雨の日に


雨は猛毒
大気中の悪意をその身に含み
全ての善意を塗り潰そうと狙ってる
だから 避けなきゃ 逃げなきゃ 隠れなきゃ

僕の大切な彼女も 雨に侵されてしまった
短い髪に悪意をしたたらせ
不気味に笑って僕に近寄る

ああ――
悲しいけれど 君が悪意に染まる前に
僕のこの手で殺さなきゃ

君の髪から雫が落ちて
首を掴む僕の腕を侵食していく
じわじわと 毒が僕を染め上げていく

ああ――
これで僕も雨に負けてしまうんだね
瞳を閉じた君と同じように

この雨の中 僕は傘もささずに歩き出す
せめて僕が正気の内に――
そして僕は ふわりと宙を舞う



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