◇03-08-08 喧嘩

 「遊んでばかりいないで勉強しなさい!」
 小言を言うお母さんに、「うるさい! もう聞きたくない!」って捨てぜりふを残してドアをバタン! そんな経験、誰にでもありますよね。
 それを手話で表現するとき、聞こえる私たちは、つい、耳をふさぐ身振りをしてしまいます。でも、聞こえない人たちは・・・?

 講習会で聞こえない講師が見せてくれたのは、目の前にある「手話」をポイッ!
 煙を払いのけるように自分の前の空気を振り払ったのです。
 そう。聞こえない人にとって、「小言」は音ではなくて手話なのです。「聞きたくない」のではなくて、「見たくない」んです。

 講師は言います。
 聞こえる人は、うるさい、と耳をふさいでも大声で叫べばどうしても聞こえてしまうし、部屋に閉じこもっても、逃げても遠くからでも聞こえてしまう。
 でも、聞こえない人は、「見なければいいんだよ!」

 「喧嘩をするとき、どうやったら終わりにできると思う?」
 目をつぶっちゃうことかな?
 後ろ向いちゃうことかな?
 もっといい方法があるんだってば!
 それは・・・
 「電気を消しちゃうこと!!」

 これには受講生一同大爆笑。
 電気消したり、つけたり、消したり、つけたり・・・
 でも最後は結局電気消して真っ暗闇にしちゃった方の勝ち!

 これぞ聞こえない人たちの「文化」なんだなぁと、はっとさせられたお話でした。