落ち着いて……
「ねえ、やっぱりこれって魔法ってコトなのかな?」
「ああ…」
「なんか最初、何かしようとして出来なかった感じだったけど、アレは?」
「その通りだ。」
ちなみに、マイゴは一人黙考し、カムロは今頃になって驚いていた。
「ま、まあ起こった事は事実なんじゃし…」
「そ、そうだよなぁ〜。しかし本当にあるとはねぇ。魔法。」
マイゴとカムロはひとまずなにかをふっきった。
「青年、疑っておったがおぬし本当に魔法が使えるようじゃの。」
「半月もどうやって水も食料もなしに生きてこれたと思ってたんですか?」
と、シュウは言って、
(そう、さばいばる必勝法の魔法で生き延びてきたんだ。あれらの術に比べ、MCが半分にも満たないマッシュがなぜ?)
「まあいい、とにかく町だぜ?シュウ、おまえの服は変だからな。まずは服でも買ってこいよ。それまで俺のを貸しとくからよ。」
とりあえず着替えたシュウは他の三人とともにミズリカに向かって歩いていた。
(なぜマッシュが発動しなかったんだ?)
シュウはこればかり考えていた。
「なあ、アレって魔法だろ?実在したんだ?魔法って。」
カムロが尋ねる。
「あ、ああ、この世界ではどうか知らんが、俺の世界では結構ポピュラーだった。」
「じゃあ、俺にも使えるかな?」
「いや、おまえには無理だろう。リリィには素質がありそうだが、まぁ、調べてみない事には分からんな。」
そこにリリィが割り込んでくる。
「それホント?じゃあ魔法教えてよ。すごく楽しそう。」
……てなわけでリリィはシュウに魔法を教えてもらうことになった。
一行はミズリカに着くと速攻でマイゴの家に向かった。
マイゴの家では、マイゴは調べ事、シュウとリリィは魔法の特訓、カムロは間食→昼寝→間食→昼寝→間食→昼寝の繰り返しで各々時を過ごしていった。
「…というわけだ。これで魔法の基礎原理は分かってもらえたと思う。」
「うん。もうバッチリ。つまり、えっと……習うより慣れろってコトで☆」
「………」
「アハハ、なにそんな顔してんのよ、恐いじゃない。」
「…いや、まぁ、そのような事を言った奴もいたが…、ならばこの無駄にした2時間分、きっちり練習してもらうぞ。」
と、なぜか教えるのが板についてるシュウ。
「は、はぃ…。ところで今言った『やつ』ってルークさんのコト?」
「そう。だが、あいつはその分鍛錬は欠かさなかった。結局は剣のほうがうまかったがな。」
そこへカムロがやってきた。
「おう、そのルークのことなんだがなぁ、魔獣や霧は結局のところ爺さんに任せるしかないだろ?そこで(あまりに暇なんで)人探しの広告を作ったんだよ。この町ならなんか情報があるかもよ?」
「いや、いらん。」
「は?」
「いらん。」
「えっ、なんで?」
「いらんと言ったらいらん!」
「そんなこと言わずに。」
「い・ら・ん!」
「頼むからやらせてくれよぉ〜」
「いいや!いらん!」
「そこをなんとか。」
「いらん!」
「頼むから。」
「くどい!!」
「そんなぁ〜」
カムロは庭の隅で沈んでしまった。
「へっ、どうせ俺なんか…。………………………………………。」
カムロは半永久的に続く愚痴をこぼし始めた。そこに、
「そんなにやりたいか?」
シュウのその一言に対し、カムロは目をきらきらと輝かせ、まともに見たら失明するほどの光を放ちながらシュウの手を取った。
「はい、やらせてくれるのですか?」
言葉遣いどころか、キャラまで変わっている。はっきりいって気持ち悪い。リリィが横からスゴイ顔で見ている。
「ああ、鬱陶しくてしょうがないからやらせてやろう。まぁ、適当にガンバレ。」
「はい!わたくしめにお任せを。では、行って参ります!」
と、カムロは走り去ってしまう。
「う〜ん。やっぱりあーいう奴をからかうのは面白い。」
とシュウ。リリィはジト目でシュウのほうを見ている。