F××L MOON


いつもより神経質な月を見て
ふんわり煙った薄い雲に少しだけ同情して
何だかちょっと、可笑しくなった

自分の感情すら分からなくて
今夜はヒドク狂いそうだから――
全部、あの月のせいにしてしまおうか

ふと厭な顔が浮かぶ
僕を嘲笑う、あの顔
壊したいと思った
壊そうと思った

「満月の光は――いつだって狂気の背中を押す」

輪郭のハッキリした月を背負って
キライな煙草に火をつけて
滑り止めの皮手袋を嵌めて
狂った僕が、蠢き始める

全部、馬鹿な月のせい
薄い煙に包まれて
見え隠れする、あの月のせい





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