「なんだ、ありゃ…」
カムロは言葉を失った。
無理もない、そこには見たこともない生物と、それにやられたと思われる善良な生物の死体が大量に横たわっていたのだ。
「ひどい…」
リリィは思わず目をそむけた。すると謎の生物はカムロとリリィの存在に気付き、いきなり飛び掛かってきた。カムロが両の腰にさした短剣を抜き放ち、辛うじてこれをしのぎ一撃を加える。しかし硬い殻か何かに覆われているのか、傷一つつかない。
「か、かてぇ。なんだよこいつ!」
カムロは喚く。リリィはすでに200メートルほど離れている。そこに残りの二人が追いついてきた。
「やはり魔獣か。」
マイゴが言う。
「魔獣!?なんだよそりゃあ!?」
「遥か昔に絶滅したと云われる強力なモンスターじゃ。普通の武器では傷一つつかぬ。」
「はぁ!?そんなのどうすりゃいいんだよ!?」
カムロとマイゴは口論を始める。シュウが一歩前に踏み出した。
「ここは俺にまかせてもらおうか。」
シュウは魔法の詠唱を開始した。集中し、呪文を紡ぎ、そして
「マッシュ!!」
相手を魔力で内部から破壊する技だ。先の攻防から自然界の力を利用した技(火炎など)は効果が薄いとふんだのだろう。
だが、
(ッ、馬鹿な!?)
発動すらしなかった。
(確かに放ったはず…)
ともかく頭を切り替えるシュウ。魔獣が迫っている!
「もうミズリカには近いな!?」
確認する。
「そのはずよっ!」
条件反射で答えるリリィ。
「よし!みんな集まってくれ!」
そして……
「テレファス!!」
……シュウたちは跳び、魔獣だけが取り残された。
ズドォォォォン!!!
「ふう、またか。どうもうまくいかん。」
それに、ここは町から1キロは離れていた。振り返ると、
「ケホッ、コホッ。なに?どうなってんの?」
「いいから早くどいてくれ!リリィ!」
「ふう。年寄りには堪えるの〜」
という面々。