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★★★★★ |
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アド・バード |
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椎名誠 |
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集英社 ISBN4-08-748592-7 C0193 |
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自走式放浪者・椎名誠の長編SFです。 どうもSFというと、ナントカ理論とか、聞いたこともないような金属素材ナントカタイトとかが沢山出てきて小難しいというイメージがあるんだけど、椎名誠の小説はそう言ったややこしいカガク的な言葉が出てこないので、SFのくせに何だかスルッと読めて良いです。 もちろん、ご多分に漏れずこの小説にも椎名誠自身が作り出した摩訶不思議な言葉が散りばめられてるんですけど、不思議と違和感無く自然な感じで体に入ってきます。 しかし、椎名誠の小説世界を構築する力には、ただただ驚かせられます。現実と非現実のギリギリの線上にあるような、そんな奇妙な世界を書かせたら、右に出る人は居ないんじゃないでしょうか。 |
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★★★ |
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オンリー・ミー 私だけを |
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三谷幸喜 |
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幻冬舎 ISBN4-87728-442-7 |
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劇作家(でいいのかな?)三谷幸喜のエッセー。中身の無い読み物と言っても差し支えないとおもう。でも、面白い。 三谷幸喜の小心者かつ自意識過剰なキャラクターが、想像力だけを武器に何でもなさそうな日常をオモシロ的に変えていくさまは心地良くって、笑っちゃったり何だか少し同情しちゃったりな感じです(無意味な空回りっぷりに)。 短く区切られているので、退屈な長旅の移動時間など、暇つぶしに最適な一冊。 |
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★★★★★ |
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ねじまき鳥クロニクル 第一部 泥棒かささぎ編 第二部 予言する鳥編 第三部 鳥刺し男編 |
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村上春樹 |
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新潮社 ISBN4-10-100141-3 ISBN4-10-100142-1 ISBN4-10-100143-X |
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主人公が、奪われた妻を取り戻す話。村上春樹の小説にしては珍しく、暴力とセックスの描写が多いです。良くも悪くも村上春樹的な小説なんで、割と好き嫌いが分かれるところかも。でも、好きな人にはたまらんと思います。 冒頭部は短編『ねじまき鳥と火曜日の女たち』と同じもの。 この小説自身とは関係ない話ですけど、村上春樹の小説ってなにか底の所で全てが繋がっているような気がします。この小説の中で、主人公がバットを手に井戸にもぐって何かと繋がったように。 けっこう長い小説ですが、読む価値あり。 ところで、今気がついたんだけど井戸=イド(無意識)? 駄洒落? ・・・んなわけないか。 |
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★★ |
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地獄で仏 |
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ナンシー関/大月隆寛 |
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文芸春秋 ISBN4-16-762201-7 |
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ナンシー関が好きなので買ってみたものの、大月とかいう髭でデブのおっさんのせいで、イマイチ楽しめなかった一冊。中谷彰宏叩いてる場合じゃ無いと思うんだけど。 しかしこの本、書かれたのが大分前なので、ステレオタイプな trf やドリカムいじり等、かなり今さら読んでも面白く無いネタも沢山。リアルタイムで読んでれば、それなりに納得する部分もあったかもね。 |
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★★★★ |
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自傷する少女 (原題:THE LUCKIEST GIRL IN THE WORLD ) |
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スティーブン・レベンクロン (Steven Levenkron) 杵渕幸子/森川那智子 訳 |
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集英社 ISBN4-08-760361-X C0197 |
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この本は、あるサイトに紹介されているのを見て読み始めました。 フィギアスケートの選手を目指す主人公ケイティ。ケイティに異常なまでの愛情と期待をかける母。そして、ケイティのカウンセラーであるサンディの物語。 母の愛情がケイティを追いつめ、何処にも逃げ場が無くなった時、ケイティは秘密の方法でそれをやり過ごします。それは、自傷行動とよばれる、心の痛みを身体の痛みに転換するものでした。 現役の心理療法士でもある作者の描くケイティとサンディの面談シーンには、強く引き込まれます。一人の人間が、本当の自分の気持ちを知ると言うこと(そして、それを言葉にするという事)が如何に難しいか、考えさせられる一冊。 |
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★★★★★ |
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今夜、すべてのバーで |
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中島らも |
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講談社 ISBN4-06-185627-8 |
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中島らもが、実際に肝臓を壊して入院した時の体験を基に書いた一冊。とにかくオモシロイので、するっと最後まで一気に読める。 病院内での人間模様や、主人公の心情描写が楽しい。特に、死を覚悟して入院したはずの主人公の冷静と言うよりも、呑気な自己分析が読ませる。体が徐々に快復していく様は、実際の体験を基にしているだけにリアル。 |