「君の瞳に乾杯」
〜Here is looking at you, kid〜
VOL.3
さてページを改めて気の利いたセリフ、名セリフの続き・続き〜
「こんにちは お姫様!」
「ライフ イズ ビューティフル」(1999)での主人公グイドのセリフ。舞台は60年ほど前のイタリア。主人公のグイド(ロベルト=ベニーニ、監督・脚本も担当)は、お喋り好きで空想力豊かな男。美しい女性ドーラ(ニコレッタ=ブラスキ、ロベルト=ベニーニとは夫婦)との出会いでも、玉手箱のように次から次へと紡ぎ出される言葉の数々は、本当にファンタジーそのもの。そのセリフの1つがこれ。初めてドーラと出会った時に思わず出た言葉「Buon Giorno Principessa!」そして婚約者のいるドーラを口説き落とすためにこのセリフを何度も使い、ついにはドーラを口説き落とす。このセリフ、これだけ聞くとかなり歯が浮くセリフなのだが、映画の中でグイドの口から聞くと不思議とそんな感じは少しもせず本当にステキです。でもこの映画の本当の名セリフはタイトルの「Life Is Beautiful」。人生には必ずしも美しい場面ばかりではないけど、でもね、やっぱり生きてるということは美しい!このタイトルも名セリフなのではないかな。
ではもう一つイタリア映画を
「君の微笑みは押し寄せる銀の波だ」
「イル・ポスティーノ」(1995)でのセリフ。マリオ(マッシモ=トロイージ、重い心臓病をおしての執念の撮影で、なんと彼は撮影終了の12時間後に死去)はナポリ湾の小さな島の郵便局の臨時雇い。南米チリの世界的に有名な詩人ネルーダ(フィリップ=ノワレ)が共産主義的思想を理由に国外追放になり彼の島へやってくる。マリオの仕事はネルーダに送られてくる郵便物の配達。ネルーダに毎日郵便物を届け、口をきくうちにマリオは彼の詩作にも興味を持ち、彼の詩を愛読するようになる。そしてマリオはネルーダから詩作の重要な表現方法である暗喩(メタファー)について教えてもらう。「空が泣いている」どういった意味?「雨が降っている」という事、などなど。マリオはネルーダから送られた美しい装丁の詩作ノートに自分の言葉を記すようになる。そして、彼が愛する女性ベアトリーチェ(マリア=グラッツィア=クチノッタ)に対してネルーダ直伝の詩のフレーズで語りかける愛のセリフがこれ。舞台となっている島の自然は静かに寄せる波や崖に咲き乱れる花などとても美しく本当に詩的風景。
「バラのつぼみは早く摘め、時は過ぎ行く」
「今を生きる」(1990)でのセリフ。正確にはセリフではなく映画の中で読まれる詩。実はこの詩のもとになった詩がドイツ民謡にあって「Freut euch des Lebens(人生を楽しみなさい)」といったもの。エリートを何人も生み出す進学校に新しく赴任してきた国語の教師(ロビン=ウィリアムス)。彼の影響により生徒達は勉強以外に青春の生きがいを見出す。演劇を目指す者・恋に燃える者・詩を書きつづける者などなど。「今を生きよう!」彼等の中にはこの言葉が響いていくわけです。ちなみに映画の中ではこの「今を生きよう」といったセリフはラテン語で述べられている「カ―ペ・ディエム」。必ずしも勉強がいけないものとは思わないけれど、やはり勉強以外にも生きがいを見出せないとね、特に若い時代には熱くなれる仲間と熱くなれる何かが欲しいよね。そんな若い時代というのは、時というものはあっという間に過ぎ行く、だからこそ今を生きないと!今を楽しまないと!といったセリフ。拙者はこの映画を15歳の時に観てぽろぽろ泣いた。30歳を前にしてもう一度見た時、懐かしくまた涙したが、やはりこの映画は中学生〜高校生の時に見てこそだと思う。映画のメッセージをストレートに感受出来る感性の時代に見てこそ心に大きく響く。誰もが持っていた、大人になるに連れて無くしてしまった瑞々しい感受性。それを持っている時代にこの映画をぜひ!最後に、このセリフのもとになったドイツ民謡も個人的には好きなので映画の中のセリフではないけれど載せておきます。
「人生を楽しみなさい、まだランプが燃えている間に、バラの花は、しおれてしまう前に摘み取りなさい。人はわざわざ心配事やほねおりを作りだし、イバラを探し出して見つけ出す。そして道野辺に咲くスミレに気付かずにいる」
さて、また映画の中のセリフに戻って
「人生は食パンのような普通の年が多いが、ハムや辛子の年もある。辛子も一緒に噛みしめなきゃならん」
「サンドイッチの年」(1988)でのセリフ。終戦後、パリに出てきたユダヤ人少年の物語。両親は強制収容所で死んだらしい。少年は求人の貼紙を見て古物商に就職する。店の親爺さんもユダヤ人であるところからこの少年を雇う。この親爺さんは偏屈で口やかましいが、彼なりの方法で少年をかわいがる。この親爺さんがいろいろといい事を言う。そのうちのセリフの1つがこれ。友情で結ばれた金持ちの少年の親から付き合いを拒否され、落ち込んでいる少年に向けて言うセリフ。もちろんこのセリフが映画の題名の由来である。他にも「悩みのない奴は人を悩ませる」「どんな不幸な時にもチャンスはある。君がわしと出会ったように」「涙も人をつくる」などなど。この親爺さんに扮するのがヴォイチェク=プショニアックという舌を噛みそうな名前の役者なのだけれど、ユーモラスな中にしみじみとした味を見せていて実によい。
「愛してる」
「知ってる」「スターウォーズ(帝國の逆襲)」(1980)でのレイア(キャリー=フィッシャー)とハン=ソロ(ハリソン=フォード)のセリフ。いつもはハン=ソロに言い寄られても強がってて素直に愛のセリフを言えないレイア。ところが親友に裏切られ、ついにダースベイダ―に捕らえられたハン=ソロ。やがてカーボン冷凍処理の実験台となることに。この時になってようやく素直になったレイアはハン=ソロに「I love you」と告げる。それに答えてハン=ソロが「I know」と答える。かっこいいよね。女性に惚れられて愛のセリフを初めて言われたときに「知ってたさ!」なんて。実はこのセリフ。もともと脚本にはなかったらしい。脚本上ではハン=ソロも「I love you,too」と返答することになっていたのをハリソン=フォードが皮肉屋のハン=ソロには似合わないと思い、セリフをチェンジしたらしい。そういえば、彼女に「実は別れたいと思ってるんだけど・・・」と言われて「知ってたさ!」と答えた友人がいる。えらい違いだなぁ・・・
「これは女性用の銃ですね」
「その通り。銃に詳しいようですな」
「いや、女性の方に少々」「007/サンダ―ボール作戦」(1965)でのジェームス=ボンド(ショーン=コネリー)と悪役(役名は覚えていない)アドルフォ=チェリとのセリフ。まったく〜、このスケベ野郎!とツッコミいれたくなるセリフ。実は007シリーズは好きではない。毎回同じ破天荒なストーリーだし、(この回ストーリーはNATOから原爆を盗んだ犯人が米英から大金を脅し取ろうとするのをボンドが防ぐ、といったもの。なんだそりゃ!)アクションもたいしたことがない。だいたい銃を使ったアクションなんてセットがあれば誰でもできる。しかも本当に危険なシーンはスタントマンが演じる。ジャッキー=チェンを見習えってんだ。と、まあ007シリーズを見ていて面白いと思ったことはないのだが、このセリフはちょいと頭に残ってしまった。でもこういったセリフはショーン=コネリーだから格好がつくんだよな。拙者が言ったらどうなんだろう?「この太刀はおなご用であるな」「その通り、太刀に詳しいと見えるな」「いや、おなごの方に少々」・・・・・・・・・。
「君を射止めるまで時とお金を惜しまない」
「お金持ちでもないくせに」
「そんな気分なんだ」「アイリスへの手紙」(1989)でのロバート=デニーロとジェーン=フォンダのセリフ。子供や妹、妹の亭主まで養うために町の菓子工場で働くアイリスという未亡人(ジェーン=フォンダ)。ある日給料袋をひったくられ、泥棒ともみ合うのを助けてくれた男が同じ工場で働くロバート=デニーロ。彼の挙動は少しおかしく、会社では悪事をしているのではないかと疑われている。助けてくれたことをきっかけに男と付き合ううちに彼は読み書きのできない男だとわかる。彼のおどおどした態度はそこからきているのだ。彼の解雇や彼女の家庭のゴタゴタなど悩み多き日常の中で彼と彼女の間に愛が芽生える、といったありきたりといえばありきたりな設定なのだがちょいと風変わりな恋で観ていて楽しい。このセリフもほのぼのとした感じが伝わってくるようでとても好きなセリフ。別に大恋愛でなくてもね、恋はステキです。
「毎日あなたといたい」
「ラブソング/甜蜜蜜」(1997)でのセリフ。大陸(中国)から香港にやって来た男女2人の10年にもおよぶ愛の流転を描いた香港映画。フィアンセを残して天津から出てきたシウクワン(レオン=ライ)。香港での唯一の肉親である叔母を頼り、彼女の勤め先の一室を間借りし、窮屈ながらも香港での新生活をスタートさせる。小さな飯屋の配達人の職を得て、初めてもらった給料で憧れのマクドナルドに行くが広東語がうまく話せず、とまどうばかり。その時彼を助けてくれたのが、売り子の女性レイキウ(マギー=チャン、ジャッキーチェンの映画では恋人役で御馴染み)。同じく大陸からやってきた彼女は広東語が話せるので香港にすっかりとけ込み、おっとりとした(というよりボーッとした)シウクワンとは対照的で、彼女は彼のお姉さんのようでもあった。身寄りも友人もいない孤独なふたりは、唯一の「友達」として付き合い、慰め合い、喜び合ううちに、やがて一線を超えてしまう。仮の恋人として、身体を温め合うふたりだがシウクワンには田舎で彼の帰りを待ち続けるフィアンセがあった。その後10年、愛し合いながらも違う道を歩んだふたりの人生の軌跡が描かれる。豊かな生活を夢見て大陸から香港へ、そして香港に翻弄される2人。シウクワンの結婚・離婚、レイキウの破産、ヤクザの情夫との逃避行、そして95年ニューヨークの路上でふたりは再会する(その時流れている曲がテレサ=テンの「甜蜜蜜」)。そして上のセリフは田舎の恋人と結婚したシウクワンに対してレイキウが自分の想いを抑えきれず、思わず告白する言葉。勝気な彼女が言うセリフだけに切実な気持ちがストレートに伝わってくる、そんなセリフです。いやぁ、この映画ラストがけっこういいんだよね。まぁ、ありがちかもしれないが見ていて「おぉ!」と呟いてしまう。お薦めです。
さてさて、これらの名セリフ、使えるチャンスがあれば使ってみてはいかがかな?