昔々、とある町に2匹の狸が住んでいました。
狸と言ってもただの狸じゃない、いろんなものに化けることが出来る狸です。
その狸たちは見事に人間に化け人間社会に同化して疑うものは誰もいないほどでした。
そう、順調に日々過ごしていました。
しかし、それは突然起こりました!町に異変が起きたのです。
突然町が嵐に飲み込まれ瞬く間に人や家、狸たちもその渦に飲み込まれました。
1匹の狸が目を覚ましたのはそれから数日がたった頃だった。
狸は辺りを見渡した、町が無事なことを確認し相方を探したがここにいないことに気づいた。
そこで、急いで町中を探し始めた。
町自体大きく変化していたのだが、狸にはさほど重要な事ではなかった。
狸は相方を昼夜問わず探し歩いた、いつしか狸は人の姿をやめていたがそれすら気づかないほどだった。
狸は町中を探しに探し、もう探す場所がないほど探し回った。
狸はもう相方は見つからないものだと、いつしか思うようになっていた。
その姿はもうただの狸だった。
この頃から夜な夜な何の鳴き声か想像も出来ない奇妙な鳴き声が町に響くようになった。
その鳴き声はなんとも寂しそうな、誰かを求めている様にも聞こえた。
それから数日後、町中でおかしな現象が起こり始めた。
なんと!町中の人、動物問わずある時間が来ると記憶が消えてしまうという現象だった。
それと時を同じくして奇妙な鳴き声は聞かなくなった。
そう、その狸も例に洩れず記憶が消えてしまったのである。
大事な相方の記憶が・・・
でも、相方への想いが強いのか思い出しそうになることもある。だが、きまってそれを止めるかのように記憶が消える。
まるで「私のことは忘れてしまって」とでも言っているかのようである。
その後、あの鳴き声と共に狸の姿を見ることはなくなった。
死んでしまったのか、また人に化け町に同化し人に気づかれることなく生きているのか・・・
相方は辛かったんだろうね、もう彼の元には戻れぬ状況になってしまって、それを知らずに探し続ける彼の姿を見るのが。
それで、この体を使い記憶を消すことにしたんだろう。
一番効果があり、一番悲しい選択を・・・
その相方は今もずっと悲しい作業をこなしている。
いや、もう同化してしまい意志なんてものは存在してないかもしれない。
もう二度と出会うことの無い2匹。
その2匹がいる町。
その名は・・・「福神町」
おしまい
むか〜し、むかしのお話し。
リセットが起きる訳を話すときのお話し。
え?相方の狸はどこにいるの?っだって?
それわね・・・もう知ってるはずだよ!
今もこの町の・・・おっと、時間だ!
どこかで尻尾の生えた人を見かけたら、あの狸かもね。
それじゃ、今日はここまで!