「君の瞳に乾杯」

〜Here is looking at you, kid〜

VOL.1

 

映画の魅力を語るにその魅力はいろいろと語り口はあるだろう。その中の1つに名セリフというのがあると思う。ここではそんな名セリフを集めてみました。が、名セリフというのはその映画のなかで聞いてこそほんとに魅力が伝わるものである。セリフを言う役者・間・雰囲気・シチュエーションなど全てが合わさってほんとの魅力が伝わるものであるので、ここで文章だけではなかなか伝わりにくいものもあるだろうが、多少なりとも映画の気の利いたセリフを楽しんでくださいな。

さて、このタイトルの「君の瞳に乾杯」非常に有名なセリフなので映画好きには説明するまでもないのであろうが、映画に詳しくないお客さんにも読んでいただきたいので説明を。これは「カサブランカ」(1943)でのボギーことハンフリー=ボガ―トがイングリッド=バーグマンに向けて言うセリフ。この映画はかなりの名画(個人的にはそんなに好きではない、ドイツ兵は英語話すし・・・)これほどの名画となるといろいろとネタがある。この映画の主題歌「AS TIME GOES BY」もかなり有名(この映画のためのオリジナルではないが)それではもうひとつこの映画で有名なセリフを

「昨夜はどこにいたの?」
「そんな昔のことは憶えてないね」
「今夜会ってくれる?」
「そんな先のことはわからない」

別に非常に記憶力が乏しい男のセリフではない。ハンフリ―=ボガ―トが女性につれなくしているセリフ。くぅ〜 ほんとにニヒルだよな・・・ この映画では彼はず〜とこんな感じ、ニヒルの権化の様。

ではまだしばらく古い映画からいってみましょうか。

「鏡は磨いとくもんだ」

「大平原」(1939)のジョエル=マクリ―のセリフ。悪漢アンソニー=クインが酒場のカウンターにいるジョエル=マクリ―を背中から拳銃で狙う。それがカウンターの奥の鏡にうつるのを見てマクリーは振り向きざまに撃ち、クインを倒す。そしてキザにこのセリフ。これまたかっこよすぎるわけだ。実は個人的にこれと似たような経験が。大学一年生の頃、学校のそばの飲み屋で友人達と飲んでいた時、男だけで飲んでいたためナンパをしようとの計画が持ち上がった。話もまとまりいざナンパへ!といった時、ふと前方の鏡を見ると当時のガールフレンド!そこで拙者の一言「ゴメン、オレやっぱりナンパなんてできないよ」その時拙者も思ったね「鏡は磨いとくもんだ」

「アヴァンティ!」

これは映画のタイトルにもなっているセリフ。「アヴァンティ」(1973)(邦題は「お熱い夜をあなたに」)さて、この「アヴァンティ!」実はイタリア語。「ペルメッソ」と「アヴァンティ」とは対になっている言葉でホテルでボーイが「ペルメッソ」とドアをノックすると客が「アヴァンティ」と答える。「いいですか」「お入んなさい」というような意味であって、ジャック=レモン演じる男がイタリアのホテルで仲良くなった女(ジュリエット=ミル)に「ペルメッソ」と言い、女が「アヴァンティ」と答える。これまたかなり艶っぽく気の利いたセリフだと思うのだけれど・・・実際にはなかなか使えないよね

「年頃の娘がベッドでうつ伏せに寝るのは恋をしているからだ」

「昼下がりの情事」で父親モーリス=シュヴァリエが、娘オードリー=へプバーンの寝姿を見てこんなふうに呟く。実はさしたる名セリフとは思わないのだが、このセリフを聞いたのが中学生の時で、なるほどそんなものかなぁ、と思って心に残るセリフだったのだ。妙にリアリティがあるようにも思われた。当時「そうか! では寝姿を見れば恋をしているのかがわかるのか」とも思ったが女の子の寝姿を見る機会なぞ、当時はあるわけがない。事実を確かめる手段がなかった。女の子の寝姿を見るのはもう少し後の事!?

「あなたは愛してるって言ってくれたことがないのね」
「そんなことは知ってると思ってた」
「女はそれを聞きたいものなのよ」

この手の会話は比較的映画・ドラマではよく聞かれる会話だと思う。これはそのなかでも典型的傑作の「グレン=ミラー物語」(1954)におけるジューン=アリスンとジェームス=ステュアートのセリフ。グレン=ミラーとは「ムーンライト・セレナーデ」「イン・ザ・ムード」といった曲で知られる戦前、戦中と活躍したジャズマン(戦中にヨーロッパで戦死)。このセリフはかなりありふれていて載せないつもりでいたが、ある女友達が非常に気に入っていて、彼女いわく「これは女性には絶対名セリフ!」と言っていたので載せた。女性の皆様、どうでしょう?

そうそう、そう言えばその彼女がお気に入りのセリフがまだあって

「片思いでもいいの、二人分愛するから」

「荒野を歩け」(1962)でのアン=バクスターがローレンス=ハーヴェイに言ったセリフ。かなり切々たるセリフだよね。実はこのセリフ、彼女がお気に入りなのにはわけがあって、彼女は既に結婚しているのだが、このセリフで今の相手を口説き落としたのだそうだ。ということで女性の皆様は煮え切らない男性にはこのセリフで迫ってみてはいかがでしょうか?男性としてはこのようなセリフを言われると・・・やはりくらっときてしまいそう!?

「一人を殺せば犯罪者だが、百万人を殺せば英雄だ」

ちょいと恋愛から離れてみて「チャップリンの殺人狂時代」(1947)でのセリフ。このセリフ、映画から離れて反戦運動のスローガンとして有名になっている。自分は中学の時、現代社会の教科書で読んだ記憶がある。この映画でチャップリンは戦争による殺戮の正当化を弾劾した。他に「戦争を商売にしている人達に比べれば、私は殺人者としてアマチュアです」とのセリフもある。この映画がもとで、その後チャップリンは赤狩りによりアメリカを追われてしまう。アメリカ、マッカーシズムの狂った時代の始まりである。

次のセリフはセリフだけ取り出すとあまりおもしろさが伝わらないと思うので...。

「第二章」という映画の一場面より、ジェームス=カーンとマーシャ=メイスンが新婚旅行に出かけたシーン。旅行先に着いてジェームスが、彼女の顔をしげしげと見ながら

「ねえ、これからどうしよう。今、一番何がしたい?」
「あなたは?」

(と、かなり艶っぽい目をして聞き返す。)
(しばらくの間があって)

「・・・・・・じゃあ、二番目にしたいことから始めよう」

と言って散歩に出かける、といったシーン。思わずふふっと笑ってしまう。新婚さんだから、一番したいことを聞く方がヤボってもんか。ちょいと大人の雰囲気で艶っぽいシーン。

さてさて、これらの名セリフ、使えるチャンスがあれば使ってみてはいかがかな?

(99/10/07 SAMURAI)