CALL1 Crank Call』 Chapter 6〜



 

10日後 12月3日

 

あれからもう10日が経つのね……………。

ねぇ?久保田くん?

あたしどうしたらいいの?

いたずら電話の犯人があなただって言われても

あたしどうすればいいのかわかんないよ。

自分の気持ちはっきりしないの……………………。

久保田くんを嫌いになったのか……………………。

それとも許してあげたいのか………………………。

 

Trrrrr Trrrrr Trrrrr Trrrrr

………………………………………電話!!

 

「…………………………もしもし…………………篠原です。」

「由記かぁ? 広瀬だけど。」

「………なんだ、広瀬くんかぁ。」

「健輔だと思った……………かな?」

「え!? べつにそんな………。

 そ、それよりどうしたの? 広瀬くんがかけてくるなんて珍しいね。」

「健輔となんかあった?」

「え…………………なんで?」

「やっぱりね…………………………。

 最近おまえら様子おかしかったからさ。

 ……………あいつ、とうとう言ったのか? 電話のこと。」

「! ……………知ってたの? 広瀬くん。」

「あぁ。まぁね。」

 

 

今日もいつものように学校が終わった。

そろそろいつもの自分のペースに戻んなきゃ。

あの日からなんだかずっと無気力で……………。

篠原さんは3日ほど学校を休んだ。

本当に風邪だったんだろうか………?

きっと………オレと顔を合わせたくなかったんだろう。

あの日から一言も口をきいてない。………当然か。

もうもとにはもどれないのだろうか………。

戻りたい……………。このままじゃイヤだ。

このまま忘れることなんてできないよ。

2年半もの間ずっと好きだったんだ。

智哉………佐野………オレ、どうしたらいいんだろ………?

もう、忘れるしかないのかな………。

 

Trrrrr Trrrrr Trrrrr Trrrrr Trrrrr

 

電話だ。面倒くさいな。

 

「はい、久保田です。」

「………………………………………………。」

「もしもし?……………もしもし……………………?」

「………………………………………………。 ガチャッ 」

 

誰だよっ!いたずら電話なんてっ!

ってゆーか、人のこと言えねぇか………………。

こんな気分のときにかけてくんなよなぁっ!

 

Trrrrr Trrrrr Trrrrr Trrrrr

 

「もしもし?」

「……………………………………………。」

「……………もしもし? どなたですか?」

「………………………………………………。 ガチャッ 」

 

だれだよ………いったい……………。

なんだろ………………この妙に不安な気持ち。

誰だかわからない相手への不安。

篠原さんもこんな気持ちだったのかな?

一度こんな電話をもらっただけでこんな不安になるんだ。

きっとこんなもんじゃなかっただろう………。

この何倍も不安な気持ちを感じたはずだ……………。

オレはとんでもないことをしでかしちまったんだな………。

 

 

「広瀬っ! こっちだよ。こっち」

「わりぃ、遅れた。」

「はいこれ。」

「なんだよ?これ。」

「見てわかんねぇのかぁ?プレゼントだよ。今日誕生日だろ?」

「おぉ。さんきゅ。

 ってゆーか、もうちょっとマシな渡し方ねーのかよ。」

「なんでー? いいじゃんかぁ。

 付き合ってるワケでもあるまいし、そんなこと気にするような間柄でもないだろ?」

「ったく、がさつなオンナ。」

「あたしからプレゼント貰えるだけでもありがたく思えよな。」

「そんなだからフラレんだよ。」

「ムカツクーっ!ってゆーか、由記に電話したんだろ?」

「あぁ、なんで知ってんだ?」

「さっき由記から電話あってさ、健輔に決着つけるんだって。」

「そかぁ。やれやれってカンジだな。()

 

久保田くんも苦しんでたんだね。

広瀬くんから聴いたよ……………いろいろね………………。

あたし、わかったの。久保田くんの気持ち。

さっき電話したときわかったよ。

広瀬くんから話を聴いて、なんだか無性に気持ちがせかされちゃって………。

気がついたら受話器の向こうから久保田くんの声が聞こえてた。

でも、自分の考えてることが言葉にならなくて……………。

何か伝えなきゃって思っても声が出ないの。

思わず受話器を置いてしまった。

そして思ったの……………。

 

「久保田くんもこんな気持ちだったのかな?」って。

 

あたし、自分の気持ちに整理ついたよ。

広瀬くんの話聴いてから思ったの。あたしも久保田くんを苦しめてた。

あたしが電話のこと相談したときどんなに苦しかっただろう………。

あたしに頼られてどんなに苦しかっただろう……………。

こんなこといろいろ考えちゃった。

 

許してあげるよ………。許してあげる。

 

結果的には「いたずら電話」になっちゃったけど

久保田くんは誠実だったもの。すべてを話してくれたもの。

 

もう迷うことなんてない。

いまのあたしの気持ちちゃんと伝えよう。

 

だって今日は……………12月3日だもの。


 

To be continued→