YO-YO MA '99
11月11日。今日はヨーヨー・マのコンサート。
仕事ですっかり遅れてしまったけど一曲終わってから席に付けるかなと思ったら会場の人に席が前の方だから休憩になってから席に付いて下さいと言われ、しぶしぶ前半は一番後ろから一人で立ち見することになった。
でも、遠い後ろからでもヨーヨー・マの姿はしっかり見えてその音の響きはホール全体に響いていることをしっかり感じることが出来た。そもそも今日はコンサートに行けないと思っていたんだからこれでよし、そう思えた。
ヨーヨー・マのことを知ったのはあの有名な某ウィスキーのCMでのリベルタンゴ。そのころ弦楽器の魅力にはまりだした頃でヴァイオリンと同じくらいチェロにも魅力を感じていった。
仕事を通して知り合いになった方でやはりチェロが好きという方がいたが、チェロの重奏な響き、それが自分の波長にすごく合ってる、そんなことを言っていたけど本当にそう。ヴァイオリンがどこか高揚しているそんな高らかな波長にあうとすれば、チェロは気分をどこまでも落ちつかして果てしなく深くて包み込むようなそんな波長、そんなものを持っている。
ちゃんとした解説にはそこのところをきちんと言ってくれているけど、ど素人の私が思うのはそんなところで、チェロを誰が弾いても同じかと言ったらそうではなくて、同じ曲を聴いても何かが違う。それが何かと言ったらわたしにはよく分からないけど、ヨーヨー・マだから聴いてみたい、と今日は思った。
話しはどんどんずれていくけど、その前にやはりチェロのコンサート(ミッシャー・マイスキー)に行ったとき、やっぱり仕事で遅れたんだ。この時は前半もう終わっていてしかも空席が結構あったせいか、みんな席を移動していたりして私の席がなくて悲しかった。
さてさて、今回のプログラムは無伴奏プログラム。バッハやコダーイの無伴奏チェロ。曲の細かなことは分からないけど、コダーイの無伴奏チェロ・ソナタはCDで最近聴いてはいたけど、ナマの音を聴いてみると、とても細やかでダイナミック、目を閉じていても音のない空間の時間も音の続きが聴こえてくるようで、そしてそのテクニックというか技術は妙絶と言った感じ。そして彼だからこそ届いてくるのかなといったこのことばに出来ない感じ。安心して身を委ねられる。
アンコールの拍手喝采は言うまでもない。
カーテンコールで何度もはみかみながら舞台に立つヨーヨー・マ。とても気さくそうで人のいい笑顔を見せてくれる。人気に秘密もここにあり、かな?でも、アンコールに応えてさっといすに座ったとたん、彼のこころは私たちの前ではなく彼の作り出す音の世界にかえっていく。私たちもその世界に一緒に入っていくことができる。会場いっぱいの人を一人の演奏家がひとつの楽器でひとつにする。すごい。
鳴りやまないアンコール。でも会場の人が秘かに期待していたのはあのCMの曲なんだよな〜というのがひしひしと伝わってくるのも面白い。今日は無伴奏プログラム。ということでピアソラのリベルタンゴは聴くことはなかったけど、それで彼自身が聴衆が期待する音楽をするのではなくて、彼自身が音楽家であるということを示したように思う。
他の会場ではピアソラだけでプログラムを組んでいるところもあって、秘かにピアソラの音楽を通してヨーヨー・マのことをより深く知るきっかけにもなったのでそっちのプログラムがいいなと思ったりもした。
楽屋出口。
握手でも出来るかなと思ったけど、けっこう人もいるしそんな雰囲気全然なし。
ヨーヨー・マが出てくると車をのぞき込む人だかり。ちょっと怖い。やっぱり人気のある有名人。そんなときのヨーヨー・マの顔もやっぱりあの笑顔だった。
おわり