ちょっと感動する話し


歌の好きなばーちゃんは
ほとんどと言っていいほど会話が続かない
実はそれだけひどく痴呆なのだ

ある寮母が悩みを持ったままくらい顔をして
仕事をしていたときだった
そのばーちゃん いつもは歌を歌いながら
廊下を歩き 行き止まりでまた帰ってくる
だがその日は寮母の顔をのぞき込み
「どうしたの?」と声をかけてきたのだそうだ
悩んでいることを悟ったのだろう
寮母は「なんでもないよ」とは言ったものの
内心驚いていたようだ

それでも彼女は続ける「あんたの胸のあたりに
なにかあるでしょう 今私が袋を作ってあげるから
その中に入れなさい」そう言って袋を作る真似をした
実際にはそこには何もないのだが
彼女には見えているらしい
そしてその見えない袋に寮母の悩みを入れたのだ

不思議と 寮母の胸のつかえがスッっと取れた気がした
そして彼女はその見えない袋を遠くへ投げた

「これでなんでもないしょ?」と彼女は言う
寮母は歩き去る彼女を見ながら驚くばかりだったようだ

もしかしたら見栄を張って生きている俺達より
自然に生きている彼女達の方がよっぽど
人間らしいいんじゃないかって思う
だからこそ人間の内に秘めているものまで
見透かされたのかな・・・

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