狂気の響(おと)


今 僕の意識に広がるのは
明らかな君の裏切りの情景

声を上げて 細く高く声を上げて
きっと 涙さえ流して
嬉しそうに 悦しそうに・・・
網膜には映らないけれど 僕の目には見えるんだ

君が浮かべる 悦楽の表情
これ以上無い 僕へのあてつけ

呼気の音が 鼓動の音が
いやに湿った一人の部屋に じわりと染みこんでくる
そう 壁越しに聞こえる 狂気の響

部屋の隅で耳を塞いでも
強く目を閉じても
それでも僕は ゆっくりと狂ってゆく

絶望を報せる
僕を殺す
どこまでも残酷な 狂気の響




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