大出血時の止血法


 出血の危険度は、出血した量と速さによる。人間の血液量は、成人で体重の13分の1ないし14分の1で、幼児・小児では8分の1ないし9分の1であると言われている。体重60kgの成人で約5リットルの血液があると考えられている。
 一般に、体内の血液量の20%が急速に失われると出血性ショックという重い状態になり、30%を失えば生命に危険を及ぼし、50%〜60%が失われると生命の危険に瀕すると言われている。
 したがって、外傷によって生じる開放創からの出血に対しては、止血を迅速に行う必要があり、出血量が多いほど、また出血が激しいほど止血処置を急ぐ必要がある。特に大きな外傷や刺傷で深部の大動脈が損傷したときは、圧が高く鮮紅色の(動脈血)血液が噴出し、放置すると短時間で大量の血液が失われショックに陥る。太い静脈からの出血(暗赤色)も大量であり、動脈出血と同様に放置すると短い時間でショックに陥る。
 大出血の止血法として、出血部位を直接に圧迫する直接圧迫止血法が基本であり、最も勧められている。
 また、直接圧迫止血法でも止血効果が見られない大量の動脈性出血の場合には、四肢に限って最終的な手段として出血部位より中枢側を止血帯で緊縛する止血帯法がある。
 その他、直接圧迫止血法だけでは止血が困難な動脈性出血や直接圧迫のできない状態の創のときは、損傷部より中枢側の動脈を下床となる骨に向かって圧迫する間接圧迫止血法がある。

1. 直接圧迫止血法
出血をしている部位に直接布切れやハンカチ、ガーゼなどを当て、その上から手若しくは三角巾等で圧迫して止血する方法である。

大きな血管からの出血の場合で、片手で圧迫しても止血しない場合には、両手で体重を乗せながら圧迫する。


2. 止血帯法
四肢の太い血管損傷による出血で、直接圧迫止血法では止血が困難な場合に行う。
これは出血している部位より中枢側に三角巾や包帯、スカーフなどを巻き、これを強く縛ることによって止血を図る。
針金や細いひもなどは圧迫が不十分であり、また組織の損傷を生じるので、止血帯はできるだけ幅の広いもの(3cm以上)を用いる。

止血が不十分な場合は、止血帯の間に棒などを入れ、これを回転させることによって止血を図る。
この場合、止血時間を明確に記録し、30分以上止血帯による止血を続けなければならない場合には、30分に一度、緊張を緩めて血流の再開を図る。
再開時分は1〜2分とし、血流再開の程度は止血帯より末梢側が赤みを帯びて出血部位より血液がにじみ出る程度とする。
この間、出血部位を直接圧迫して出血量の増加を防ぐ。


*止血の手当てを行うときは、感染防止のため血液に触れないように注意する。


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