キャビテーション


1.キャビテーションとは
 ポンプを運転中、エンジン及びポンプには、理論的に余力があり、吸水系統にも故障が無いのに、ある吸水高さで、一定の放水量になるとエンジン回転をあげても放水量はふえず、圧力が低下し、ポンプ内部に騒音が発生したり、振動を伴うことがある。
 これは、吸水側の真空度がある程度以上になると、ポンプが送り出そうとするだけの水が入ってこなかったり、ポンプの裏側などに水が満たされなくなり、空洞が生じ、インペラの性能が低下するためである。このように流動する液体中に気体が現れ空洞を作る現象をキャビテーション(空洞現象)と言う。

2.キャビテーションの発生
 水は大気中のもとでは、100℃で沸騰する、しかし、気圧が低くなればもっと低い温度でも沸騰し蒸発する。
 キャビテーションは、液体の一部の圧力、すなわち、その液体のある温度に対する飽和蒸気圧まで低下したときに発生する。もう少し厳密に言うと、蒸気の発生に先立って液中に溶解していた気体の一部が、気圧の低下に伴って分離しはじめる。このときの圧力がキャビテーションの発生圧力になる。
 液体は、吸水系統においてストレーナーの抵抗、吸水落差、吸管の摩擦損失等により圧力降下(真空度の増加)があり、ポンプ内部では高速で回転する羽根によって圧力水頭の一部が速度水頭になるため、インペラ入り口には低圧の部分が出来る。この低圧部分がキャビテーションの発生場所となる。
 キャビテーションの初期においては、気泡が発生する程度であるが、これが成長すると気泡の集団となりさらには、流れが壁体から分離し完全な空洞を形成するようになる。この低圧部で発生した空洞は、高圧部へ移動してつぶされるさいに激しい衝撃作用をおこし、再び液中に溶け込む。このとき生ずる衝撃圧は数100気圧〜1,000気圧にもなると推定されている。
 この高圧を生ずるとき、気泡は相互にあるいは、固体壁と激しく衝突し、騒音と振動を発生するとともに、インペラを腐食したり、破損することがあるので、この状態で運転を続けることは避けなければならない。
 このようなキャビテーションは、吸水条件を良くすることにより、その発生を遅らせることがせきるので、出来るだけ吸管を併列に投入するように心掛けることが望ましい。



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