初めての入院
病院では看護婦さんにいろいろ説明を受け、病院内を案内してもらったり、持ってきた荷物をかたずけて、病院のパジャマに着替えると精一杯お洒落して着てきた服は家族が持って帰ってしまいました。
これでもう逃げ出すこともできない。
さっそく呼び出されて自己血を採りました。
採血もなんとか終わり部屋に独り本を読んでいると、主治医の小林先生が様子を見にきてくれました。私が心細そうにしてると感じたのか、
「おんなじ手術した人がいるから話を聞くといいよ。いろいろ教えてくれるんだからきてごらんなさい。」
と言って、同じ股関節の手術をして入院中のWさんのところへつれていってくれました。
Wさんは看護婦さんをしていたということもあっていろいろ詳しく話してくれました。
切ったあとも見せてくれた。
その時病院内には同じ股関節の手術をした人が3人入院中でした。Wさんの他にたかこさん、まさこさん。
(Wさんとたかこさんは車椅子にのっていいましたが、まさこさんはまだベッドから動けない状態でした)
思っていたよりずっと大変な手術であるということがわかりました。
最初は動けないといってもまさか寝返りも打てずにベッドで3週間なんて想像もつかなかったし、回復してきたら外泊してたまには家にも帰れるかと思ったらとんでもないこと。手術前の日はお風呂に入ったりして準備します。
新潟から母がやってきたり、主人の父や母や弟夫婦や友達がお見舞いにきたりと、いよいよだなーと思うと逃げ出したくもなるけれど、、、
着てきた服は持って帰ってしまったからお揃いのパジャマ着て逃げたんじゃあ、すぐに捕まっちゃうね、とやっぱり明日手術の今井さんと冗談なんか言って気を紛らします。
手術の日
食事は昨日の夜9時まで、飲み物は朝の6時まで、それ以後は何も飲んではいけません。
朝から何回も週手術の準備について看護婦さんから説明がありました。手術室の看護婦さんも来て、不安をやわらげるようにいろいろ話をしてくれます。
パジャマから浴衣に着替えて、T字帯というまるでふんどしのようなものをつけて点滴をして準備完了です。
心配そうな家族に見守られてベッドごと手術室へ運ばれていきます。
執刀する先生はまだ回診中で廊下ですれ違いました。
手術室に入ると浴衣を脱いで、手術台にあがります。以外と狭いなあなんて思いながら体にバスタオルをかけてもらい、心電計やいろいろ付けられて、麻酔医の先生から名前など確認されて、(これを怠ると患者の取り違えなんてことが起こるのでしょうか?)
マスクを付けられて
「眠くなりますよ」
と言われ、いよいよだな〜と思ったとたんすっと眠ってしまった。
夢もなんにも見ない。
「終わったよ」
という言葉に起こされる。
「生きていたんだ」というのが一番最初の感想。
「今何時ですか」と時間を聞いてみる。3時半予定通りです。約5時間ほど
またうとうと眠りそうになると、起こされる。
今度は寒くて寒くて痛くて、ベッドに移されてがらがらと運ばれていく。電気毛布であたためてあるがとても寒い。
エレベーターの前で「術後の患者さんが乗ります」という看護婦さんの緊張した声に、エレベーター待ちしていた人たちがみんな私を見る。
レントゲン室でレントゲンを撮ってまたエレベーターに。寒くて寒くて
やっと病室に入ると外で家族が看護婦さんに
「術後の処置をしますのでもう少し待っていてください」
といわれているのが聞こえる。
執刀した主治医の小林先生がやってきて、点滴を入れなおしたりする。
電気毛布だけでは寒いので、湯たんぽを持って来て胸の当たりに入れてもらう。
足には重りがついて引っ張られている。
麻酔はすっかり覚めているようなので、もう痛いでしょうといわれ痛み止めの注射をしてもらう。
家族がやっと部屋に入れてもらえる。みんな心配そうにしているが私が思ったより元気そうで少し安心したようだ。
酸素マスクが邪魔で、話もしにくいしのどがイガイガして変な感じ。腕には血圧計が付けられ定期的に締め付けられる。
フルマリンの点滴と、輸血400cc
水が飲みたいような気がするがまだ飲んではいけないということ。
看護婦さんに今夜は付き添いしてもいいですが誰かに付き添ってもらいますか?と聞かれるが、付き添ってもらっても特別してもらうことも無さそうなので家族には帰ってもらう。
また痛みがでてきたので今度は坐薬を使う。ボルタレンの坐薬。
夜も看護婦さんが1時間おきに回って来てくれる。氷水を持って来て飲ませてくれたり、水まくらを取り替えてくれたり。
エアーマットの空気がよく入らなくてベッドが堅いので、背中が痛くてしかたない。看護婦さんが背中に手を入れてくれる。
そして痛み止めの注射。
持って来たMDをヘッドフォンで聞きながら結局この夜はほとんど眠れない。