堤崎の囃子(1)

堤崎は埼玉県上尾市の西部に位置する閑静な農村です。 ここに伝わる囃子は“堤崎流”といわれる江戸囃子系の祭り囃子のひとつです。 堤崎の囃子連中は略して“堤連(つつみれん)”の愛称で呼ばれる事もあります。
江戸囃子系とは笛一人,鉦一人,小太鼓二人,大太鼓一人の計五人にて演奏される祭囃子です。

小太鼓は附締太鼓を使う事から“ツケ”と呼びます。
革の厚さにより並掛け(一丁掛け)から五丁掛けまであります。 堤崎連中は四丁掛けまたは五丁掛けを使っています。 また、附締太鼓には紐締めとボルト締めの2種があります。 かつては紐締めを使っていたようですが、現在では川越をはじめ東京近郊の多くの囃子と同じくボルト締めを使っています。 
ツケは締め具合により音に高低差をつけます。 江戸祭囃子では“真”、“流”といいますが、堤崎流では向かって左側が高い音の“上(かみ)”、右側が音の低い“下(しも)”と申します。
大太鼓は長胴太鼓を使います。 “タマ”と呼びます。 これには、大太鼓の形状からタマと呼ぶという説と、ツケだけでも十分に聴かせることができる囃子なので、たまに大太鼓を打てば良いのでタマという説があります。
当会では朴の撥を用いておりますが、堤崎ではツケもタマも撥は桜を用いています。

現在、当会には堤崎連より以下の曲が伝えられています。

屋台、昇殿、鎌倉、四丁目(しちょうめ)、宮昇殿、神田丸、子守唄、数え歌、にんば、下がり葉(唐楽)、大間(本間)、破矢、乱拍子、トッパ唐楽

以上が堤崎流祭囃子の全曲で、いつでも演奏可能となっております。

なお、子守唄はネンネンコモリと呼ぶこともあります。
また、にんばはヒョットコ、モドキ、或いは岡崎と呼ぶこともあります。 岡崎は本来にんばとは別曲で、里神楽で用いる曲目ですが、調子が似ているため、その様に呼ぶということです。

なお、下がり葉以下の曲は所謂、山車神楽で用いる曲です。