第五膳 なれなれしい男


昔、男女ありけり。今回の女もまたまた、わたくし自身である。ある日、自宅に一本の電話がかかってきたので、わたくしが出た。

お膳:もしもし。
 :もしもし、○○?

男は無礼な事に、いきなりわたくしのファーストネームを呼び捨てにした。しかも、携帯電話ならば、まだ分からなくもないが前述のとおり自宅の電話である。わたくし本人が出たからいいものの、他の家族が出たらどうするのだろう?それに、彼氏でもないくせに、なんともなれなれしく許しがたい男である。頭にきたわたくしは彼に文句を言う事に決めた。

お膳:どちら様でしょうか?人のうちに電話をかけておいて名乗りもせずに失礼だと思いませんか?
 :・・・・(しばし無言)・・・.・・・・お兄ちゃんなんだけど・・・・。

そう、彼はわたくしの実の兄だったのである。つまり、彼の行動は無礼でも、なれなれしくもなく、極自然の振る舞いだったのである。兄は一人暮しをしていて仕事が忙しく、めったに帰って来ないため、あまり交流がないのである。

これは3年ほど前の出来事なのだが、それ以来兄はまだ1度も自宅に帰ってきていない・・・。

(99/07/03 Written by OZEN)