こちらはラキス、良い子はもう寝た時間。
ここに寝息を立てる少女(というか幼女)が一人、幸せそうな寝顔をしている。
すぴー。
  
  夢を
  夢を見ていました

  夢の中のあの人は
  ただ守るもののため
  戦っています
  ただ守るものを背に
  戦っています

  自分は
  そんな人間ではない
  でも、ただ、今は…
  戦士としての宿命に
  ただがむしゃらに
  立ち向かって行く

  そんなあの人が
  私にはとても…
  とても
  輝かしいのです

ドォォォォン!!

小さめの爆音がラキスに響く。
「……ん…」
その音にルルは目を覚ました。
なんとなく、パジャマの上にカーディガンをちょこんと掛けると、トテトテと居間に向かう。
でもそこには誰もいなかった。
「…ルーク?」
ルルは同居人の名を呼んでみた。


「っ…このやろっ!」
ルークはその魔導の力で強化した剣を振るっていた。
今夜も魔獣はやってきた。
ルークは以前村のそばで魔獣と戦闘を行い、また魔獣が村を襲う事を危惧しラキスに留まっていた。
自分が魔獣を呼び寄せているのだろうが、自分のいないこの村を魔獣が襲う事を考えてしまって、どうにも離れられなくなってしまったのだ。
(この選択は正しいのか?いや、正しくないだろうな。もう少し早くシュウと出会えていればあるいは何か考えが…とにかくこいつらを片付けなきゃな)
魔獣は毎度几帳面に夜に来た。
村のみんなに気づかれていないのが救いだった。
ルークは目の前の一匹を一刀両断にする。
その時、死角から別の一匹が飛びかかる。剣は間に合わない
「ちっ!」
彼は剣から左手を離し魔獣にかざす。そして、
「アレイアード!」
手から魔導の奔流が現れ、魔獣を包み込む。
魔獣は跡形も無かった。しかし、 「くっ…」
ルークは呻いた。彼は魔法と魔導の違いを実感していた。
強力な魔導の技は生命力をも消費する…そのスキにまた別の一体が現れ火球を放つ。
「なっ」
予期せぬ攻撃にルークは咄嗟に身を躱す。
「しまっ…」
後ろには村があった。