THE SAMOYED PEOPLE---家のサモエド
私とサモエド

雨の降り続く北アメリカはシアトルの冬、私はいつものように小雨が静かにベランダのタイルに おちるのをみつめながらどんよりした空を眺めていた。 いつものようにドアを開けると、無雑作に投げられていったニュースペーパーが転がっていた。


かならず家へやってっ来る訪問客、ようこそSeattle Post-Intelligencer
そう、それが私とサモエドとを小さな糸で結んでいたのだ。

シアトルへやってきてやっとグリーンカードが手に入ったその年、思い起こせば随分と色々なことがあった。

日々の生活はまるで深い雲の中に見え隠れしながら静かに流されているかのように見えたが 何かが少しずつ失われていくような物寂しさに途方もない空虚さを感じていた。 さめかけたCoffeeをかたむけながらちらちらと新聞をめくりはじめた その時ふとある広告が目についた。


400-ANIMAL 408-Dogs

Samoyed 5 puppies

Born3/20 $350-$450

サモイド? サモエド?まあ英語の発音はどうであれいったいどんな犬だろう... なんて親しみやすい響きなんだろう。初めて耳にするそのここちよい単語の響きが頭にすっかり残って しまった。 それから数日が何事もなかったかのように過ぎ去ったある日曜日、私は思わずその小犬がまだ残って いるかどうかを確認するために受話器をもちあげた。
それから3週間後、私は今まで住んでいたアパートをひきはらい山の中腹に立つ新しいアパートへ引っ越していた。 もちろん犬が飼えてしかもサイズにリミットがなかったからだ。

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