見える人


彼女はいつもわけのわからないことを言う
窓から見える家の屋根が車に見える
光った床が田んぼに見える

だがその日の彼女は違っていた
夜中ベッド上で動いて危険なため
車椅子に起こされていた
すると防火扉を指さし

「着物を着た女の人がいる」

などと のたまいはじめた
もちろん寮母2名と彼女以外
誰も居る筈もない
それでも彼女は辞めなかった

「ほら、こっち来なさい」

呼び寄せるなよ〜!
その後も彼女はその見えない誰かに
話し続けかまっていた
その誰かが立っている場所・・・
その辺にだけ寒い空気が漂っていたのは
気のせいではない
・・・はずである
朝が待ち遠しい夜勤だった

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夏にピッタリの恐い話し・・・ 恐がりな方は見ないほうがいいかもしれない・・・