私は誰なんだろう?ここはどこだろう?
気がついたらここにいた、雨の中たたずんでいた。
雨・・・雨の日。
雨の日は、好きじゃないけど嫌でもない。
そんな感じがした、ただなんとなくそんな感じがする。
私はだれだろう?ここはどこなんだろう?
と思いながらも、別にどうでもいいや、って言っている私も居た。
雨は嫌いじゃないでも好きでもない。
そんな雨の中立っている。
でも、なぜか妙に懐かしい、この雨に打たれていると昔の記憶に繋がる気がした。
いや、ほんとにただの気であろう。
しかし、この雨は心地よい、私にはそれだけでいい気がした。
私は雨に打たれながら、空を見上げる・・・。
何か、ココロが洗われるよう・・・。
私の昔を洗い流してくれるよう。
いや、なにもかも流して欲しいのかも知れない。
私の記憶・・・いや、この肉体さえも。
私の昔に何があったのか忘れてしまったけど、なぜかそう思う。
ふと、腕を見ると真っ赤な液体にまみれた腕があった。
いや、腕だけじゃない、体も、私の全てが赤かった。
そう、雨が赤くそまっていた・・・
ハッ!、どうやら私は空を見ながら眠っていたようだ。
しかしさっきのは?・・・いそいで腕を見てみた。
が、やっぱり雨に濡れている腕があるだけだった。
夢だったの?・・・なんの夢?昔の夢?
私はだれ?いままでなにを?
私は昔から逃げたかったのだろうか?
雨が一段と強くなった。
風が吹き、
雷が鳴り、
それでも、佇む。
天が私を呼んでいるから・・・。
そういう気がした。
さっきからずっとそうだが、そんな気がする。
私は空に手を掲げ天を仰いだ、私が消える、そんな気がする。
私はそんな気がするを何回感じただろう。
今度は気だけじゃなかった、本当に体が消えていた。
だけど、痛みはなかった、いや、心地よさがあった。
私はだれ?・・・
雨の日は嫌いじゃないけど好きでもない。
その理由がわかった気がした。
私はこのまま肉体を消して雨へと変りましょう。
偽りの体を捨てて、元の雨へと戻りましょう。
私は雨、すべてに命を分け与える雨。
だから、雨の日は嫌いじゃないけど好きでもない。
私が雨だから、そんな事を思ったこともないのだから。
赤い雨、昔の記憶。
ある戦いの後に降った雨、真っ赤に染まった赤い雨、とても悲しい赤い雨。
それが、私の昔の記憶。
今度は綺麗な雨になりたいな、なれるかな?
虹が架かる雨がいいな、見れるかな?
赤い雨は嫌だな、私が私じゃなくなちゃうから。 赤い雨じゃ、私は何の役にもたてないから、草木に全ての生き物に私を分けてあげれないから、私の命を分けてあげれないから。
だから、綺麗な雨でいたいな。
それが私の、雨である私のたった一つの願い。
どこかで、私は降るのだろう、たった一つの願いを願い。
あなたの元に私を届けるために。

おしまい。

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