飲酒が長期間にわたると、どうしても心配になってくるのが、アルコールの肝臓への影響。適度な量を心がけたり、週に1−2日の休肝日を設けていても、つい深酒が続くこともたまにはあるもの。そのようなときには、体のために、どのような栄養素をとればよいのだろうか。 「アルコールを飲んだときには、普段の食事もしっかり食べることが基本です。アルコールから栄養は摂取できませんから、お酒を飲むだけで食事をしなくなると、それだけで栄養不足となり、体にストックしてあるビタミン、ミネラルを消費してしまいます」と、京都大学名誉教授・福井県立大学教授の糸川嘉則博士は言う。 そして、普段の食事をしっかり食べた上で、なおかつ必要になってくる大事な栄養素に、過酸化脂質の生成を押さえるビタミンB2やEがあるというのだ。 ビタミンB2は水溶性のビタミンで体にためておくことはできない。一方ビタミンEは脂溶性のビタミンで、ある程度体にためておくことができる。しかしどちらも、一定量以上のアルコール摂取で、失われやすくなることが知られている。 「ビタミンB2は、最近多いといわれる脂肪肝の予防にも効果的です」 アルコールが体内に入ると、細胞膜やコレステロールに含まれる脂質が酸化して、過酸化脂質に変化しやすくなる。過酸化脂質の増加は、動脈硬化の原因となり、肝臓、腎臓、心臓などの重要な臓器の機能を低下させる。それに対してビタミンB2は、脂質などの代謝に関係し、体内への過酸化脂質の蓄積を抑え、ビタミンEは、直接抗酸化物質として働く。 「長期の飲酒は体内の過酸化脂質を増やします。そして、ビタミンB2やEの濃度を低下させることも、過酸化脂質の生成に結びつきます。ですから、血管や肝臓を正常に保つためにも、ビタミンB2やEが必要なのです」と糸川博士。 過酸化脂質は生活習慣病と関係が深く、また、老化の大きな原因の1つと考えられている。その意味からも、ビタミンB2やEを十分とることは、健康の増進と老化予防の両面から重要といえるのだ。 ビタミンB2の多く含まれる自然の食品としては、エノキタケ、シイタケ、シメジ、マイタケなどのキノコ類が、ヘルシーでよい補給源となる。そのほか、ソバ粉、トウモロコシ、ゴマ、松の実、大豆や納豆、枝豆、ソラマメ、アユ、イワシ、メザシ、ウナギ、カレイ、サバ、サンマ、シシャモ、ドジョウ、ヤツメウナギ、シジミ、ハマグリなど。豚肉、牛肉の特にレバーにも多い。野菜では、ホウレンソウ、コマツナ、シソ、シュンギク、菜の花、野沢菜、ニンニク。焼きノリ、コンブにも多い。 ビタミンEの多く含まれる食品は、玄米、サツマイモ、ゴマ、松の実、ピーナツ、大豆、納豆、鮎、イワシ、ウナギ、スジコ、サバ、サンマ、シシャモ、サザエ、イカ、ウニ、エビなど。野菜ではカボチャ、アスパラガス、シソ、シュンギク、ダイコン葉、ホウレンソウ、コマツナ、焼きノリにも多い。共通して含まれる食品も多いようだ。 (森田トミオ) |