇を

見つめていた

私の世界は今あなただけ

だからあなたの世界だって

私だけじゃないといけないのに

不思議な色

あなたの瞳には

私がなぜか映っていない

視線はすりぬける

どこを見ているのだろう

笑顔は

誰に贈っているのだろう

 

にじむ景色は

壊れていく世界

色は曖昧に混じって

形を忘れていく

揺れているのは

きっと心のほうで

ほら、暖かいでしょ

その線をそっとなぞってみては

ひんやりと濡れている

そんな心の忘れ物