マイゴがカムロ、リリィに説明を施そうとしたその時、やはりというか邪魔が入った。
シュウが街の人の声を聞きつけたのだ。
「おい!城壁の外にバケモノが大量に出たらしい。行くぞ!」
シュウが駆け出す。そこへリリィが(一緒に駆けながら)声をかける。
「ねぇ、バケモノって魔獣でしょ?でもなんでわたし達が走ってんのよ!クルツなんだから兵士くらいいるんだよ!?」
だがそれは、実際戦ったカムロやシュウや長年黒霧の書に携ったマイゴには賛同しかねる意見だった。しかしカムロも言う。
「だからといって、だからといって俺達で何とかできる相手じゃないだろぉ!ましてや沢山いるみてぇじゃねぇか!」
「あの一戦以来何もしていなかったわけではない!」
シュウは応えた。
そう、シュウはリリィに魔法を教えていただけではない。自らもまた、使える魔法を探し出し(これも図書館の蔵書『未来を拓け!夢の攻撃魔法』に載っていた)、これを習得していた。


しかし現場についた彼らは驚愕することになる(このところ驚いてばっかりだ)。
大量の魔獣がすべて倒されていたのだ。
「な、なによ…これ。」
その死体からは、これらが全て切り殺されたものであることが伺える。
「マイゴ。」
シュウは呟く。
「先ほど見せてもらった、あの『照らせるモノ』についてのコトバの羅列。俺には城以外のあるコトバを思い起こさせる。」
「…まさか。」
「『ルーク』」


その頃、ある場所に疾風とともに現れた影が一つ。
「まったく、こんな村の近くにもバケモノがいやがるのか、どうなってんだ、ここは?」
漆黒の魔導剣士は一人ごちた。