
概 要
消防ポンプ自動車は、水槽付き消防ポンプ自動車、化学消防ポンプ自動車のように水を積載していない限り、火災現場到着と同時に水利部署し、吸水と火点までのホース延長を行って、火災防御にあたるのが通例である。吸水器具は、水利の水をポンプまで吸水するために必要な器具である。
1. 吸 管
吸管は、水利からポンプへ吸水するための導水管で、可とう性があり、耐圧強度が高く、吸水損失が少なく、取り扱いが容易等の条件を備えていることが必要である。
(1) 種類、構造
吸管の種類は、一般的に口径別、補強線(ワイヤ)の位置による構造別に分類される。その構造は、種類、型式を問わずゴム、補強線、補強布等から構成され、結合金具は、一般にねじ式を使用しているが、消火栓専用の吸管については、差込式(町野式)が用いられている。
(2) 性 能
水利の水をポンプで吸水するには、一般的に呼び水装置として、真空ポンプを使用し、ポンプ及び吸管内を真空として、大気圧を利用し、吸水するものである。
理論上、1気圧のもとで10.33mまで吸水可能であるが、実際には、7m程度が吸水限界である。
吸水量は、ポンプの真空能力、吸管の口径、長さ及び本数により差がある。
@ 吸水の障害となる損失
ア、吸管の摩擦及び水の流動損失
イ、ストレーナー及び塵除けかごを通過する際の流動損失
ウ、吸管の曲がりによる流動損失
エ、吸管結合金具等の摩擦損失
(3)取り扱い
@ 日常の点検は、吸管内部の状態、結合金具のゆるみ、変形、損傷の有無等、火災現場で
支障をきたさぬよう綿密な点検を行うこと。
A 吸管の投入は、迅速に行う必要があるが、乱暴に扱ったり、不必要に曲げて使用しないこ
と。
B 吸管の変形、損傷等を防止するため、枕木、控綱等の吸管保護器具を使用すること。
C ストレーナー部は、完全に水中に入れ、流速のある場合は、流れに逆らって投入し、異物
の付着、混入等には充分注意して適切な措置を講ずること。
D 吸管の損傷を防止するため、中継送水を他の隊から受ける等、有圧の水を使用する場合
は、専用の吸口(中継口)又は直接吸口に結合して行うこと。
E 吸管の給水能力を考えて、放水量の多い場合は、2本並列に使用すること。
2.吸水附属器具
吸水附属器具は、給水を確実に行うための補助器具とポンプ、吸管等の損傷を防止するための保護器具である。
(1)ストレーナー及び塵除け籠
自然水利を使用する場合、水中の砂利、じんあい類等、異物の混入があり、吸口の閉塞やポンプ等の 損傷の原因となる。これを防止するため、吸管の先端に取り付け、異物の混入を防ぐための器具である。 ストレーナーの小孔の総面積は、流動損失を少なくするため、吸管口径の3〜4倍としてあり、ストレーナ ー及び塵除け籠の損失は、3m吸管1本程度の損失である。
(2)控え綱
控え綱は、一端をストレーナー部の根元に取り付け、吸管の投入、引き上げに使用するとともに、他の一 端をポンプ車等に固定して、流速からの吸管保護、吸管荷重による吸口等の損傷を防止するための器具 である。
(3)枕 木
枕木は、吸管を使用する場合に、吸管が貯水槽の角、端の欄干等、極端な曲がり角と集中
荷重を受けるような個所に取付け、吸管の損傷を防止するための器具である。
(4)吸管スパナ
吸管スパナは、吸口と吸管の完全な結合と離脱を行うための補助器具である。
(5)消火栓用器具
ア、消火栓かぎ
地下式消火栓、有蓋貯水槽等のふたの開閉を行うための器具である。
イ、スピンドル・スパナ
地下式消火栓等の放口の開閉を行うための器具である。
(6)吸水用媒介金具
吸水用の媒介金具は、吸管と消火栓等との結合金具の口径が異なる場合に結合を可能に
する中間の媒介金具である。
(7)高落差用ポンプ
高落差用のポンプは、ポンプ車の持つ吸水能力以上の落差から吸水するための補助ポンプ
である。現在、ジェット、空気駆動のポンプ等が製作されている。
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