アルバム評なんてとても書くことはできないので、最近の自分のヘヴィーローテーションを紹介します。けっしてみなさまにお薦めするわけではありません。「最近私はこんなのをよく聴いています。」と言いたいだけです。(って、それに何の意味があるのでしょうか?)
(ソノ14



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   周 傳雄     


   男性シンガーの声で私が好きなのは、粘りがあってきらきら輝いているような感じ。具体名を言うとエルビスとか、キム・ゴンモみたいな声が好きのです。低音がぬめぬめしてイヤラしそうであればさらにイイ。

 また全然違いますが、しゃがれた声も好きです。

 それから、エルビス・コステロのような少しひっかかったような声も好き。


 声の質から言うとこの周傳雄は私の好みとは全然違います。乾いていて、細く高い声でちょっと聞くと張信哲のような感じ。つまり「女性?」と思うくらいのたよりない高音。


 だからはじめはこんなに好きになるとは思いませんでした。

 しかしこのアルバム二回ほど聴くとなぜかじんと沁みてきました。久しぶりです。男性シンガーのアルバムでこんなに好きになったのは。ひょっとしたら、迪克牛仔以来かもしれません。もうずっとエンドレスで聴いていても飽きません。

 気がついたのですが、私はやはりこういう感情をめいっぱい込める歌い方が好きなようです。最近の中華ポップスもサラッとした耳障りのイイ、都会的なというか無機質な歌い方が断然多いと思いますが、こういう感情豊かな歌の方が私はやはり好きだったのです。

 私の一番好きなサリーだって軽いバラードでも「これでもか!」というくらい気張って歌っていますもんね。

 この周傳雄のアルバム『transfer』の中でも特にイイのは、那英の歌っていた『出賣』です。サビの繰り返し部分の気張り方はゾクゾクします。

 このアルバム一部はむかし別の歌手のために作った曲で、その他は新作ということです。はじめ全て別の歌手に書いた曲を回収したモノかと思っていましたが、よく読むと違いました。




 アルバムの後記をまるまる引用します。

 1997年に「我的心太亂」を発売したのちレコード会社が合併し、またレコード業界全体が次第に低迷期に入っていきました。多くの社員がリストラされました。これら一連の環境の変化と打撃に私自身も変わらざるを得なくなりました。小剛の時代に既に十枚のCDを出していましたが、事実上自分に対しては方法がありませんでした。実は既にアイデアが尽きていて、今後自分のためにどんな音楽を作ることが出来るのかわからなかったのです。そこで私はゼロから始めることにしました。

 私は新しい別の歌手になり、他の人の為に曲を書くことから再出発しました。

 自分の過去を忘れる踏ん切りを付けるために、「周傳雄」という名前を使い、つまり自分の本名で作品を発表しました。

 新しいスタート時はもちろん辛い道のりで、同じレコード会社から50曲以上ボツにされ全く採用されず何度も断られました。しかし、「こういうことはプロのコンポーザーとしては日常茶飯事なんだ。」と自分に言い聞かせて、張克帆の「寂寞轟炸」から陳慧琳の「記事本」、那英の「出賣」までずっと、この信念と情熱が逆に自分を更にやる気にさせました。

 このようにやってきたことによって自分の人生が豊かになっただけでなく、改めて自分自身を発見することができました。

 このアルバムには一部過去にヒトに書いた曲を収録しています。過去に私の曲を歌ってくださった全て歌手に感謝します。私の作品の魅力を存分に引き出してくださいました。

 そのほかは新しい作品です。ここ数年の製作の後、自分のスタイルが変化していることを発見しました。聴いてくださる方が気に入ってくださればと思います。あと、唯一の台湾語の曲「虎尾渓水慢慢流」は当時私がプロデュースした”張四十三”の作品です。アルバムの中に収録したことはありませんが、以前の歌友会ではいつも歌っていました。私はこの曲を、昔から支持してくださった私の友人達に贈り、またこの曲を以て「小剛」と決別したいと思います。

       周傳雄


01 忘記
02 出賣(那英)
03 寂寞轟炸(張克帆)
04 遊戯愛情
05 心結
06 記事本 (陳慧琳)
07 [口卑]酒泡泡
08 黄昏
09 心血來潮
10 末班車
11 時間(何潤東『那年我們十七歳』)
12 虎尾渓水慢慢流(台湾語)






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