何が痛かったって!
やはり20cm以上も切って骨も切って動かしたのですから、痛いに決まっていますが、
注射や座薬で痛みを押さえてあるので、ジッとしていればさほど我慢できないわけではないのです。
しかし少しでも動かすとそれはもう痛い!
咳き、くしゃみ、咳払いさえ痛くて出来ません。
笑うと痛いのなんのって!それなのに手術の次の日から私の病室には可愛い男の子が遊びにきて笑わせてくれるのです。
娘が病室についていたのでその男の子(1年生くらいだったかな)が娘達と遊びたくてやってくるのです。その子は交通事故で足の骨を折って入院中なのですが、退屈でしかたない。
1日中テレビを見たりして過ごしているから、小さいクセに物知りで、娘達との会話には笑いをこらえるのがやっと。
お願いして娘達には部屋を出てもらいました。
笑い上戸の私は、その後もその男の子が部屋の前を通っただけでおかしくなって、笑って傷がとっても痛かった。娘達も私にとっては頭痛の種。
部屋でいろいろおしゃべりをしてくれるんですが、普段からとぼけたところのある娘達が、私を元気づけようと思ってか、いろいろ楽しい事を話してくれる。
「あのね〜T字帯っていうの洗濯したんだけど、干したら風になびいてすごいね〜」
「乾いたらさ〜、しわしわになっちゃって」
「それをね、まいちゃんが一生懸命アイロンかけてくれたんだよ〜ほら見て!」ぱりっとアイロンを当ててもらったT字帯を見るたびに私は傷が開くんじゃないかと思うほど笑ってしまうのです。
1日1回横が向ける
手術した足は重りを付けて牽引されているので、ずっと仰向けのままです。ベッドも15度30度というふうに少しづつ起こしてもらえるようになるのですが、最初はそれも出来ません。
背中の痛みはとても辛く、看護婦さんに痛みを訴えるのですが、こればかりはどうにもしてもらえません。
「そのうち慣れますよ。」
と言われて、こんなのが慣れるもんか、と思ったけど、、、
人間って不思議ですね1週間もすると慣れました。
1日1回だけ先生が回診にまわってきた時に傷口の消毒をして、横を向き背中を熱いタオルでふいてもらいます。
横を向くのがこれまた大変。先生が足をそっと持って横を向かせるのですが、こちらは痛いのと恐怖心でべそをかいてしまいます。
でも横を向けるのはこの時だけ、先生は背中をとんとんとたたいてくれます。
これが気持ちいい!
床擦れしないようにエアーマットが入っているのですが、横を向いて背中をたたいたり熱いタオルで擦ったりしてもらうとやっと背中に血液が回ったという感じです。ベッド上でシャンプーも
ある日看護婦さんが「今日はシャンプーの日です」
と言いました。
髪の毛を洗うといったって、ベッドの上から動けないし座る事さえ出来ないから、熱いタオルで髪を拭いたりドライシャンプーっていうものがあるらしいのでそれを使ったりするのだと思ってました。
ところが看護婦さんはバケツにお湯をいっぱい持って来て、ゴムで出来た水枕をプールにしたようなものを頭の下に入れて、お湯をじゃぶじゃぶかけて洗ってくれるのです。もちろん寝たまま。
部屋の中にはシャンプーのいい香りがただよい、看護婦さんが聞きます。
「痒い所はありませんか?」
おい!まるで美容院で髪を洗ってもらってるみたいじゃないか。
その気持ちいい事といったらなんと言っていいのか分からないくらい。
足も(手術してない方の)洗ってくれました。暖かいお湯の中にチャポンと入れて、、、
でも看護婦さんは忙しく、シャンプーの日なのにな、、、と待っていても忘れられちゃう事もありましたがトイレに行ける喜び
4週間ベッドの上という事はもちろん、トイレにも行けません。
初めの4日ほどは、管が入っていてお小水はそこから出るのですが、あんまりいい気持ちの物ではありません。
管を抜いて初めてトイレに生きたくなって看護婦さんを呼ぶと、ガラスで出来た女性用のシビンなるものを持ってきて当ててくれるのですが、小さい頃からの躾の成果でどんなに頑張っても寝たままでなんか出ない。廊下を歩く人の声、カーテン1枚で仕切られたベッドの上で、一体どうやったら出るのでしょうか?
しばらく格闘した挙げ句
「だめでした」
とナースコール。と、ほ、ほ、です。
看護婦さんも慣れたもので、お腹を暖めたりその他いろいろな手を使い(内緒)出た時には本当に嬉しかった。看護婦さんも一緒に喜んでくれて、こんな事でも幸せな気持ちになれる自分がおかしかった。
もっと大変だったのが「大」の方!
これはみんな苦労するらしく、手術前から親切な見ず知らずのおじさんに(ヘルニアの手術をして入院してた)丁寧に教えて頂いていたのですが、やっぱり出ない。
下剤に坐薬にカマという飲み薬。
看護婦さんとの会話も、出た出ないという事ばかりになります。
やはりいろいろ手を尽くして(もっと内緒)汗だくになって、、、
出た時には、無事出産を終えたような喜びです。
10日もするとなんとかリズムもつかめて(?)楽になりました。
隣のベッドの人は、ベッドの横に便器が置いてあってトイレの時は、寝たままで長い棒でカーテンを引っ張って、看護婦さんを呼ばずに一人で便器を当てて用を足します。
私はそれが羨ましくて羨ましくて、術後初めてその棒を渡されてベッドの横に便器を持ってきてもらった時は嬉しくて嬉しくて、
「こんなに喜んだ人は初めて」
と看護婦さんにいわれました。
術後4週で車椅子に初めて乗った時、まっ先にトイレ!
頭もふらふらしたけど一人でトイレに行ける喜びは、、、
苦しみを知った者のみぞ知る!!仲間が増えた
私が手術した1週間後にWさんとたかこさんはリハビリのために別の病院へ転院していきました。まさこさんは術後4週で車椅子に乗れるようになりました。
そして私のあとに手術する人が入院してきました。
みちこさんは私の10日後。かずよっちは2週間後です。
みちこさんはまだ幼稚園にかよっている子供がいます。かずよっちは新婚ホヤホヤです。
私達3人はその後同じ部屋になり、励ましあいながら楽しく入院生活を送る事が出来ました。
長い入院生活も楽しく過ごせたのはこの股関節仲間がいたおかげです。