3月17日:盲導犬の訓練所に到着

盲導犬の訓練がいよいよ始まる、と言うことで、本日ニューヨークからサンフランシスコに移動しました。なんと言っても「眠い!」。今も何を書いているのかわからないほど眠い!

午前1時半にやっと荷物がつめ終わり、しばし横になるけれど、飛行場へのピックアップが5時半ってなことで、4時には起床。シャワーを浴びて最終チェック。ピックアップが遅れて到着したので6時半に家を出発(1時間は長く眠れたのに・・・)。7時過ぎに空港に到着してチェックイン。無料アップグレードでファーストクラス決定だったのでかなり嬉しい。セキュリティも難なく通過(ってか、こんなに簡単でいいの?)時間があったので朝食を「たらふく」食う(これは大失敗?)8時半過ぎの搭乗開始のアナウンスと共に機内へ。

いやぁ、ファーストクラスはいいですねぇ。椅子が大きいし、何よりも前の椅子との距離がかなりある。脚の長い私としては・・・(もごもごもご)一旦飛行機が飛び立ったら、後は、飲んで食って寝て(笑い)ぜってぇ食いすぎ。

ファーストクラスでも6時間半のフライトは長いな、っと感じつつサンフランシスコ到着。9月11日の事件以降、セキュリティチェックポイントの中へは入れないとのことで、外側で訓練所のインストラクターと落ち合う。暫く他の人を待ってからバスで訓練所へ移動。サンフランシスコ、やっぱりいい街ですねぇ。海が見えて緑が多くて、かなり綺麗です。

郊外へ移動しつつ、45分ほどで訓練所に到着。寮の部屋へ案内され、荷物を置いたときには既に寝たい度数200%。眠くて頭痛いっす。ここで一言、施設ぼろい(内緒)。この学校のオレゴンキャンパスは、かなり新しくて綺麗だったのになぁ(がっくし)。5月までに犬が欲しかったから文句は言えないんだけどねぇ、取り敢えず、がっくししてみた(笑い)。でも、ここで、4週間、かなり厳しい訓練が行われるらしい。頑張るぞ、っと。でもねむい・・・かなり。

休む暇もなく、生徒12人(後の二人は飛行機が遅れてまだ到着してない)で寮の施設の説明会が開かれた。ぼろいながらも(まだ言うか!)、コンピュータルーム、運動施設、プール(寒くて入れないけど)、などなど、中々の充実ぶり。

あ、そうそう、この学校は相部屋で生活するので、当然ルームメートがいます。黒人でちょっとお年を召した方。クリーブランドからお越しのエドさん。訛ってて英語がむずいです(滝汗)。でも、この人と4週間頑張っていくのよねん。

そんなこんなで夕飯の時間になって、ご飯食べて、喉が渇いたので水を買ってきて、ただ今、9時前。ねむ・・・寝よう・・・明日、6時半起きだし。

あ、そうそう、夕飯のメニューは、初日からプライムリブでした。ホームページで「うちの料理は美味しいので有名なんだ」って言うだけあって、そこそこいけました。デザートのケーキは頂けなかったけど(笑い)。うはっ、眠い・・・もぅダメ・・・明日も早いから寝ます。おやふみなふぁい・・・zzzZZZ乙乙乙


3月18日:訓練初日

いやぁ、緊張ってすごいですねぇ、朝の5時には目が覚めてしまいましたよ。エドさんが起きて動き出した、ってのもあるけど。

ぼーっとしたり、シャワーを浴びたり、更にぼーっとしたり・・・、で、朝食。イチゴを甘く煮て、フレンチトーストの上に乗っかったものがでてきた。美味しかった。朝から二皿食べた。ぜってぇ食いすぎ(またかぃ)。

朝食の後は早速講義開始。寮生活に関するオリエンテーションがあって、次にこの学校で扱っている犬の種類の紹介がありました。ゴールデンレトリバー、イエローとブラックラブラドールレトリバー、ジャーマンシェパード、ゴールデンとラブラドールの掛け合わせの5種類。どれも可愛いですねぇ、本当に。ものすごく人懐っこくて、撫でるとすぐに擦り寄ってくるんですよ。可愛いのなんのって。

顔の好き嫌いはそんなに感じなかったけど、毛並みの好みはあるかも。触って柔らかいのがいいなぁ、とは思ったけれど、そうなると長めの毛になりそうだし、そうなると、手入れが大変そうだし・・・悩むところだ。それでも、どれも可愛いんだけどね。残念ながら、今回は、ゴールデンとシェパードは用意されていないらしい。生き物だしね、常に生まれてるわけでもないよね。

一通り、犬と接したら、小さなグループ(3、4人)に分かれて、犬とどのように会話をするかの訓練がスタート。最初に、自分専用の手綱を手渡されました。これから、この手綱で犬と会話するんです。次に、首輪のかけ方、手綱の持ち方から始まって、ヒール(主のすぐ横を付いて歩く、誘導はしない)、お座り、伏せ。

最初は、タオルを筒状に丸めた架空の犬Juno(ジュノ)で練習。インストラクターが持ってるジュノに対して、命令をしたり、誉めたりするんだけど、最初は馬鹿らしくてものすごく恥ずかしいんですよ。後で、これがものすごく重要ってわかるんだけど、それにはまだ気付くはずもなく。ジュノに命令したり誉めたり、言うことを聞かなければ躾たり。一見、馬鹿っぽいでしょう?これが重要なんです。

全員の練習が終わると、本物の(笑い)犬の登場です。

最初に出会ったのはPJ(イエローラブラドール、オス)。盲導犬としての訓練が終了していない犬とのことでした。グループの前に出てきた瞬間から興奮してました。動き回って、人をなめまわしたり。これは、これでかなり可愛いです。こいつに手綱をつけて廊下を歩こうとするんですが・・・、言うことを聞かないんです。特に、手の開いたインストラクターが自分のペットをけしかけたり、ボールで遊んでみたりして、PJの気をひこうとするんですよ。まんまとその手にのってしまうPJ。ヒールさせたいのに、すぐにそっぽを向いてしまう。ジュノみたいにうまくいきません。命令してもついてこないし、躾ても言うこと聞かないし・・・。ジュノはいい子でした(笑い)難関を乗り越え、どうにか自分の席に戻って手綱をはずすとき、擦り寄ってきて手をなめたりするんです。いやぁ、可愛い。言うことを聞かないこいつでもこんなに可愛いんだから、命を預ける本当のパートナーだったらどんなに素敵なんだろう、と思いました。

次にであったのは、イエローラブラドールと、ゴールデンの掛け合わせのバニラ(メス)。この子はお利巧さんでした。インストラクターの間の手には目もくれず、ちゃんとついてきてくれました。うぅ、可愛いやっちゃ。

ランチはチーズラビオリ、美味しいです、デザートつきです。

で、午後の講義スタート。犬の手入れ初級講座。全員への口頭説明の後、グループに分かれて、実際に犬をブラッシングしたりしました。毎日、最低でも10分程度のブラッシングは必要とのこと、うぅ、大変そうだ。

ここで出会った犬はブラックラブラドールのFrosty。黒いのに、何故フロースティ(雪みたいにふわふわの白)と呼ばれているのかは大謎。ブラッシングしてると気持ちよさそうに擦り寄ってくるんですよ。可愛いんだって、これがまた。

この後は、ジュノを使ってステイ(待て)と、ステイ解除の方法を二通り、人間がステイしている犬の元へ戻る場合と、ステイしている犬を呼び寄せる場合の練習。ここでは、犬の登場はなし、残念。

水曜日の午後に自分の犬を手渡された後の訓練の多くはこの訓練施設の中ではなく、街中で行われるとのこと。その為に用意された別館がダウンタウンエリアにあり、その施設の紹介が行われました。バスに分譲して10分程度移動するとその施設に到着します。大き目の待合室、と言ったところでしょうか。コンピュータが一台置いてあるものの、なんもないです。お茶して、お話して、読書して・・・くらいですかね。この付近で訓練するよ、と言うことで、インストラクターと数ブロック歩いて本日は終了。ダウンタウンと言っても静かで小さな田舎町でした。

全員が集まった後はバスで寮まで帰還。既に6時近かったので夕食ターイム。メニューは、豚肉を柔らかく煮込んだものでした、美味しかった。デザートはブラウニー、今日のは良かった、うん。

食後にやることがないので、廊下を放浪していたら、インストラクターに呼び止められて、インタビュー開始。

「今のところクラスはどう?」「慣れない事ばかりで難しいです、はい」「希望の犬のタイプとかある?」と聞かれたものの、直後に「ニューヨークみたいな大都会に順応する犬が必要よね」と言われたため「できたら黒いラブラドールがいいなぁぁぁ、あればでいいけど」とだけ伝えておきました。さてさて、水曜日にはどんな犬が来るのでしょうか?

もう一つ重要な話題がありました。私に残っている視力をどうするか、と言うことです。犬より先に私が反応してしまうと、それを犬が覚えてしまいよろしくないのです。実際に犬と生活するときには、残った視力も重要だけれども、少なくとも訓練期間中は犬を信用して頼ることが大切であると言われ、必要に応じて視力をさえぎってもいいか、と聞かれました。当然「そうしてください」と答えました。

と、言うわけで、この日記を書いて、本日は全て終了いたしました。現在9時過ぎ、ニューヨーク時間で12時過ぎ。かなり疲れました。そんなに歩いているわけでもないのにね。これから、訓練はもっと厳しくなっていくんだろうな・・・うぅぅ、心配。はよ寝よっと。おやふみぃぃ


3月19日:まだまだ二日目

昨晩、早く寝たせいか、5時にはお目目ぱっちり。6時前までベッドでごろごろしてから、起きる準備、っと。あまり早く起きて相方を起こしてもなんだしね。7時15分に朝食。メニューは、スクランブルエッグ・ハッシュブラウン・パン、これじゃ足らないのでテーブルの上のオレンジとバナナもいただき。

8時から早速訓練開始。朝の伝達事項が終わってから小グループに分かれる。主に昨日までに習った命令の復習。

新しい技は、頑張った犬にご褒美としてしばらく遊ばせて上げて、その後に呼び戻す(Come)と言う命令を習う。「待て」からの呼び戻しと違って、こちらは、「こっちにおいで♪」と言った感じでしょうか。優しい声のトーンで言うのが重要らしい。そうそう、この命令だけではなく、声のトーンと言うのは大切とのことでした。シチュエーションに合ったトーンと言うものがあるらしい。難しいったらありゃしない。

Comeで呼び戻した犬は、飼い主の前か横あたりでまだ尻尾を振ってはしゃいでいる状態なので、お仕事モードに入ってもらうために「ヒール」の命令が続きます。「ヒール」と言うと、犬は飼い主の左足のすぐ横に立つことになります。これでお仕事モード突入。あ、この一連の練習はタオル犬ジュノで行われました。

言葉で書くと簡単そうでしょう?実際に、習ったこと全てを続けて行うと難しいんですよ。更に、インストラクターは、犬が言うことを聞かなかった状態をシミュレートするから、それを躾なおしたり。犬も生き物だから気持ちがどこかに飛んで行っちゃったりするんですよ。その気持ちを呼び戻すのは、飼い主や犬自身の安全にとても重要なんですよね。だから、この一見単調(実はかなり複雑で難しい)な命令・躾のコンビネーションをじっくり練習するんです。もぅ、タオル相手でも恥ずかしく感じないし(笑い)一通り練習が終わったらバスに乗ってダウンタウンラウンジまで移動。ここで初めてハーネスの紹介を受けます。

ハーネスとは犬の胴体に取り付ける皮製のワッカに鉄パイプで出来た取っ手がくっついているものです。今までは手綱だけをつけて「犬を」誘導する訓練でしたが、今度はハーネスを使って「犬に」誘導される訓練です。今度はインストラクターがハーネスを持って、見えないジュノ君に命令です。

命令の種類は多くはありません。「進め」「停まれ」「右」「左」「Hopup(ホップアップ、こらっ!気合入れろ、と言った感じか?)」「速度落とせ」、忘れてはならない「よくやったね♪」と誉めること。

簡単そうでしょう?いやいや、なんの、難しいんですって、これが。犬が誘導しやすい場所に立ち、犬に命令を伝え、犬に誘導されながら犬の状況と周りの状況を把握して、犬が寄り道をしているのか障害物をよけてくれているのか判断して、即座にしつけを行うかどうかの判断を下して、更に安全に歩く。かなりの集中力を要求されます。私の場合、若干の視力が残っているので、インストラクターがハーネスで何をしているのかが見えます。だから、躾をするか、犬の安全確保の行動なのかが少しはわかります、ちょっと、ずっこだけど。それでも、難しいんですよ。これが夜(夜盲なもんで)だったら・・・と考えるだけでも怖くなってしまいます。

犬も大変なんですよ。例えば止まっている車が目の前で通路を妨害しているとしましょう。当然、車に激突したら怒られますよね?逆に、飼い主が足か手で探れる範囲に障害物がないと「こらっ、ちゃんとした距離まで進め」って怒られるんです。微妙ですよね。前を歩いている人をよけても、飼い主が「寄り道」って勘違いしたら怒られるし。ま、これに関しては飼い主が悪いんですけどね。

犬は、白か黒かはっきりした命令をされないと困ってしまうんです。前進したいなら、はっきりと自信を持って「進め!」と言わなければならないんです。ただ・・・、もし、犬が止まったとします。足でちょっと探っても段差も障害物もない。ここで言うべきことは「Hopup」なんです。(Hopupには、色々なバージョンがあります、全て声のトーンで使い分けます、この場合は、やさしめに「もうちょい前進」みたいな感じで)飼い主が探知できる範囲の外に障害物があった場合、この言葉しかないんです。でもでも、「もし半歩先に段差があったら・・・」とか考えてしまうと、この命令を下すのにかなりの勇気がいるんです。で、言葉にするときには「Hopup?」みたいに、しり上がりな命令。これでは、犬は困ってしまうんです。「Hopupしていいんっすかぁ〜?」みたいに。直線歩行からずれたときに、寄り道をしようとしているのか、障害物をよけてくれたのか、これもわからんのですよ。少なくとも今は(笑い)このときも「ほっぷ・・・あっぷ??」みたいになってしまう。何度インストラクターに注意されたことか。いやぁ、練習して経験を積まないとやばいっす。

そんなこんなで、寮に戻ってお昼ご飯。サラダ・チーズラビオリ・オレンジムースケーキ、おいちかった。ランチのときは、この学校関係者の方々と食卓を囲むのですが、本日の我テーブルのゲストは訓練所の代表様でした。初老の男性でしたが、優しそうでかっこよかった。いや、それだけなんですが(笑い)。

食後の腹ごなしに、もう一度手綱を使っての練習。タオルジュノの登場です。今回は無事にクリア。

ダウンタウンラウンジに移動して朝の訓練の復習。訓練中の犬が床に寝転がっていたのを知らずに撫でてしまって怒られる・・・うぅぅ、訓練中って知らなかったんですもの・・・。

気を取り直して、練習の順番を待つ。ま、ちょっくら失敗したけど、こんなもんかな・・・と。

あ、そうだ、午前と午後の違いはハーネスの種類でした。午前中はエルゴノミックデザインバージョンでした、午後は従来型。好きな方を選べるらしいです、と言われても・・・どっちが使いやすかったかな・・・。従来型のほうが持ちやすかった気もするし、エルゴの方が腕とか肩への負担は少ない、と言われるし・・・。明日もう一度試せるかな?試せるといいな。

本日の訓練はこれにて終了。明日、いよいよ犬を渡されるのですが、人と犬のマッチングは全てインストラクターに委ねられています。何よりも重要なステップなので、じっくりと時間をかけて決めたい、と言ったところでしょうか。

1時間ほど休んで(本当に疲れるんです、って)夕食。サラダ・野菜ラザーニア・ガーリックブレッド、オレンジムースケーキ、毎度毎度おいちぃ。食後はPCで遊んだりして時間を過ごして、ただ今10時前・・・寝よう、っと。

明日は、私の犬とのご対面の日だ!かなり楽しみ。名前はなんだろう?どんな種類だろう?優しいかな?賢いかな?わくわくわく、では、おやふみぃ

3月20日:Dog Day

初めて自分の犬を手渡される日を「Dog Day」と呼びます。今日はその特別な日なんです。これから、命を預けるパートナーとの対面の日なんです。朝からどきどき、うきうきもんですよぉ。でもでも、楽しみは後に、ってことで、実際のご対面は午後。先ずは、お腹を満たさないとね、ってことで、朝食。今日はしけてました(笑い)ベーコンと、ブルーベリーマフィン。このマフィン、かなり美味しかったです、おかわりしました(笑い)んで、これだけじゃ寂しいからオレンジも頂いて、っと。

食後には講義がありました。犬を受け取るにあたっての心構え、とか、後なんだったかな・・・、気もそぞろで集中できてませんでした(笑い)あれ・・・まじで思い出せない・・・大したことは言ってなかったんだろう・・・多分・・・だといいな(汗)

講義の後は小グループに分かれて、タオルジュノでおさらい、明日から、自分の犬でこの練習をするんだ、と思うと気合も入る、ってもんです。最後の仕上げに、どうしても、犬の集中力を呼び戻せないときに使うテクニックを習いました。

「犬は丈夫に出来てるよ」とは言われても、できれば使わないでいいようなお利巧さんだといいな。やり方は、首輪を耳のすぐ後ろまで持ち上げて、「お座り」の強い命令と共に手綱を勢いよく上に引っ張って離すんです。で、ちゃんとお座りをしたら、集中力が戻った、ってことで、いっぱい、いっぱい、い〜〜〜〜っぱい誉めてあげるんです。忘れてはならないのは、「犬は給料なんていらない、その代わりに誉めて欲しいんだ」ってこと。飼い主の喜びを自分の喜びと受け止めてくれるんですから、沢山喜びを伝えてあげないとですよね。

この訓練の後にはダウンタウンラウンジに移って誘導のおさらい。2種類のハーネスをもう一度試してみて、エルゴノミック型のハーネスを使うことに決めました。

あ、そうだ!犬を誉めることによって、やる気を起こさせて盲導犬として働いてもらう、って言いましたよね。ここのインストラクターは、生徒も褒めちぎります(笑い)失敗したら、その個所を指摘して、直ったら誉める、犬と一緒(笑い)でも、やっぱり誉められれば気持ちいいし、頑張ろう、って思いますよね。気持ちいい動機付けは重要ですよね。

それから、寮に戻って昼食。本日のメニューは、えびのピリ辛トマトソース煮込みのご飯かけ、サラダ、チョコチップとナッツのビスケット。毎度のことですが、おいちぃ。ゲストはこの学校の広報部の方でした。その方との会話の中で、9月11日のテロ事件のとき、ビルの崩壊の直前に盲人を導き出した犬がいたんですが、その犬はこの訓練所の卒業生で、その卒業生と犬がこの訓練所の広報部に転職した旨を聞きました。すごいですよね。

いよいよ、午後の講義の開始です。午後のスケジュールが発表され、続いて、各生徒に渡される犬の名前、種類、性別が発表されました。期待と緊張感と、なんなんでしょう、兎に角、心臓ばくばくでした。

やっと私の順番がやってきました。種類はイエローラブラドール、メス、名前はHeiress(えあれす)。お姫様、って名前の犬です。インストラクターにも、「お姫様みたいには扱っちゃダメよ」と言われました。本音を言うと、ブラックラブラドールのオスが欲しかったのでちょっとがっかり。

発表の後は各自部屋に戻って名前を呼ばれたら犬を受け取りに行くことになっています。なかなか名前が呼ばれないんです。待っていた1時間ちょっとの間がものすごく長く感じられました。やっとやっと名前が呼ばれ、別室につれていかれました。インストラクターが「連れてくるからちょっと待ってね」と言い退室しました。またしても長い一瞬が過ぎていきました。戸口から「会いたい?」と声をかけられ「当然でしょう〜!」と言うと、ちょっと色の薄い大き目の犬が入ってきました。

部屋が薄暗かったので自分ではよく見えなかったのですが、インストラクター(Jeff)が細かく説明してくれました。全体的にクリーム色で、頭の上のほうがちょっと色が濃くなってる。耳はキャラメル色。目の周りは、くっきりとアイライナーをひいたみたいな感じだよ、と。「かなりの美人だよ、この子は」と言っていました。

その場で暫く名前を呼んだり撫でたりしてお互いに自己紹介。それから、初めての命令「ヒール」を使って自分の部屋まで戻りました。ちゃんと言うこと聞いたんだったかなぁ・・・。問題なく部屋まで来れたから多分聞いたんだと思うけど、緊張してるのと、嬉しくて舞い上がっているのとで覚えてないです(笑い)

明るい自分の部屋に戻ってじっくり見てみると・・・可愛いんです、すごく。兎に角、スキンシップ。「可愛いねぇ、いい子だねぇ」の連発。ここで暫くの間、仲良くなる時間を過ごしてから、「廊下で歩く練習をして」の声と共に「ヒール」させて練習しました。数回躾なおさないといけなかったけれど、とってもよく命令に従ってくれます。「いい子だねぇ、よくやったねぇ」と言って撫でてやると尻尾も振ってくれるし、可愛いぃ。黒いのなんて、いらないです。この子が一番(笑い)

全員で大部屋に集まって餌の与え方などの講義を受けます。この間も、14匹の犬は静かに伏せをして待っています。よく訓練されているものです。

5時になったら犬のお食事の時間。今日はインストラクターの方々に用意してもらいました。犬を壁の鎖につないで、廊下に出て餌を受け取ります。餌を察知した犬はおおはしゃぎ、お座りも聞かず、餌を下に置く前に食らい付いてきました。教官も「今日はこれでいいわよ」と言うことで、どうにか床において食事中はちょっと離れたところから見ていました。一瞬でお皿を綺麗になめ上げていました。それから、鎖を手綱に代えて、水のみ場に連れて行ったけれど、全く飲まず。「あれ、いらないの?本当にいらないの?」と思いつつ、トイレに連れ出します。10分ほどねばったけれど、一向に用を足す気配がありません。緊張しているのかな?ま、これ以上頑張ってもしょうがないので、寮の中に戻る。

今度は人間の食事の時間です。犬を食堂に連れて行き、椅子のすぐ横に伏せさせました。後は、手綱の動きを足で感じながら犬が動き回っていないことを確認しつつお食事タイム。メニューは、照り焼き風味ビーフにご飯とグリンピース添え、おかわりしました(笑い)デザートはお昼と一緒。

7時にはお水タイム。8時から、犬のグルーミング講座。犬と一緒に渡された小物で、歯磨きをしたり、毛繕いをしたり。気持ちよさそうにしてる姿は可愛いんですが・・・黒いズボンは白い毛で真っ白になりました・・・。毛を掃うものを買わないと。

9時になったら本日最後のおトイレタイム。今度は、大も小もしてくれました。ただ、お腹を下している・・・。心配、かなり。緊張のせいだと思うから数日様子を見てみよう、とのことでした。部屋に連れ帰って、鎖につなぎなおしたら、ふわふわマットの上ですぐに寝てしまいました。寝顔が可愛い、なんてことは、当たり前だから言わない、ってことで。あちゃ、興奮してたら、12時になってしまった。6時半がトイレタイムだから、その前に起きて準備しなくちゃ。やばひ。おやふみぃ

3月21日:初ガイド

ここに来て初日こそ肌寒かったものの、最近はかなり暖かくて過ごしやすいです。訓練で少し歩くと暑いくらいかも。

犬は常に手綱か短い鎖を使って壁などに固定していなければなりません。ある程度の自由を拘束して、主従関係をはっきりさせるためだそうです。同じ理由で、ベッドやソファに上げたり、立ち上がって前足で飼い主をどつく(?)ことも許してはいけません。小さなことでも積み重なると、イニシアチブのありかが崩れるのだそうです。

さてさて、短い鎖でつなぎとめることをtie down(タイダウン)と呼ぶのですが、昨日の夜からHeiressはベッドの横の壁に繋がれて眠っていました。部屋の角に、ふわふわのマットをひいてその上で丸まっていたんです。目を離すとマットをかじるので困りものですが。夜のトイレの後は、すっかり熟睡していたHeiressですが、朝起きて電気をつけたらお座りをしてうるうるした目でこちらを見つめていました。

くぅ〜〜、可愛い♪と喜んでいるのも束の間、6時半のトイレ時間まで40分ほどしかありません。服を着替えて顔を洗って犬に水をあげて・・・、かなり忙しいです。ぎりぎりで、トイレエリアに駆け込みセーフ。そこで暫く歩かせていて気が向けば用を足してくれます。10分ほど歩かせて何もしてくれないと「次のチャンスまでできないかんね」と心の中でつぶやきながら部屋へ引き返します。今はインストラクターがうんちを拾ってくれるのですが、もうちょっとしたら、自分で拾う様になるんですよね。犬は愛せても、その、うんちまでは・・・(汗)。今朝はおしっこしかしてくれなかったので、10分間相手をさせられました。

そうこうしてるうちに、朝食の時間。何時もは牛乳が怖いので(お腹が弱いもので)注文しなかったのですが、今日は気分的にシリアルを頼んでみました。どこにでも売ってるレーズン入りのやつなんですが、本当は好きなんですよね。幸いお腹の調子も悪くならなかったし、よしよし。その後に、メインのホットケーキ・ブルーベリー甘煮添え、ソーセージ。今日はおかわりは・・・多分してない(汗)。当然、犬は椅子の横で寝転がっています。

食後に講義。犬のガイドにどのようについていくか、みたいな内容でしたが、途中で一匹の犬が吼えて、連鎖的に場が荒れたり(Heiressはいい子なので、吼えなかったけれどね)、やっぱり犬のことが気になって、内容は覚えてないです(ごめん、Zach:インストラクター)。

それから、外の広場に出て、しつけの訓練。Heiressはいい子なので、概ね良好。ちょっとは直したけどね。

その後、小さな部屋に集まって、ハーネスの着け方を習いました。お座りをさせて、頭の方から、ハーネスをかぶせても動じずにじっとしています。ペットの犬だったら、首輪をはめるだけでも大変そうなのに、流石に訓練が行き届いています。お腹の下からベルトをまわして、金具を止めるのですが、なんせ、おニューのハーネス、硬くて難儀しましたが、それも無事に終了。Heiressが初めて盲導犬の姿に変身した瞬間でした。「こんなもの着けさせられて重いと思うけど、これからよろしくね」と言った感じです。

バスまではヒールさせて連れて行きます。握りの部分をゆさゆさしながら着いて来ます。全員乗り込んでいざ出発。バスや電車に乗ったときに伏せをしてしまうと他の乗客に迷惑だったり踏まれてしまったりするから、お座りの姿勢で過ごす癖をつけたほうがいい、と言うことで、お座り開始。でも、床がすべるんですよ。座っていると、お尻が、つつ〜〜、って流れていってしまって座ってられないんです。犬は面倒くさいから横になろうとするし、私は座らせようとして首輪を持ち上げて、と格闘がしばらく続いて、どうにか座らせても、また、つつ〜〜、って滑ってしまうんです。足でお尻を固定してあげたりしてサポートしてあげるんですが、犬も重いので、中々大変です。上手にはまると、ひざの上にあごを乗っけて寝ちゃったりするんですけどね。寝顔も可愛い♪重いけど・・・。

今回はダウンタウンラウンジではなくて、長い綺麗な直線の道が取れる場所にバスを止めての訓練。ハーネスに掴まって、先ずは直線を歩いてみよう、と言うことです。ちょっくらハーネスが短くて、掴まった感覚が宜しくない。ま、それは、寮に戻ったらすぐに直してもらえると。「姿勢をちゃんとして!」には無理があったけど、足元を気にしないで、速い速度で歩けるのはかなり爽快でした。300メートルほどの直線を往復しただけですが、すごく気持ちよかったです。誉めると尻尾を振ってくれるHeiressも、これがまた可愛くて頼もしくて。「前へ」、「速度上げて」・・・、命令を与えるとすぐに従ってくれます(聞かないときもあるけど)。交差点に来るとちゃんと止まってくれます。車の流れを読んだら「進め」、交差点を渡りきると、また段差の前で止まります。いっぱい誉めると、また尻尾を振ります。すごく短い体験だったけれど、青い空に見守られながら颯爽と歩く快感は忘れられません。

バスの中のお座りと格闘しながら、寮に戻って、水を与えて、おトイレタイム。お腹の不調は治ったみたいでやれやれ。

昼食は、ピリ辛スープ、ブリトー、豆を煮たもの、ジャーマンチョコレートケーキ。盛り沢山でお腹いっぱい、満足。

午後は、道路の安全な渡り方の講義でスタート。「車が来ていないときに渡りましょう」、こんな当たり前で簡単なことなのに、目が見えないとものすごく難しいんです。あ、そうそう!盲導犬は信号は見ていません。色盲だしね。道路の横断の安全確認は人間がします。危険を察知したときだけ、犬は前進の命令を拒否したりするんです。犬が信号を見てない、なんて知らなかったでしょう?私も知りませんでした(笑い)。

犬にハーネスをつけて、再度バスで移動です。大分、お座りにも慣れてきたみたい。ダウンタウンラウンジに到着して、訓練スタートです。春の息吹のせいか、犬がいっぱいいる為なのかはわからないけれど、ここに到着してから鼻炎性の頭痛がひどいんです。で、今日もひどかったので、一番手で訓練に出してもらいました。ハーネスジュノで練習した道をHeiressと一緒に歩くんです。緊張もんです。今回は朝と違って、車も人通りも多い道です。歩道もかなりでこぼこしています。犬も戸惑っているのか、なかなかスピードアップしてくれません。何度注意しても、すぐにスピードを落としてしまいます。こちらの姿勢とかハーネスの持ち方も悪いので、あまり注意するのも躊躇するんですが、そこは、隣を一緒に歩いているインストラクターの「ちゃんとやって!」の一言でびしっ、っと決めます(本当か?)。街の一区画をくるっと回る程度の簡単な順路ですが、車が歩道に乗り上げてきたり、前を歩いているおばちゃんが今ひとつとろかったり、とアクシデントもしばしば。それぞれをちゃんと(それとなく?)こなしてラウンジに戻ってきました。

インストラクターに「感想は?」と聞かれて「最高だよ〜!」と答えました。自分では気が付かなかったけど、満面の笑みを浮かべていたみたいで、「その笑顔が全てを物語ってるよね、それで、私たちの仕事も救われるよ」と言われました。経験してみないと絶対にわからないと思うけど、ものすごく衝撃的な出来事なんです。足元だけを見るんじゃなくて、視線を上げて、速いペースで歩く、そんなある意味当たり前のことができるようになったんですから。インストラクターに言わせたら、「まだまだ、っしょ」と笑われそうですが。

その後はラウンジのソファで寝てました。頭痛がひどくって・・・。床では、Heiressが気持ちよさそうに一緒に寝てました。一眠りしたところで声をかけられました。

中途半端に目が見えてしまうと、犬に頼るのではなく、犬と足元に視線が行ってしまい、犬をガイドしてしまったり、犬よりも先に反応してしまったりするんです。何よりも姿勢が悪くなってしまいますし。と、言うことで、残っている視野の下半分を隠すようなめがねを作ってもらいました。何の事はない、サングラスの内側に小さな窓を残してテープを張ったものなのですが。明日からは、これを使って訓練です。

寮に戻って、お決まりの、水・トイレ。暫くしてから夕飯。マカロニチーズと、半分に切ったトマトに、にんにく・ハーブ・パルメザンチーズをかけて焼いたもの、お昼と一緒にデザート。美味しかったけど、ちょっと寂しくないかぃ(笑い)。お昼が立派だったから、ま、いっか。食事中に突然吠え出した犬につられてHeiressも初吼え。急に飛び上がって抑えていた手綱を振り切って走り出すかと思った。どきどきもんでした。当然、こっぴどく注意されました。怒った後は、ちゃんと「いい子だね〜」って撫でましたが。

食後はヒールの練習。今晩当直のTaiaがペットのゴールデンレトリバーを連れ出して走らせたり、ボールを投げたり、餌を挙げようとしたり、色々な手で犬の気をひこうとするのです。その中を、ちゃんとヒールしてくれたらお利巧さん、気持ちが離れたら注意される、と言うものです。私が気付くことも出来ないようなスピードで差し出された餌に食いついていました・・・こらっ・・・。「気持ちが離れたらすぐに直して!」と言われたけれど、離れたことすら気付きませんでした(汗)。他の犬が走り回っていることには、かなり我慢強いみたい。ラブラドールレトリバーは、床に落ちているものを全て食べてしまうので、「掃除機」と呼ばれています。この食い意地、直さないと・・・ね。そういや、食事中になんか拾って食べていたらしい・・・こらっ。

この後、9時に最後のおトイレに連れ出して今日は終わり。Heiress、お疲れ様でした。私も疲れた・・・寝よう、っと。おやふみぃ

3月22日:雨だぁ

朝一番のトイレに向かったら、出入り口に人がたまってる。近づいてみると、レインコートを手渡しているではないですか。外を良く見ると雨が・・・。サンフランシスコでは、終盤戦とは言えまだ雨季。いつかは雨の中の訓練があるんだろうな、と思っていたのですが、意外と早くにやってきました。

盲導犬を使うには(少なくとも慣れるまでは)両手を開けておかなくてはなりません。当然、傘なんて持てません。ですから、全員レインコート、となるわけです。雨の中「早くトイレ済ませろ〜」の心の願いが通じたのか早めに用を足してくれました。

で、朝食。本日は、ベーグル・クリームチーズ・ジャム、ベーコン、フルーツサラダ。ここのベーコンはあんまし好きではないですねぇ。

雨が降っているので、朝はお作法のお勉強。床にベーコンを置いて、そのすぐ横をヒールさせるんです。盲導犬は飼い主からしか食べ物を受け取らないように訓練されています。しかし、そこは犬、誘惑に負けてしまうこともあります。それをなくすための練習です。

私の順番が来ました。Heiressは食い意地がはっているのでちょっと心配です。床のベーコンを通り過ぎるとき、視界の隅でチラッ、っと見ていそうですがどうにかクリア。次に廊下に出されたマットのうえに連れて行きます。お座りなどの命令をするときに、床がすべると犬が溶けてしまう(お尻のすわりが悪くて、お座りをしているとお尻だけが滑って何時の間にか伏せになってしまうことをこう表現しています)ので、このマットが用意されました。バスの中でお座りをさせるのが難しいのも溶けてしまうからなんですよね。お座りをさせると、最初の難関。インストラクター(Amy)がベーコンを鼻の前に持っていきます。動かすと、目だけではなくて首を回して追っていますが食べません。「いい子だね〜」と誉めまくり。一通り、お座り、伏せ、ステイ、ステイからのヒール、などを終えてから、もう一度ベーコンの登場。やはり他人からは食べません。よかったぁ。ここで、よく頑張ったね、と言うことで小さなお菓子を与えることもできるそうです。場所と状況をちゃんと選んで行えば、犬にとって非常に強い動機付けになるそうです。私の場合、可愛くて、ついつい多めに与えてしまいそうだったのでこのプログラムには参加しませんでした。と言うことでHeiressのご褒美は、沢山の誉め言葉と撫で撫でだけ。

これが終わると、バスに乗り込んでダウンタウンラウンジまで移動。寮の入り口から200メートル程度の道のりに、階段あり、障害物ありの複雑(?)なコースですが、ハーネスをつけたHeiressはちゃんとバスの入り口まで連れて行ってくれます。今まではヒールさせて犬を連れて行ったのにちゃんと誘導してくれているんです。頼もしいです。

ラウンジに到着したら順番を待って誘導訓練。ビルの中から誘導スタート。開いている自動ドアの前で一旦停止。飼い主にドアがあることを知らせるために、既に開いていても扉の前で一旦停止をすることが求められています。今回はクリア(頻繁に忘れるので躾ないと)。

雨の中、外に出て何時ものコースを歩き始めます。ちょっと進んだところで、昨日もらっためがねを使ってみようと言うことに。視界が妙にさえぎられているので最初は違和感があります。これをかけると、正面は見えるのですが、どう頑張っても足元は見えなくなります。道路を見極めて歩くのには100%盲導犬に頼ることになります。犬と足元が見えないので、自ずと視線は前に向きます。背筋も伸びます。身体をねじって下を見ないので、ハーネスも真っ直ぐ掴んでいるのでしょう、意思の伝達がかなり正確に行えます。犬は、声の命令に従うだけではなく、ジュスチャー、飼い主との相対位置、ハーネスにかかる圧力などを総合判断して行動を起こしますから、飼い主が身体をねじっていてはダメなんです。例えば、歩いていて、突然犬の方に視線を落とすと、体がねじれて、ハーネスをねじる力がかかってしまいます。そうすると、犬は「え、真っ直ぐ進むんじゃないの?曲がって欲しいの?」と混乱してしまうんです。

最初は違和感のあった特殊めがねも、前だけを見ている分には普段と変わりなく感じてきました。下が見えないことを除けば。姿勢が良くなれば歩幅も延ばせます。犬が小走りする程度のスピードで歩くことが出来ます。横断歩道にくれば段差の手前で止まってくれます。歩道の調子が悪ければ迂回をするかスピードを落としてくれます。前に人がいれば、必要な対処をしてくれます。頼もしい限り。私の肩にまだ力が入っているので、もっとリラックスできればいいのですが・・・。慣れたら、犬にガイドさせながらウィンドーショッピングもできるよ、と言われました。今までは、足元に気を取られて、探しているお店を通り過ぎてしまうことも多かったので大きな違いです。

これが終わったら犬のルーティンをして、ランチ。鮭の切り身の香草焼き、クスクス、サヤエンドウ、サラダ、デザートはレモンメレンゲパイ。いやぁ、この鮭、美味しかったです、かなり好評だった模様。パイも美味。夜も同じデザートなので今から楽しみ♪

午後の講義は「犬にどうやって間違いを教えるか」でした。障害物にぶつかったり、段差の手前で止まらなかったりしたときにどうするか、です。障害物にぶつかったら、すぐに止まり、その場所までバックして戻り、お座りさせて、障害物をたたきながら(障害物に腹を立ててるんじゃなくて、犬に指し示すために、ね)「Heiress, no!」と言います。それから、数歩後ろに下がって、進めといいます。これで、障害物をよけてくれたら、いっぱい誉めるんです。これで次からはぶつからなくなるでしょう。段差を無視してしまったら、「No!」と言って、段差まで戻って、(場合によってはお座りさせて)誉めるんです。「ここでちゃんと止まったら、いっぱい誉めてあげるよ」と言ったところでしょうか。入り口の一旦停止無視でもこのテクニックを使うのですが、間違いを犯した直後に行わないと有効ではないので慣れるまでは難しそうです。久しぶりに登場したハーネスJuno(インストラクターが持っているハーネスに引っ張られる訓練)で練習です。椅子に激突させられた(?)後にこれをやるのって、やはり難しいです。頭の中ではすべきことはわかっていても、びっくりすると、どうしても行動が遅くなってしまいますよね。訓練、ってわかっていてもびっくりするんですから、不意に訪れる事故のときは・・・大変そう。

その後、再び、ダウンタウンラウンジへ。寮からバスまでは、特殊めがねをしなかったのですが、最初から最後まで「視線を上げて」と言われつづけました。ラウンジについてからのコースではめがねを使ったのですが、やはりこの方が上手くいくようです。インストラクターにも「ばっちしだね」と言われました。見えてしまうと癖でついつい足元に視線が行ってしまうようです。Heiressとの息も大分合ってきたかな?僕の好みの速度もわかってくれるようになったし、コースも覚えてくれたので、半分だけオートパイロット、かも(笑い)気分爽快。

寮に戻って、犬のご飯とトイレ、で、人間のディナー。ローストターキー・クランベリーソース添え、マッシュポテト、ブロッコリー。グレービーが美味しかったな。おかわりしたら、多すぎてお腹に詰め込むのが大変だった(汗)。それでも、デザートのレモンメレンゲパイは食べたけど(お馬鹿)。

私も含めて生徒の大半の疲れがたまってきているみたいで、皆口々に「疲れたぁ、日曜日は寝まくろう」と言っています。私も食後うとうとしてしまい、起きたら7時半過ぎ。希望者にヒールの練習をさせてくれたのですが、眠いのでパス。

次に起きたら9時5分。やばい、トイレの時間じゃん!(インストラクター:Jeffは、土砂降りの雨の中待っているのです)すぐに手綱をつけて、ハーネスをつけて、レインコートを羽織って外に出ました。10分の遅刻・・・ごめんなさい。外に出て所定の位置までHeiressに誘導してもらいます。暗くて何も見えていないのに、足元を見ようとしてしまう私。癖とは怖いものです。当然注意されました。「暗くて見えてないよね?だったら、視線を上げて!」ごもっともです。

ずぶ濡れの犬をタオルで拭いて本日は終了。疲れたぁ。この日記を書くのも結構時間がかかるもんだな(笑い)11時半になっちゃったから寝ま〜す。ふぅぅぅぅ、明日もよろしくね>Heiress(いびきをかいて寝てます)

3月23日:雨のち晴れ

頑張って今日一日を思い返しているけれど、あまり劇的なことはなかったのかよく思い出せないです(汗)。

朝起きたら、まだ雨が続いていました。6時半に定例のおトイレ時間。早朝の冷たい雨の中、ハーネスを掴んでトイレの場所まで誘導してもらい(これも、誘導の訓練の一部です)、ハーネスをはずして、手綱を長くしてやります。この状態で、犬を歩かせてやると、運動と地面の匂いをかぐこととで用を足す準備が出来ます。犬がどのようにしてその「場所」を決めるのかは知りませんが、「ここだ!」と決めるとしゃがんで用を足します。英語で「用を足しなさい(Do your business.)」って言いながら自分の周りをくるくる歩かせるんです。面白いでしょう。今は、犬がうんちをしても、インストラクターがシャベルで拾って捨ててくれます。来週くらいから、多分、自分で拾って捨てることになります。盲人がどのようにして捨てるか。一つの方法は、ビニール袋を手にかぶせて拾うことです。理論的にはわかるんですが、どこで用を足したのかどうやってわかるんだろう・・・。やってればわかるようになるよ、と言われますが、今のところ全く見当もつきません。昼間なら私は見えるのでどうにかなります。夜だったら全く見えません。どうするんだろう・・・。講義をお楽しみに。今のところ3名ほどが「うんち踏んじゃった会」会員に登録されています(笑い)(インストラクター曰く、全員、最低一度は踏むね、と言っているので笑っていられるのは今だけ?)。

本日の朝食は、レイズン入りシリアル(好きなんだって)、フルーツカップ、ベーコンエッグマフィン。あ、今まで書いてないけど、毎朝、何らかのフルーツジュース(今日はオレンジジュース)と飲み物(私はコーヒー)がつきます。

朝の講義では今後3週間の予定が告げられました。主な内容的には、普段の生活で遭遇するであろう障害への対処の訓練と、日常生活(買い物など)の実地練習になる、とのことでした。人間にも犬にもかなりストレスのかかる訓練だよ、と言われました。

その後はバスに分乗してラウンジへ。来週からの新しい訓練のコースにあてられる新しいルートの紹介兼誘導の練習でした。長さにして1キロ程度と言ったところでしょうか。今度一周の時間を計ってみよう。Heiressはペースが速めなので、この距離を歩き終えると、肌寒くても汗ばみます。このクラスでは多分誰よりも速い(勝手な憶測)。車の多い道、お店の並ぶ道、などバラエティに富んだコース設定です。途中でお店に入りそうになったけど(なんでだろう・・・インストラクター:Amyも不思議がってた)、小さな子供に「わんちゃんだ〜」とはしゃがれても動じずにちゃんと迂回して問題なし。前方に人がいても、犬が判断を下してその場を対処してくれます。頼もしい限り。順調にラウンジまで戻って終了。

寮に戻ってランチ。メニューはジャンバラヤ・ライス。えび、ソーセージ、鶏肉、野菜各種をピリ辛ソースで煮込んだものをご飯にかけたものです。美味。と、サラダ。デザートはピカンパイ。うみゃ〜〜。アイスティももらいました(何時も、コーヒーかアイスティかレモネードなんぞをもらっています)。

午後の講義は、オフ日である日曜日の過ごし方、面会者の受け入れ方、などに続いて、犬のおもちゃに関するお話。盲導犬としての仕事は犬にとってものすごくストレスがたまるものなんです。ですから、毎日、ちょっとでいいから本来の「犬」でいられる時間を持たせてあげないとならないんです。ものをかじったり、引っ張りあいっこをしたり、投げたものを取りに行ったり。

と、言うわけで、これに見合ったおもちゃを3種類紹介されました。NylaBoneと言う骨の形をした硬いおもちゃです。これを20分くらいかじらせて遊ばせるんです。本物の骨は、お腹に入ってしまうし、骨が喉に刺さってはいけないので勧められない、とのことでした。次に出てきたのは、綱引きができるゴムの輪。これを噛ませて、反対側を引っ張るんです。そう言えば、犬が噛んでいるものを引っ張って取ろうとすると、犬は興奮してましたね。ペットの話ですが。もう一つは、中が空洞になったソフトクリームみたいなゴムの塊です。これをちょっと転がして取りに行かせて遊ぶんです。ここで注意しなければならないのは、ボールやフリスビーは使ってはならない、と言う事でした。ボールは転がってしまうので手綱をつけて遊ぶには無理がある。どこにでもあるものなので、見かけるたびに集中力が落ちるようになっては困る。高い位置から投げると(犬の視線からは)空を飛んでいるように見える、これが鳥などのイメージと重なって猟犬としての血を呼び覚ましてしまう可能性がある。などなど、色々教えられました。ここでは、骨のおもちゃと、後の二つのうち一つを無料でくれるそうです。どっちにしようかなぁ。ゴムの輪、かな。アパートの一室じゃ、投げて取ってこさせてたらどこかにぶつかって怪我をしそうだもんね。

その後、バスでラウンジへ移動。朝から続けていたUNOを再開して各自順番を待ちます(いや、待ち時間が長いんですよ、本当に)。いざ順番がまわってきて出発。どういうわけか、最初から歯車が合いません。「左」の命令が上手く伝わらないんです。私は左に行こうとしてるのに、Heiressは動かなかったり私の前に来るので転びそうになります。これは怖いです。この後何度も同じ状況が続くのでインストラクター(Amy)と考えた結果、私の立ち位置がまずい、との結論に達しました。それを直したら、ばっちし。Amy有難う。他には途中で訓練所から来たと思われる犬に興味を示してしまって動かなくなったり、と問題は幾つかありましたが、修正可能なものばかりだったので概ね良好。 Heiress、偉い!昨日は雨でグルーミングできなかったので、今日は念入りに。また洋服が毛まるけになった・・・。

全員の訓練が終わったら寮に戻って犬の夕食。毎回思うけれど、Heiressの食べっぷりは見事。次に人間の夕食。ピザとサラダでした。ここで焼いたピザなのかな、美味しかった。デザートは、ピカンパイかキャロットケーキ。両方欲しかったけどキャロットケーキにしてみました。正解♪(どっちも美味しい)。

夜の予定は何もなし。犬の世話は忘れられないけどね。ボーっとすごしたら11時過ぎてしまった、やばひ。寝ます。おやふみぃ

3月24日:初オフ日

一週間の疲れがたまっているのか、眠いぃ。今日は講義がないのでシャワーも犬のトイレの後でいいや、と言うことでぎりぎりの6時までおねむ。それでも辛かったぁ。結局一日中眠かったような・・・。いつもどおりのスタートです。今日はお天気良好、気分爽・・・眠すぎ。朝食メニューは、レイズン入りシリアル(また頼んじゃった)、スパニッシュオムレツ(もっとファンシーな名前がついてたけど)、クロワッサン、クランベリージュース、コーヒー。朝からお腹いっぱい、すぐにベッドに戻りたかったです。でもでもでも、8時半に次のトイレが待ってたので我慢。頭ぼーっ状態で何も出来なかった・・・。9時半頃にシャワーをかかって、一週間分の洗濯をしました。

10時半から、希望者参加の講義がありました。内容は、「T. Touch」。要するに犬用のリラクゼーションマッサージです。これから毎週日曜日に行われるのですが、初回の今日は入門編。5つの技を伝授されました。

1.五本の指先で小さな円を作り、犬に触れるか触れないか位の軽いタッチで円を描きながら頭から尻尾方向に動かす。

2.4本の指先をまげて親指同士をくっつけた(蟹みたいな形、タランチュラなんとか、と呼んでいたが・・・)状態で軽く指圧を加えながら頭から尻尾方向へマッサージする。

3.耳を軽く撫でてやる。その後、親指と人差し指の間に耳たぶをはさんで軽くマッサージする。脚や足にやっても喜ぶ場合がある。

4.片手であごと口を持ち上げて、もう片方の手で唇(親指と人差し指でつまんで)や口の周りをマッサージする。

5.指を軽く広げて指先と手の平を犬のお腹のあたりに置いて、軽く押さえながら背中方向に撫でる。

これらのうちのどれが犬にとって気持ちいいのかは個体差があるみたいですけれど、どれかをやっていると眠ってしまいます。Heiressは1番と5番がお気に入りかな。あっちこっちで犬がいびきをかいている姿は見てて面白かったです。 Heiressは、カーペットに座っていた私のひざの上でのびていました。重い、っての・・・。

それから、12時に水・トイレ。

ランチメニューは、サラダ、春巻、中華やきそば、ホワイトチョコとクランベリーのクッキー。中華やきそばは初のはずれメニュー(笑い)。

1時半にまたトイレ。日曜日の1時半から4時半は自由時間。と言うわけで、希望者で近くのショッピングモールに行くことになりました。7人集まったので、タクシー2台を手配して移動することにしました。先ずは女性陣(3名)の希望でデパートで香水選び。その後、バーへ直行グループ(4名)とモール探検グループ(3名)に分かれました。特別買いたいものはなかったのですが、私はモール探検に参加。時間がなかったのでモールの半分程度を歩いただけだったのですが、犬専用ペットショップを覗いた時に、訓練所でもらったおもちゃが意外と高価であることを発見したりして面白かったです。デジカメで写真を撮って上げようか、と言ったら喜んでくれた人がいたのでフロッピーディスクを購入。本日のお買い上げはこれだけですね。で、3時半にバー組に合流。久しぶりのビールは格別だった。生ビール、うみゃ〜。4時にタクシーのピックアップを頼んであったのですが、10分待っても来ない。2台頼んだつもりが1台しか来ない、と言うことで、希望者で歩いて戻ることに。今朝、場所確認のためにモールまで往復してきたので、ゆっくり歩いても10分くらいで到着かな・・・と。そしたら、モールが意外と大きかった(汗)。部分盲の二人が全盲の二人を誘導する形で歩き始めました。4時半前に難なく到着。当然なんだけど、タクシー組に負けて悔しかった(笑い)。

5時に犬の食事とトイレ。

ディナーメニューは、ローストビーフ、マッシュドポテト、豆、パン、お昼と一緒のクッキー。おいちかった。日曜日も働いてるシェフさん、スタッフの皆さん、ありがとう。

で、7時半のお水の時間まで寝る。その後は、9時のトイレまで寝る。とにかく、疲れがたまってて眠いんですって、ビール入ったし(笑い)。いやぁ、今日はトイレに追われた一日でした。犬のトイレの躾をするのに時間を決めてやる必要がある、ってのはわかりますよ。でも、生徒全員の意見としては「遊ばせないための謀略だよな」と言うことでした。1時間半おきにトイレはないっしょ・・・。ふぅ、また遅くなっちゃった。おねみゅ〜。おやふみぃ

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