月が雲に隠れた漆黒の闇が覆う町の家に一つの影が降りた。
そこにいる娘の心を盗むために。
その影はどこからともなく現れ、わざと窓を破り侵入した。
変な人間がこの屋敷に呼ばれたことを知っていたから、彼に対する挑戦状の意味も込めて。
その怪盗の名は幻(まぼろし)、実体の無いような存在だから、かもしれない。
窓を割って入った場所には一人の女性がいた、幻は目にも留まらぬ早さで近寄り、言葉を話した。
それだけで、相手はもう私の虜・・・
ドン!何者かがこの部屋に入ってきた、幻は見ずとも探偵であることは想像できた。
その後から来た男が叫んだ。
男:雅ぃ〜!!大丈夫!?・・・あぁ、そんな・・・う〜ん、パタッ。
さらに、男とも女とも取れる顔立ちのやつが入ってきた。
後から来た人:あっ!そんな・・・もうすでに・・・
って、吉之助さん!大丈夫ですか!?
吉之助さんってばぁ〜・・・ふぅ、やれやれ、気が小さい人なんだなぁ〜
童家先生、どうするんです?(ぼそっ)
童家:え?大丈夫ですよ、彼女はまだ無事ですよ。
それよりもリュデリッツ君、吉之助さんを連れて行っておいてくださいませんか。
リュデリッツ:無事?だって、あんな表情を・・・
そ、それに・・・まだ、怪盗が・・・
童家:平気ですから、お願いしますよ。
リュデリッツはそれ以上何も言わずに吉之助を連れて行った。
童家:いやいや、お待たせしちゃいましたね。
幻:いやいや、かまわんよ。
今宵の盗みはどうやら失敗の様だしな・・・
童家:みたいですね、狙った獲物は100%って御方がどうしたんでしょうね?
幻:う〜ん、張り合いがあっていいじゃないか、いささか退屈してたとこだよ、簡単過ぎてね。
それに、ここには嫌な客人も居るみたいだし、居心地が悪いのぉ〜
それでは、今日のところはおいとまさせて戴くよ・・・それとも捕まえるかい?
童家:いえ、今日はどんな方か会っておきたかっただけですので。
幻:ほぉ〜、えらい心が広いのじゃな・・・次はあるのかな?
まぁ、よいわ・・・また、会うんだろうからな、きっとな・・・
バサッ!っとマントを翻し気付いたときにはもう姿はなかった。
童家:これは困りましたね、ただの女たらしかとも思いましたが違いますね・・・やれやれ。
リュデリッツ:先生!せんせぇ〜い!!
リュデリッツが吉之助を運んで急いで戻ってきた。
リュデリッツ:あ、あれ?あの怪盗は?
童家:あぁ、逃げましたよ。
そうそう、リュデリッツ君、雅さんをよろしく頼みますよ。
リュデリッツの肩を数度叩き、下に降りていった。
リュデリッツ:え!?逃げたって、先生!先生ってばぁ〜!!
ほんとに、何を考えてるのか、まったく・・・
そうだ、雅さんは?
雅の元へ近付いた。
雅:怪盗さん・・・素敵だったなぁ〜
また、会えるのかしら?
また、来て欲しいわ、今度はお茶でも用意しとかなくちゃ・・・
リュデリッツ:雅さん?ってあれ?もしもぉ〜し、お〜い!
雅は何も視界に無いかのごとく、違う部屋へと消えていった。
リュデリッツは下で暢気にお茶を飲んでいる、童家の前にいた。
リュデリッツ:先生!説明してもらいますよ!
雅さんの心を奪った怪盗を、なぜみすみす逃したんですか?
ちゃんと、納得のいく説明をしてもらいますからね!
吉之助:そうだとも!きちんと説明してもらうぞ!
ビクッ!い、いつの間に・・・
二人はツッコミたい気持をなんとか押えた(笑)
リュデリッツ:っそ、そうですよ、吉之助さんの言う通りです(ドキドキ)
童家:う〜ん、どうです二人とも一緒にお茶を飲みません?
二人:飲みません!!
童家:う〜ん、そうですか・・・美味しいんですけどね、残念です、ゴクゴク。
吉之助:ゴクゴク、やっぱりうちのお茶は美味しいでしょ?最高級品ですからな、ハッハッハ、美味しいですなぁ〜
って、おい!飲まないんじゃないのかい!しかも、またいつの間に!と、手が動きそうなのを我慢した二人であった(笑)
童家:まぁ、結論から言いますと、雅さんは心を奪われて無いですよ。
リュデリッツ:え?そんなはずは、だって、怪盗にもうメロメロでしたよ。
吉之助:えっ?そうなの?やっぱりぃ〜!おこずかいが・・・パタッ
さすがに馴れた二人は無視してみた(笑)
童家:え〜っとですね、あれは単なる憧れと言いましょうか、一目惚れってやつですね。
リュデリック:えっ?えっ!?え〜!!それはつまり・・・
う〜ん、ある意味もっとやばいのでは?ハハッ
童家:そうですねぇ〜、でも、盗まれたことになっちゃうのかな?
盗んだって言うよりは、差し出してますからねぇ〜、平気ですかねぇ〜
リュデリッツ:いや、先生、そういう問題ではない気が・・・
吉之助;いやぁ〜、絶対に許さんゾォ〜、怪盗に恋するなんて!
絶対におとうさんて呼ばせんゾォ〜!
リュデリッツ:いやいや、おっさん、それは飛び過ぎやで。
吉之助:おっさん!?なっ・・・
童家:まぁ、その話しは置いといて、あの怪盗はまたやって来ますよ、今度は確実に雅さんの心を奪いにね。
その後ろで・・・
吉之助:うきぃ〜わたしを無視するなぁ〜、お〜い!
・・・んじゃ、いじけてやるわい!、ほらほら、イジイジ・・・
リュデリッツ:う〜ん、うるさいおやじだ・・・(心の声)
そうですね、また現れそうですね、今度は守りましょうね!先生!
童家:一筋縄ではいかないみたいですよ、今回は・・・
吉之助:そうだゾォ〜、守るんだゾォ〜、お〜い、聞いてるかぁ〜
う〜、どうじゃ!逆立してるぞ!ほらほら、面白いぞ!
どかっ!誰かに吉之助は突き跳ばされた。
吉之助:うぎゃ!・・・だっ、誰だ!!・・・あっ、ふっ、風禄・・・
風禄:人様の前でなに恥ずかしいことしてるのさ。
まったく、あなたときたら・・・で?こちらの方たちは?どなた?
吉之助はことの成行きを妻の風禄に伝えた。
風禄:あなた!そんな大事な時になにをばかなことをやってるのさ!
吉之助:いや、だってさ、わたしの事を無視するんだよね、二人でさ・・・
風禄:すみませんね、で、これからは?
そんな話しの中、後ろでは激沈している吉之助の姿があった(笑)
それと同じ刻、怪盗はというと・・・
それは、また次の話し。
第2部「怪盗と探偵の戦いの始まり」でした。
もうすでにメロメロな雅、盗む必要なし?(笑)
幻・・・なんかかっこいいぞ!
童家&リュデリッツ・・・次の活躍に乞うご期待?
っていうか、後半ボケすぎだぁ〜(笑)
吉之助・・・いやぁ〜何も言うまい(笑)
キャラ決定しちゃったし(笑)
風禄・・・個人的には良いキャラだしてる!(笑)