映画を観るお作法


【はじめに】

 映画なんて物は所詮、2時間ぐらいで、暇な時間を埋めてくれる便利なアイテムです。長くても3時間。体を動かすことなく、ただじっとしていれば良いわけで、なんだったら、ビールを片手にカウチポテトでもって過ごすことができます。恋人でも、友達でも誰か他の人と観てもかまわないし、下手にしゃべり続けて話題に困るよりは、お互いにとって、はるかに有益な時を過ごせるでしょう。
 もしも自分がその映画に感動して、涙までちょちょぎれる作品だったら、その2時間少々の時間は、その時間が持つ以上の価値を持ち、まぁまぁの作品でも『エエ時間つぶしになったわ』でおわります。しかし、困ったもので、全ての映画が自分に合った作品とは限りません。初めのうちは面白くなくても、なまじっか、我慢強いだけに、『最後まで観ないと判らない。ラストには、とんでもないどんでん返しがあるかもしれない。』といった期待を抱き、我慢しながら頑張りつづけ、やっぱり最後までおんなじで、
『やっぱりかい!』といったふうな、『自分の期待を、ものの見事に粉々にしてくれる作品』も中にはあります。しかし、私の経験上、作品自体にだけ責任があるとは思えません。やはり見る側にも、それ相応のお作法がなければなりません。それにより、上記のような事態を防げるケースも少なくありません。
 ここでは、私の経験上学んだ、自分勝手なお作法に解説を交えて書き綴っていこうと思います。私が自分の中で決めているお作法なので、参考までにお勧めする程度のものです。だから、このお作法に従わないからといって別に
飛びかかって首を絞めるようなことはいたしません。逆に言えば、自分勝手なルールなので、このお作法に対する苦情・反対意見などは、断固として拒否致します。なお、新しいしいお作法については常時受け付けおります。
 前置きがいつもながら長いですが、興味のある人は参考にどうぞ。特にここでは、レンタルビデオなど、御家庭で観る映画についてのお作法をまとめてみました。
長いので、少しづつ何度でも読んで理解されるようお願い致します。

BY MOJIO


∈お作法、其の一∋

『不朽の名作系、出会い系、そのほか。』

 これは、お作法というよりも心構えに近いと思いますが、自分的には、映画には「不朽の名作系」「出会い系の作品」と、その2つには分類できない「その他の作品」があると思います。まず、不朽の名作系では、俗に言うアカデミー作品だとか、亡くなった大スターの遺作だというものは不朽の名作ではありません。自分の中で何時までも色あせない作品のことで、「好きな作品は?」と聞かれて、躊躇なく即答できるようなものが不朽の名作です。数が多いor少ない、又は、古いor新しい、などは全然問わなくて良いのです。私、個人としても、若かりし頃、上の人に「皆が認めるあの不朽の作品を見ないとダメ!」と言われ。言うとうりに観ましたが、何処で感動or共感したら良いのかわかりませんでした。所詮そんなものです。従って、名作だと言われる作品を真っ向から否定してもかまわないのです。(ちなみに私は白黒映画の良さが全くわかりません。絶対カラー!話はそれからです!)

 次に「出会い系」。これは、レンタルビデオ屋でよくあるパターンで、普通、私はビデオ屋では映画を3本借りますが、すぐに目当ての2本が決まり、最後の1本は、適当なものがみつからず、ちょっと冒険したりします。そんな作品は、予め、そんなに期待していなかったのにもかかわらず、非常に良い出来映えで、さらに力を入れて選んだ他の2本を上回ってしまうようなことがあると余計に印象に残り、反動が大きいだけに、勢い余って皆に言いふらしてしまいます。そんな作品は自分の中のランキングまで変えてしまいます。しかしながら、後日、販売店で偶然売っていたその作品を見てしまったがために飛びついて購入し、家に帰って観てみると「たいしたことないやん・・・」としばし、呆然としてしまうことがあります。そんな作品は、間違いなく、「出会い系」の作品です。また、酔っているときor寝不足のとき等のように体調に左右された印象深い作品も「出会い系」です。一見、マイナスな要素ばかりですが、印象深かったのは紛れもなく
「わが」なので、うまく付き合っていけば、MY BESTの仲間入りができます。付き合い方が問題になります。気をつけましょう。

 最後の「その他」には、様々な作品が含まれますが、代表的な物には、「観たんやけど、ようわからん」、「観たんは観たんやけど、ラストどうやったっけ?」、「これ、1回借りたことある奴ちゃうんかな?」などです。

 これらの分類で区切ってみると、自分のMY BESTは自ずと、判ってくるものです。しかも、整理すると自分の好む「感じ・時代背景・ジャンル」などが判ります。そして監督・俳優などの名前に迷わされることなく、変な色目がねなしに作品を見ることのできる
「柔らか頭」が出来上がります。例を取ってみると、「○○監督の作品は全部見て、全て好きです。」と言っていた広末良子さんには、なんの説得力も感じられません。判っていただけたでしょうか?

∈お作法、其の弐∋

『環境設定』

 「出会い系」のところでも少し触れましたが、映画はある種、出会いが勝負です。その日の体調に合わせた作品選びが必要になってきます。酔っているor寝不足などの時には、それ相応の対応をして作品を観なければなりません。しかし、不意な災難に会い、落ち込んでいるとき、たとえば、「恋人と別れた」or「今日はなんだか心がセピ色」、などといった時に少しでも心の安らぎになってくれるのも映画の良いところです。できるだけその映画の良いところを引き出し、自分にとって良い映画にする為には、観る環境に細心の配慮を配る必要があります。

 まず、一人で見る場合、部屋を真っ暗にして窓にもカーテンをします。これで少しは、映画館の臨場感が味わえることでしょう。しかも、暗闇で見えるものは、モニターだけになるので、映画に集中できます。しかし、まだビデオを再生してはいけません。一度、TVをつけてみて、その光で部屋に浮かび上がって目に入る障害物を取り除きます。次に、上映中、どうしても喉が乾くかもしれません。そのためにも飲み物は確保しておきましょう。基本的に食べ物は禁止です。なぜなら、暗いところでは食べ物を無意識に探してしまいます。それではせっかくの映画に集中できません。しかも手を動かすと自分の手がモニターを一瞬でも遮ってしまい、物語に感情移入できません。
(AB型がチラリ)ここまでは正直、言い過ぎですが、「近からず、遠からず」です。従って、喉の渇きは仕方ありませんが、空腹は、じっと耐えなければいけません。次に自分の一番最適なポジションを確保します。これには、スタイルは問いません。以上のようなことで、初めて上映開始です。上映開始時間は、深夜であればあるほど良いです。なぜなら、周りが暗いので、簡単に暗闇が作り出せます。しかも深夜で交通量が少ないので、いらぬ雑音に悩まされることもありません。次に上映中の「ご飯休憩」、「タバコ休憩」は認められません。映画の中断はその映画の世界観の中断で、そこに現実社会を持ちこんではなりません。「トイレは?」この質問の答えは様々ですが、我慢しすぎてボウコウ炎になってまでやり遂げなければならない事ではないので、この問題は個人にお任せします。私に言わせれば、突っ込まれたあげくに、こういった生理現象を盾に「しゃあないやん!」と怒っている人がいること自体、不思議で仕方ありません。「そんなら水分とらなければイイジャン。」の一言で、表情も変えず、眉毛の一本も動きません。やはり、この問題は、各々の問題のようで根が深いようです。さらにここまでくれば細部までこだわりを見せましょう。それは、ライフラインの一つである電話を断ち切ることです。自宅にいるのだから、携帯の電源は当然切っておきます(又はバイブ)。緊急事態に備えて、自宅の電話は切る必要はありませんが、もしも、かかってきた場合には留守電で対応しましょう。盛り上がってきているときの電子音ほど不快なものはありません。ときにはバイブの振動にすら殺意を覚えてしまいます。何度も言いますが「映画は出会い」が重要です。環境作りに「やりすぎ」の言葉はないと言う事をこの際、しっかりと自覚しておく必要があります。この電話問題は、真夜中に上映を開始するという点にも関係してきます。そんな時間の電話は、「緊急事態」か「遊びにいこう」のどちらかです。緊急の場合は自宅の電話で十分対応できますし、遊びの場合は、そんな時間に誘いをかけてくる友達なら、後で着信チェックをして、少しぐらい連絡を遅らせても問題は起こりづらいでしょう。しかも、すぐに連絡しないといけない遊びを私は知りません。「多少のことは愛嬌!愛嬌!!」の強引さが必要です。以上のようなことから電話は最小限、電源を切りましょう。(やりすぎに注意。)

 次に複数で見る場合、これは、基本的に一人で観る時のお作法と同じです。しかし、複数の中には、どうしても菓子袋から手が放せない
「困ったちゃん」がいます。「共存共栄、持ちつ持たれつ」のこの世の中、妥協するのは、仕方ありません。一人だけ、「映画中に食べ物はちょっと・・・」と言わず。形だけでも積極的に菓子袋に手を出し、皆の輪を乱さないことが肝心です。しかしながら、「何を食べて良いのか?」が問題になります。これは、チョコレートorポップコーンなどのように音の出ない物を選びましょう。間違ってもポッキーorおせん餅には手を出さないこと。もしも、音の出るものしかない場合には、フェイントで手に取るだけにして、映画が終った後に「全然食べてないやん!」と突っ込まれても「アレッ!映画に集中してて忘れてた。」と、かわいくおどけて振るいましょう。くれぐれも、後藤久美子ばりの大根芝居でボロを出さないように。もしも映画が自分にとって面白くなく、「菓子食うしかないやん!」といった状況でも映画を愛するアナタなら、食べるタイミングを間違ってはいけません。価値観が同じ人たちだけで見ているわけではないので、中には「映画とガップリヨツ」の人もいます。そんな人達の為に気を配ることを忘れてはいけません。どんな映画でもテンポの強弱があり、必ず途中で息継ぎします。映画中の情景や場所、または時間が変わる瞬間があります。そういったポイントは物を食べる絶好の機会だと思われがちですが、それは、全く正反対です。なぜなら、映画中の息継ぎは、見る側の息継ぎでもあり、他の人にとっても息継ぎの機会です。そういった時に突如訪れるポッキーの音は、ひときわ目立ってしまいます。ですから物を食べるなら映画の一番盛り上がっているときに合わせて、皆がモニターに集中している時を見計らって、すばやく動きましょう。例えば、カーチェイスの最中などです。(しかし、逆に、盛り上がっているときでも、「濡れ場」の時はちょっと…)食べる機会を逃さず、手の動きは最小限に、そして間違っても他の人の視界に入ってはいけません。補足として映画中、他の人のことをしきりに伺うこともどうかと思います。誰がどう思おうとも関係ありません。もし面白い映画であるなら、恥も外聞も忘れて、モニターにむしゃぶりつく勢いを見せましょう。多少、迷惑かもしれませんが、「こちとら菓子袋の事では妥協してるんじゃい!」ぐらいの気構えがないといけません。

 最後に異性。特に彼女的な人と見る場合のお作法は複数の人と見る場合とほぼ変わりませんが、正直、
「この映画をきっかけに・・・」といった、ふらちな考えが起こるものです。仕方ありません。男のサガです。そういった場合、「映画に集中!」などといったことは、最早あきらめましょう。そんなことに集中しながら、うまい汁を吸うことなどできないのがこの世の中です勝負は一瞬です。手段は選んでいられません。聞くところによると「そっと手を握る。」、「肩に手をまわす。」といったベタなものから「相手の目をじっと見る。」、中には、「いきなりチュ−する。」といった荒ワザまであります。自分が一度観た映画を故意に選び、タイミングを見計らう者までいる始末。まさにール無用の無秩序地帯そんなわけで、ここでは、作法というものが全く存在しません。弱肉強食、実力主義の世界です。強いて言うならば、各々の力量とタイミングがここでのお作法です。くれぐれも相手のことを考えないで、突っ走ることだけはやめましょう。

 以上のようなことが上映前、加えて上映中についてのお作法です。
書くことまでもないのですが、上映前のトイレはすませ、上映中の喫煙は禁止です。

∈お作法、其の三∋

『映画選び』

 「映画選び」、この問題は映画を愛する者にとっては、初心者、上級者を問わず、奥が深い永遠のテーマです。人によって、観る映画の選び方は様々です。初めの内は手当たり次第に映画を観る事が肝心です。そこには、偏見や凝り固まった価値観があっても全くもって関係ありません。要は、気持ちの赴くままに映画を選ぶことで、そこに多少の他人の意見を取り入れることは良いことですが、あくまで情報を仕入れる程度に抑え、必要以上のことは聞かないでおくことが良いと思います。なるべく、まっさらな頭で見たほうが映画を楽しめる早道になるのは確かです。そうすると自分なりの批評ができるようになり、映画については、他人の意見に左右されない、ちょっと変わった人格ができあがりますが、間違いなく、価値観は大きく変わります。

 映画選びの効果はこれぐらいにしておいて、いよいよ実践編です。まず、映画は最低、3本借りましょう。これは、「数打ちャ当たる」の原理です。その中にハズレがあってもかまいません。次に、3本とも全力投球の選考はいけません。自分なりに順位をつけて、バランスを考えましょう。たとえ同じジャンルでも強弱はつけた方が良いです。選考時間は無制限。時間の許す限り、パッケージと格闘してください。知らぬうちに実力はついていくものです。そして、店員の目を気にしていてはいけません。たとえ
「AVかりるんやったら早くかりんかい!」といった空気も、どこ吹く風。そんなものはお構いなしの図太い心臓を身につけましょう。ここで余談ですが、知り合いの女性レンタル店員いわく、「慣れてくるとそんなん関係ない」らしい。逆に「AV借りるのに恥ずかしがってると余計に不自然」らしい。しかし、私としては、まだまだ「オラ、恥ズカス。」の心境です。そこで考え出された「AVを2本の映画でガッチリガード」も私にはピンとこない。そこで私は「AVは借りずに専門店で買ってしまえ!」の作戦でこれまでとうしてきました。返却ができない一本勝負。思えばこれがパッケージを見極める力になったのは確かです。

 話を戻して、今度は借りる期間です。これは、全て1Weekレンタルの物を選びましょう。貧乏人根性だけではなく、やはり、ここでも「出会い」を意識するべきです。極端な話、その日のうちに3本全部観たほうが良いかもしれないし、逆に返却ギリギリまで気分が乗らないときもあります。そういったことで、1Weekレンタルの物を選びましょう。くれぐれもバランスと時間を惜しまないことを考えて選びましょう。

 そして、選んだ映画の活用法に少し触れておきましょう。上記のような手順で選んだ映画をお作法どうりに見終わった後に、どうしても
「納得できない!」もしくは、あまりにも脳みそフル回転+映画の世界観が大きすぎる結果、「頭がフゥワ−!」となってしまった場合は、懲りずに何度でも観なおしましょう。これは決して恥ずかしいことではありません。判らないなら、「判らない!」と言えてしまう勇気を持ちましょう。これは、良かった映画にも言えますが、同じ映画は何度でも観るべきです。俳優の細かい表情や心に残るセリフが新たに発見できまるはずです。またその他にも、劇中のインテリアや役者の服装、装飾品に興味を引かれることでしょう。そして最大の魅力は、2回目の鑑賞になるので、心にゆとりができ、落ち着いて作品を見直すことができるはずです。特に良かった劇中の音楽は、2回目の鑑賞以降に発見できるケースが少なくないのです。このように映画には色々な楽しみ方があり、それぞれの方向性を間違わなければ、より良い人間性の形成に役立てることができます。

 最後に、レンタルビデオ屋の選び方。これは最低でもキープするお店は2件以上にしましょう。一つは大きな、例えばTU○YAorビデオ合○国などのような大型店です。もう一つキープしておくべきお店は、「入るのに勇気が要る」「吹けば飛ぶような」もしくは「AV作品が店の主な戦力と推測されるような」たたずまいのお店です。

 まず、大型店では品揃えも良く、なによりも情報が豊富である点でかなりポイントが高い。しかもCDも同時に貸し出しているために手間が省けます。しかしながら、反面、会員数が多く、話題作はほとんど品切れ状態。これでは、なんの役にも立ちません。逆に、少しまえの作品はローテーションが早く、わずらわしい思いをすることは少ないでしょう。また。大型店ゆえにあらゆるジャンルが網羅されています。そして店員は、学生バイトを除けば、全国のデータを基にして映画を仕入れる、いわば映画のプロフェッショナルです。初めは判らなくても自然と隠れた名作に出会えるようになっています。しかし、ここで騙されてはいけないのは、「陳列本数が多い=名作」というような方程式はまったく当てになりません。私もかなり痛い目にあいました。「置いてある本数に比例して面白さも比例する」というようなことはこの世界では通用しないのです。先にも述べたようにあくまで
「パッケージとの勝負」です。

 次に弱小レンタル屋では、新作すら2本程度の品揃えで、借りるのにもちょっとした「運命」が必要になります。しかしここでくじけてはいけません。常に足しげく通い。
「出会いの運命」に賭けましょう。そうすることにより他の効果が期待できます。まず、大型店では埋もれてしまうような名作を小さな店では、たやすく、見つけることができます。それに、簡単なジャンル分け程度しかされていないので、映画選びには、大型店にいるよりも数倍の集中力が必要になり、それにより目も肥えてきます。このように、「選ぶのに情熱を燃やしきった上に、その結果、くそ映画だった!」というような危険もはらみつつも、弱小店にはそれなりの役割もあるのです。

 
口がすっぱくなるほど言いますが、店舗の大小で映画選びのお作法は基本的に変わりません。「選ぶ時間・パッケージの内容」を重視することが肝心で、店の大小にはそれぞれの役割があることだけ理解しておくに留めましょう。

∈お作法、其の四∋

『映画館』

 車好きだったら、「スポーツカーが好き」、「ワゴンが好き」、「旧車が好き」、「外車が好き」などのように自分の好みが存在し、「運転するのが好き」、「車自体が好き」などそれぞれのジャンルでも、色々な楽しみ方があります。ジャンルが幅広いのと同時に、自分が好きなことに対して接する方法も人によっては違いがあります。このような事は映画好きにも当然のように当てはまります。「映画好き」だからといって、一概に一括りできません。観る場所にも意見が分かれるところで、「映画館の臨場感が好きだから絶対映画館!」とか「やっぱり落ち着ける家でゆっくり観る!」などありますが、これを私に置きかえると、間違いなく後者の方でしょう。観たいときに観れるし、スタイルも自由です。たとえ「トランクス一丁で片手にワイングラス」で観ても誰にも迷惑をかけることはありません。しかし映画館となると、お外に出るのでそれなりの格好がいります。いくらお洒落に無頓着な私でも「汚いスエットにサンダル」では、神戸っことしての小さなプライドが許しません。しかし、こんなことを映画館に観にいかない理由にするのはあまりにも浅はかです。映画館には映画館しかない良さがあります。かえって映画館には何の罪も落ち度もありません。私が映画館から足が遠ざかる理由は他にあるのです。それは、そろそろ皆さんも薄々感じてることでしょうが、簡単に言ってしまうと「自分のお作法が全くもって世間様に通用しないことがある。」からです。そんなに無茶なお作法を持論として持っている訳ではないのに、時として映画館には自分の想像をはるかに超えたルール無用の強敵が出現します。それはある程度常識があれば事足りるのに、例えば「上映中にトイレにいくときでも身をかがめる」とか、「飲食するときは音をたてない」、「後ろの人が見えるように椅子には浅く腰掛ける」などがそれに当たりまが、それさえも満足にできない敵がいるために自然と映画館から足は遠ざかります。悲しいことですが仕方ありません。しかしながら、哀れな小動物のために、「肩をそっとたたいて、優しく諭してあげる。」ようなことをして、人の神経を逆なでするようなことはよっぽどのことがない限り、避けるべきでしょう。

 これに加えて、さらに私が映画館にあまり行かない理由が他にあります。映画館で私にとって最大の強敵ははっきり言ってしまえば、「外人」です。もっといってしまえば
「アメリカ人」です。この人達は「長いものにはまかれる」、「郷にいれば郷に従え」ということには全く感知しない、ほとんど尊敬に近い個人主義の塊のような人達です。劇中の私語は勿論のこと、でっかいポップコーンを片手に周りにはばかることなく、コーラをグビグビやっつけますそんなことは日本人の中にもたまにみかけることはあります。しかしながら、最大の違い、そして最も許せない行為は「上映中に大きな声で奇声を発することです。」こればっかりはどう太刀打ちしてよいかわかりません。国民性の違い、はたまた個人主義の特権だとしてもこればっかりは納得することができません。しかしながら怒りに任せて、盛り上がっている外人に10連コンボを叩き込むようなことはしません。身の丈2メートルもある外人を挑発するようなことでは、命がいくつあっても足りません。しかし考えてみれば可愛そうなもので、外人というは20数個のアルファベットだけしかもたないので、表現方法は自然とリアクション・ゼスチュアーに頼ることになります。日本人とはボキャブラリーのキャパが、ど頭から違うのです。ですから、映画館でそのような外人と出会ってしまったのならば、敵意をむき出さずに注意深く観察し、逆にどんなリアクションをするのかをみて、楽しみましょう。
 お作法というより、映画館の不平・不満になってしまいましたが、映画館の良さも逆にあるので、
自分が許容できる範囲でどちらかを選択しましょう。

∈お作法、其の五∋

『 字幕 VS 吹き替え 』

 読んで名の通り、ここでは、邦画を除外して、外国映画を見るときに悩む、「字幕版」と「吹き替え版」、どちらを観るか?について。

若かりし頃、私は「NHKの留学生ドキュメント」を見て、「これからは、国際化の時代だ!だから、せめて英語だけでもマスターしなければ!」と真剣に思い。外国かぶれした時期がありました。
それ以来、「工藤静香」と「ミナミの帝王」に別れを告げて、外国の音楽を好み、借りる映画も絶対に「字幕版」でないとだめ!!と思っていたので、かたくなに「吹き替え版」は借りなかった。だから、ビデオ屋に前から借りたいと思っていた作品が「吹き替え版」しかなかったら、そこのビデオ屋には今後、二度と足が向く事はなく、駆けずり回ってでも字幕版を探し回っていました。
そんな私が自分の不注意にもかかわらず、うっかり、たまたま、間違えて「吹き替え版」を借りてしまったらもう大変。
吹き替え版を返却して、もう一度字幕版を借りる度量も気合もない貧乏人であるので、一応鑑賞するが、「吹き替え版」を選んでしまった事に腹が立ち、もはや、映画がどう、という事は考えられなくなり、不完全燃焼で一日中気分が悪い!しかも、これから一生、「吹き替え版」で抱いたイメージをトラウマとして抱き続けるかと思うと、ゲンナリ。

そんな、神経質過ぎる性格が変ったのは最近の事でした。
たまたま、好きな映画が○○洋画劇場に登場した。ご存知の通り、地上波では、「字幕版」はありません。従って、「吹き替え版」を見せられることになるので、以前なら、絶対に観る事はなかったのです。
しかしながら、ルパン