少し落ち着いて、
「さて、ではリリィ、具体的に術を教えていこうか。」
「うん、ばぁ〜んと派手なヤツお願い。」
「いや、まずは回復魔法だろう。攻撃魔法だけを覚えても危険なだけだ。」
とはいえ、人に術を教えるのは並大抵ではない。
(俺は術を自分なりに解釈して使ってるだけだからな。人に教えるとなるとやはり教本かなにか…)
ふと目をやると特殊重要図書館から借りた本の一つ、さばいばる必勝法。
「よし、これを使おうか。」
「あれ?それってマイゴのお爺さんに預けてたんじゃないの?」
「『今は黒霧の書が先決』、だそうだ。妥当な判断だと思うがな。…ふむ、これがいいだろう。名は、ゥレクペラスィオン(ゥレは巻き舌)?そんなもん言ってられるか。名は…そうだな、キュアでいい。回復魔法だ。」
「ええ〜!?なんか、かなり適当言ってない?名前変えちゃっていいの?」
「本当になにも聞いてなかったようだな。術というのは術者のイメージと呼ぶ言葉が一致していればいいんだ。一致さえしていれば使うその場で変えてもいい。」
「なぁんだ。だったら最初からそう…」
「言ったぞ。」
シュウのつっこみは速かった。
「う…。ま、まぁ、とにかく練習、練習!」
「ふう、ここらで一休みかのう。」
久しぶりに書斎から出てきたマイゴ。ふと見ると、カムロに貸し与えていたスペースに紙が落ちている。
「なんじゃ、これは?」
『
お知らせ
ルークが行方不明です
それはともかく
僕は今日魔獣を見ました。
でも僕には分かるんです。
あれは僕が昔飼っていた
ハムスターの
『たまみ』
です。
ああ、かわいそうなたまみ
魔獣を見かけた人がいたら
知らせてください
迷子の家より
』
「まったく、わけがわからん。」
翌日の夜……
「ふぁふぃふぇふふぁぁぁぁぁ!!!」
と、入歯を撒き散らしながらマイゴが食堂に入ってきた。
「なにが大変だって、じーさん?」
カムロが尋ねる。
「ふぁふぇふぁふぉふふぇふぉふぃふぃふぉふぃふぇふぁふぁふふぉふふぉふふふふぇふぃふふぉ!」
「分かんねーよ、じーさん。」
「俺が理解した。早く準備しろ、出発するぞ!」
そう言うとシュウは支度を済ませ、さっさと外に出る。リリィとカムロは訳分からないまま仕度をし、外に出る。